今回は、『マダニに噛まれたら治療は皮膚科へ行くべき?治療薬や治療方法は?』というタイトルでお送りします。
ダニの種類の中には、重症の感染症を引き起こす可能性があるウイルスを持っている「マダニ」というダニがいます
全てのマダニがその危険なウイルスを持っているわけではありません。
しかし、どのマダニが持っているかは分かりませんので、注意が必要です。
今回はそのマダニに噛まれた場合に…
- 受診し治療を受けるのは皮膚科に行けばいいのか?
- 治療薬はどんな薬剤を使うのか?
- 治療はどんな方法なのか?
などについて、説明していきたいと思います。
まず最初に、マダニに噛まれたら治療は皮膚科でいいのかについても説明したいと思います
マダニに噛まれたら治療は皮膚科に行くべき?
もし、マダニに噛まれたら、できるならマダニに噛まれたままの状態で皮膚科に受診してください。
「え?マダニに噛まれたまま?動いているうちに逃げちゃうんじゃないの?」と思いますよね(‥;)
でも、マダニは蚊のようにすぐどこかに逃げてしまうような、すばしっこい生物ではありません。
人や動物の皮膚に飛びつくと、その皮膚を突き刺し、吸血し始めると、長いと10日間もしがみついていることもあるそうです。
そして、吸血中のマダニに気づいても、無理にでも引き抜こうとしないほうがいいです。
その理由は、引き抜いたら、マダニの身体の一部分が皮膚の中に残ってしまうことがあるからです。
そうすると、皮膚の中の組織が炎症を起こして、化膿(かのう)して膿(うみ)が出てきたり、マダニの体液が逆流してしまう恐れがあります。
もし、逆流してしまったマダニの体液に、危険なウイルスが入っていたら、重症な感染症を引き起こす可能性があるのです。
ですが、噛まれているのが分かると、ついビックリして引き離してしまいますよね。
でも、もし噛まれたのがわかってとっさに引き離したとしても、皮膚にマダニの一部が残っていることは自分では分からないので、すぐに皮膚科に行きましょう。
皮膚科では、もし傷口にマダニの一部が残っていれば、きちんとそれを取り除いてくれます。
とにかく、どのような状態であっても、マダニに噛まれたらすぐ皮膚科に受診することをおすすめします。
では次に、実際にマダニに噛まれている状況の写真画像をお見せします。
マダニは、体長も家の中のダニより大きく、1~4ミリ程度はあります。
このように、マダニは口器(こうき)と言われる口の先をスッポリと皮膚を突き破って侵入してきます。そこから人や動物の血液を吸っていくのです。
そして、思いっきり吸血した後の体長は、吸血前の1~4ミリから、約1センチ程まで大きくなります。
また、体重は吸血前のおよそ100倍にまで膨れ上がるそうです(><;) では次に、マダニに噛まれた時の、治療薬や治療方法について説明していきましょう(^^)
マダニに噛まれた時の治療薬や治療方法は?
- 1 マダニに噛まれたら治療は皮膚科に行くべき?
- 2 マダニに噛まれた時の治療薬や治療方法は?
- 3 マダニに噛まれたら重症化して死亡するケースも?
- 4 まとめ
もし、マダニに噛まれた時はどんな治療薬を使用するのでしょうか?
実は、マダニに噛まれたとしても、これと言って、特別な治療薬はありません。
マダニに噛まれた時の治療方法としては、
- 噛まれた部位のマダニの除去
- 噛まれた部位の洗浄(マダニの体液などが付着している可能性があるので)
洗浄後の噛まれた跡の処置に関しては、皮膚科の先生によって変わってきます。
もし、マダニがウイルスを持っていたとしても、ウイルスに効くお薬はありません。
ただ、このように噛まれて傷ついた部位から別の細菌の侵入が考えられ、炎症を起こしてしまうケースだと、抗生物質が効きますので、その場合には抗生物質の内服や軟膏を使います。
それ以外の皮膚が少し赤みを帯びる程度のこのような傷であれば、かゆみ止めや化膿(かのう)止めの軟膏程度の処置になると思います。
このように、噛まれた皮膚も悪化せずに、徐々に回復していくことが多いのですが、中には重症化して死亡してしまうケースがあるのです。
ですので、マダニに噛まれた時には、必ず、数週間は全身の健康状態を観察するようにしてください。
もし、体調の変化に気づいた場合には、すぐ医療機関を受診するようにしましょう。
次に、その重症化する感染症について説明します。
マダニに噛まれたら重症化して死亡するケースも?
- 1 マダニに噛まれたら治療は皮膚科に行くべき?
- 2 マダニに噛まれた時の治療薬や治療方法は?
- 3 マダニに噛まれたら重症化して死亡するケースも?
- 4 まとめ
マダニの中には、あるウイルスを持っているマダニがいて、そのマダニに噛まれると重症の感染症になることがあります。
それが、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という感染症です。
しかし、最近になり、SFTSウイルスは人間だけではなく、猫や犬などのペットも感染することが分かってきました。
そして、飼い主がそのペットの体液(血液や糞、尿など)に触れても感染する可能性があることも分かってきたのです。
ですので、マダニに噛まれなくても、感染したペットから人間が感染し発症することもあるということです。
どちらにしても、もしマダニに噛まれた際は次のような症状に注意しましょう。
マダニに噛まれたらこれらの症状に注意!
マダニに噛まれた後に注意すべき症状は…
- 発熱
- 消化器の症状(吐き気・嘔吐・腹痛・下痢など)
- 頭痛
- 筋肉痛
- 関節痛
- 意識障害
- リンパ節腫脹
- 皮下出血・下血などの出血症状
などです。
マダニに噛まれて、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に感染したら、その潜伏期間は6~14日間です。
その潜伏期間の後にこのような症状が出てきたら、SFTSに感染した可能性が高いので、すぐ受診するようにしてください。
ただ、このSFTSウイルスに関しては、現在のところ、治療薬はありません。
このウイルスに効く抗ウイルス薬もありません。
治療方法としては、対症療法(たいしょうりょうほう)となっています。
対症療法(たいしょうりょうほう)とは、病気の症状に対して、その症状を少しでも和らげる方法です。
例えば、痛みがあれば痛み止めを、吐き気があれば吐き気止めを飲んだり、注射したりする方法です。
根本的にウイルスを退治する方法がないので、重症科してしまうと、死に至ることがあるのです。
マダニに噛まれた際には、必ず軽くみないで、数週間は体調を細かく観察するようにしてください。
まとめ
今回は、マダニに噛まれたら皮膚科に行くべきなのか、また治療薬や治療方法についてなど説明しました。
もし、マダニに噛まれて重症化してしまっても、治療薬や治療方法があまりないと思うと、ちょっと深刻な問題だなと思いますよね。
ただマダニに噛まれた全ての人が重症化するわけではないので、噛まれても落ち着いて、早めに皮膚科受診することをおすすめします。