大腸内視鏡検査は、先端にカメラのついた内視鏡を肛門から入れて、大腸を観察する検査です。ポリープがあれば、検査のときに治療することもあります(日本大腸肛門病学会)。
この記事では、検査前の食事と、検査当日に飲む下剤(腸管洗浄剤)について、日本大腸肛門病学会、日本消化器病学会、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の資料に書かれている範囲で整理します(2026年10月16日確認)。

まず:食事は医療機関の指示が優先
何日前からどんな食事にするかは、医療機関や検査の内容によって違い、この記事で引いた公的な資料には「3日前」「2日前」の食事を決めた記載はありません。
日本大腸肛門病学会は、検査の予約のときに、前回の検査の状況、ふだんの排便の状態(便秘など)、治療中の病気、飲んでいる薬を医療機関に相談するよう勧めています。医療機関から検査食や食事の指示書を渡されたときは、その指示に従ってください。
出典:日本大腸肛門病学会「大腸内視鏡検査について」(市民のみなさまへ、最終更新日:2022年12月21日)
検査前日の食事
日本大腸肛門病学会は、検査前日の食事について、次のように説明しています。
- 繊維の多い野菜(ごぼう、セロリなど)、種の多い果実、海藻類、きのこ類は、大腸内に残ってしまうことがあるので、できれば避ける
- 可能なら、市販の大腸検査食をとるとよい。検査当日の前処置に要する時間が短縮され、腸管洗浄剤を飲む量も減らせる
- 水分は多めにとる。水やお茶のほか、スポーツドリンクや飴もとれる
- 検査当日の朝食は抜く
バナナやヨーグルト、うどんなど、個々の食品について「食べてよい・いけない」を示した記載は、ここで引いた資料にはありません。迷うときは、検査を受ける医療機関に確認してください。
出典:日本大腸肛門病学会「大腸内視鏡検査について」(市民のみなさまへ、最終更新日:2022年12月21日)
便秘がちな人・持病のある人
便秘がちな人が、検査前に自己判断で下剤を飲む・増やすことは、ここで引いた資料のどれにも書かれていません。ふだんの排便の状態は、予約のときに医療機関へ伝えてください(日本大腸肛門病学会)。
モビプレップについては、PMDAの患者向医薬品ガイドが、次の点を示しています。
- 飲む前日あるいは飲む前にも、通常程度の排便があったことを確認してから飲み始める。排便がない場合は、医師または薬剤師に相談する
- 腸管狭窄(腸が狭くなって食べたものが通りにくくなった状態)がある人や、がんこな便秘の人は、慎重に使う必要があるので、使い始める前に医師または薬剤師に告げる
- 糖尿病用薬を使っている人は、モビプレップを検査前日には飲まず、検査当日に飲む。糖尿病用薬は、検査後の初めての食事のあとに使う。糖尿病の薬の飲み方は、必ず医師に確認する
日本消化器病学会も、開腹手術歴のある方、腸閉塞の既往歴がある方、重度の心臓病や腎臓病のある方は、薬の種類や飲み方に特別な配慮が必要で、自己判断で準備を進めるのは非常に危険だから、必ず医師と相談するよう呼びかけています。
出典:日本大腸肛門病学会「大腸内視鏡検査について」(市民のみなさまへ、最終更新日:2022年12月21日)、PMDA「患者向医薬品ガイド モビプレップ配合内用剤」(2016年4月更新)、日本消化器病学会 健康情報誌「消化器のひろば」No.27-4「大腸内視鏡検査の前処置薬」
検査当日に飲む下剤(腸管洗浄剤)
日本消化器病学会は、腸管洗浄剤にはいくつか種類があり、それぞれ特徴や注意点が違うため、患者さんの体調や持病に応じて医師が選ぶとしています。モビプレップは2リットルの水に溶かして飲む薬で、成分が濃いため、脱水を防ぐこまめな水分補給が必要です。ニフレックも通常は2リットルを服用します。
モビプレップの飲み方
PMDAの患者向医薬品ガイドと添付文書(2022年8月改訂)には、次のように書かれています。
- 飲む量と日時は医師が決める。検査当日の朝は絶食で、水分はとってよい。検査開始予定時間の約3時間以上前から飲み始める
- 水以外のお茶などで溶かさない。砂糖などを加えない(浸透圧や電解質濃度が変わるため)。水の温度についての記載はない
- コップ1杯(約180cc)に入れて飲む。飲み始めの2〜3杯は1杯を15分以上かけてゆっくり、その後は1杯を10分かけて飲む。高齢の人は1杯を約15分かけて飲む
- 喉がかわいたときは、がまんせず水またはお茶を飲む
- 自宅で飲む場合は、副作用への対応が難しいことがあるので、一人では飲まない
添付文書の用法・用量では、1袋を水に溶かして約2Lの溶解液とし、約1L飲んだあとに水またはお茶を約0.5L飲み、排泄液が透明になった時点で投与を終了する、とされています。排泄液が透明になっていない場合は、透明になるまで残りの溶解液を飲みます。ただし、1袋(2L)を超えては飲みません。
この「透明になったら終了」は、医療機関の指示のもとでの手順です。自己判断で飲む量を決めず、渡された説明書と医師・看護師の指示に従ってください。
出典:PMDA「患者向医薬品ガイド モビプレップ配合内用剤」(2016年4月更新)、PMDA 医療用医薬品情報「モビプレップ配合内用剤」添付文書(2022年8月改訂)
排便がないとき・症状が出たとき
PMDAの患者向医薬品ガイドは、次のように書いています。
- 約1リットルを飲んでも排便がない場合は、腹痛、吐き気、嘔吐のないことをかならず確認したうえで飲み続ける
- 2リットルを飲んでも排便がない場合は、ただちに受診する
- 気分が悪い、吐き気、嘔吐、腹痛、顔が青ざめる、めまい、寒気、じんましん、息苦しい、顔がむくむ、などの症状があれば、ただちに飲むのをやめて、医師に連絡する。飲み終わったあとに出た場合も同じ
- 排便があったあとも腹痛や嘔吐が続くときは、ただちに医師に連絡する
日本大腸肛門病学会も、腸管洗浄剤を服用しているときに腹痛や吐き気があれば、飲むのを止めて医療機関に相談するよう呼びかけています。日本消化器病学会も、腹部の膨満感や吐き気があるとき、無理に飲み続けず、早めに医療機関に連絡するよう勧めています。
出典:PMDA「患者向医薬品ガイド モビプレップ配合内用剤」(2016年4月更新)、日本大腸肛門病学会「大腸内視鏡検査について」(市民のみなさまへ、最終更新日:2022年12月21日)、日本消化器病学会 健康情報誌「消化器のひろば」No.27-4「大腸内視鏡検査の前処置薬」
まとめ
- 食事は、医療機関の指示(検査食や指示書)が優先。何日前から制限するかは、この記事で引いた公的資料には記載がない
- 前日は、繊維の多い野菜、種の多い果実、海藻類、きのこ類をできれば避ける。水分は多めに。当日の朝食は抜く(日本大腸肛門病学会)
- 便秘がちなときは、予約の際に医療機関へ伝える。自己判断で下剤を足さない
- 下剤は、医師の指示と添付文書・患者向医薬品ガイドどおりに。症状が出たらただちに中止して連絡する(PMDA)
こんにちは、現役看護師のミカです。
コメント
大変役に立ちました。6月30日の午後に大腸検査をいたします。ついでに胃カメラとエコー検査とてんこもりです。いつもの食事のメニューと違いますが、トライいたします。
大変参考になりました。病院からもその様な説明は受けてましたがやはり経験者さんの言葉は何よりも参考になります。
しかし検査が怖いなあ(笑)