今回は、『血圧が高い原因は緊張やストレス?30代40代の若い人ほど注意すべきことは?』というタイトルでお送りします。
血圧を測る機会は、若くて健康な人であればあまりないと思います。
病気でもあれば測ることも多いかもしれませんが、健康な人はなかなか意識して測ることはないですよね。
会社勤めであれば、健康診断などの機会で測るくらいだと思います。
ただ、
「いつの間にか病気になっていて、気付けば血圧が高かった」
というのはよくあることですので、自分の血圧を知っておくということは本当に大切なことです。
今回は血圧が高い場合のその原因などについて説明していきたいと思います。
まず最初に、高血圧とはいったいどれくらいの血圧のことをいうのかについて説明しておきます。
高血圧とはどれくらいの血圧?
日本高血圧学会によると、次のように血圧を分類しています。
分類 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 | ||
---|---|---|---|---|
正 常 域 血 圧 |
至適血圧 | 120未満 | かつ | 80未満 |
正常血圧 | 120~129 | かつ/または | 80~84 | |
正常高値血圧 | 130~139 | かつ/または | 85~89 | |
高 血 圧 |
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | かつ/または | 90~99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | かつ/または | 100~109 | |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | かつ/または | 110以上 | |
(孤立性)収縮期高血圧 | 140以上 | かつ | 90未満 |
上の図で、正常域血圧という言葉がありますが、これは特に問題ない範囲の血圧です。
正常域血圧内の至適血圧というのは、正常血圧よりも理想的な値ということで設定されています。
また、正常域血圧の中で「正常高値血圧」とありますが、これも高血圧の一歩手前で注意が必要なレベルであるということです。
まだ治療は必要ないですが、放っておくと危険な高血圧の予備軍であるということです。
そして、高血圧ではその程度をⅠ度からⅢ度に分けています。
これらは治療を必要とするレベルにあるということです。
そして、一番下にある、(孤立性)収縮期高血圧というのは、収縮期といって上の血圧(収縮期血圧)が特に高い場合を言い、特に血管が老化で硬くなった高齢者に多く見られます。
このように、高血圧の治療をするために、血圧の程度はそれぞれ細かく分類・定義されています。
では次に、高血圧の種類を説明したいと思います。
高血圧になる原因は、その高血圧の種類によって少し変わってきます。
高血圧の種類は?
高血圧には、主に2種類あります。
高血圧の患者さんの9割はこの本態性高血圧です。
・二次性高血圧:腎臓や副腎などの病気にかかったことが原因で高血圧になる場合に診断されます。
また、飲んでいるお薬の作用によって血圧が上がることも考えられます。
ここから、本態性高血圧と二次性高血圧の血圧が上がる原因について説明していきましょう。
血圧が高い原因はなに?
この2種類の高血圧はそれぞれ原因が違ってきます。
まず「本態性高血圧」ですが、
- 遺伝的な要因
- 環境的な要因
が考えられます。
遺伝的な要因については、高血圧に関係する遺伝子はあるようですが、まだ遺伝の原因となるような遺伝子は特定できていないようです。
環境的な要因は、生活習慣が主になります。
高血圧が発症しやすい生活習慣というのは、もうたくさんの人がご存知かもしれませんが、次のようなことが考えられます。
- 食塩の摂りすぎ
- 食べ過ぎ
- 肥満
- 緊張が多い
- ストレス
- 運動不足
- アルコールの摂りすぎやタバコ
- ミネラルの不足
などです。
次に「二次性高血圧」ですが、二次性高血圧の中で一番多いのは、腎臓の病気が原因となる高血圧です。
腎臓の病気というのは、例えば
- 慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)
- 多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)
という病気などで、他にも様々な病気があります。
この二次性高血圧に関しては、高血圧の治療ではなく、原因となる病気の治療が優先されます。
このように、高血圧の種類によって原因は違ってきます。
二次性高血圧のように、病気にかかってしまった場合は自分では予防のしようもないこともありますが、本態性高血圧の場合には生活習慣が関わってくるので予防ができます。
もし、本態性高血圧の診断を受けた場合には、生活習慣の見直しはとても重要になってきます。
そして、高血圧というのはほとんどの人が、高齢者の病気だと思っているかもしれません。
しかし、最近では若い人、例えば30代~40代などで高血圧を指摘される人が増えてきています。
若いうちから高血圧があるというのは、大きな問題です。
もし、放置しておくと心臓や血管にも負担をかけてしまい、将来、循環器の病気の危険性も高まってきます。
身体も血管も、高齢になるまで大切に使い続けないといけませんので、若い時から高血圧には十分注意しないといけません。
そして、若い人で血圧が高い原因には、生活習慣の乱れとストレスがとても大きく関わってきます。
生活習慣をきちんと見直すことで、血圧の調整は十分可能です。
では、そんな生活習慣の見直しについて注意すべきことを説明していきたいと思います。
高血圧で30~40代の若い人ほど注意すべきことは?
生活する上において注意すべきポイントを3つ説明していきます。
食生活に注意する
まずは、暴飲暴食は避けることです。
エネルギーの摂りすぎは中性脂肪を増やして身体に蓄えられます。
また、中性脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪だけでなく、肝臓にも蓄えられます。
肝臓には脂肪の調整機能があり、栄養を摂りすぎても基礎代謝を活発にして、体重が増えないように調節してくれているといいます。
ですが、現代人の食生活は毎日のように食べ過ぎや飲み過ぎが多く、肝臓の調整機能が本来の働きをせず、交感神経を活性化させて、血圧を上げてしまっていると言われているのです。
そして肥満になれば、循環している血液は当然増えるので、心臓が血液を送り出す時にたくさんの力を必要とします。
そして、食塩の量にも注意が必要です。
ラーメンなどの麺類や、味の濃い料理などは塩分が多いです。
血液の中の塩分濃度が高まれば、身体は水分を引き込んで濃度を薄めようとします。
すると、結果的に血液量は増えて血管内の圧は高まり血圧が上がるのです。
食事をする際の塩分量は、1日7g以下に抑えましょう。
適度な運動をする
10歳代には学校の部活などでよく動いていた人でも、社会人になり仕事でも移動は電車や車ばかり、なんていう人は多いのではないでしょうか?
こうしてどんどん運動不足になってしまいます。
すると、筋力も低下しますし、血流も悪くなっていき血圧が上がっていくのです。
例えば、毎日仕事帰りに一駅手前で下車して歩いて帰ってみるとか、無理のないゆっくりとしたペースでできる運動を始めるといいでしょう。
ストレスをあまり溜め込まないようにする
30代から40代と言えば、仕事の面でも大変ストレスを感じやすい立場にいる人も多いと思います。
そして、そこで感じているストレスが血圧を上げてしまいます。
例えば、
- 緊張しているとき
- 怒っているとき
- 怒られているとき
など、これ以外で自分が感じていなくても、色んな場面でストレスを受けていることがあります。
仕事中に緊張することが多いようなら、何度か深呼吸をして落ち着いてみるといいでしょう。
深呼吸をすると、副交感神経を刺激して血圧が下がりやすくなります。
また、仕事でのストレスが多い人は、仕事以外の日にはなるべくストレスが解消できるようなことを見つけて気分転換をすることをおすすめします。
血圧が高い原因についてのまとめ
今回は、血圧が高い原因にはどんなものがあるのか、そして若い人ほど注意してほしいことについて説明してきました。
では、まとめてみましょう。
- 遺伝的な要因…まだ高血圧の原因となる遺伝子はわかっていない
- 環境的な要因としては次のようなものがあります。
- 食塩の摂りすぎ
- 食べ過ぎ
- 肥満
- 緊張が多い
- ストレス
- 運動不足
- アルコールの摂りすぎやタバコ
- ミネラルの不足
高血圧で30代~40代の若い人ほど注意すべきことは
- 食生活に注意する
- 適度な運動をする
- ストレスをあまり溜め込まないようにする
私達が何気なく毎日おこなっている生活習慣の中には、このように高血圧の原因が色々隠されているわけです。
高血圧は放っておくと、本当に様々な病気を引き起こしてしまいます。
もし、高血圧を指摘されたら、その時点で少しでも早く自分でできる対応策から始めていくことが大切です。