看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『便意をもよおす方法は?食べ物は何がいい?催すけど出ない理由についても説明!』というタイトルでお送りします。


排便がスムーズに出る、ということは当たり前のことかもしれませんがとても大切なことです。

毎日いい便を出している人にとっては、それほど意識はしていないことだと思います。

でも、便秘に苦しむ人や便が硬くて出ない人にとっては、とても悩ましいことですね。

今回は、そんな便意をもよおす方法などについて説明していきたいと思います。



 

便意をもよおすということは?

便意をもよおす方法を説明するまえに、便意をもよおす状況というのは、身体の中でどんなことが起こっているのかについて、そのメカニズムを説明していきたいと思います。

下の図を参考にして、説明していきたいと思います。

便意をもよおすということ
 

まず、胃で消化された食べ物は、流動物(液状のもの)のまま大腸にくるとそこで水分が吸収されて、固形の状態になります。

そして、大腸の中をどんどん進んでいき、便が大腸から直腸のほうに送られていきます。

便は、便自体の重さや、食事を摂ることで蠕動(ぜんどう)反射が起こって徐々に直腸に送られてきます。

このようにして直腸内に下りてきた便の内圧がある程度以上になると、直腸にある骨盤神経が刺激され、その興奮が脊髄の排便中枢に伝えられます。

そこから、脳の視床下部というところから大脳皮質の知覚領に入って便意へとつながります。

そうすると、今度は便を出すために、肛門括約筋を緩める指示を出します。

そして、同時に腹圧をかける筋肉の収縮も指示します。

これが、便が溜まって直腸に下りてきたときに便意を感じるメカニズムです。
普通はこうして便意をもよおします。

ですが、例えば次のような2つの症状があると便意を感じにくくなることが多くあります。

  • 便秘である
  • トイレを我慢することの習慣化

などです。

では、これらについて少し説明しましょう。



便秘である

便秘は色々な原因が考えられますが、次のような原因で起こることが多いです。

  • 排便反射などが何らかの理由でうまく働かずに便が直腸などにずっと停滞したままで動かないこと
  • 大腸の動きが悪いため蠕動運動がうまくいかず、ずっと大腸に留まり便から水分が吸い取られて硬くなること

などです。

このような状態になると、なかなかスムーズに便意をもよおすことが難しくなります。

トイレを我慢することの習慣化

私たちは、肛門の括約筋を自分の意思で緊張させて閉じたり緩めたりできるわけです。

なので排便反射が正常にあり便意があったとしても、意識的に肛門を閉鎖したり出さないように調整することもできるのです。

ですが、我慢する状態が習慣化されると

直腸は便が長くそこに溜まることにより、そのままの状態でいると緊張が低下してしまい

便意を感じにくくなってしまい、以降なかなか排便反射が起こらなくなる

こうして便意を感じなくなります。

この状態になっている人は私の周囲にも多く、いつも排便難に苦しんでいます。

ですので、これらの症状を改善することが、結果的には便意をもよおすようになることに繋がってくるのです。
 

では、次にその方法について説明していきたいと思います。



排便をもよおす方法は?食べ物は何がいい?

排便をもよおす方法はやはり、生活習慣を見直すことが最善の方法であると言えます。

中でも、便意を感じたらすぐにトイレに行くということはとても大切です。

トイレに行くタイミングを逃すと、本当に排便しにくくなってしまいます。

また、食生活や運動、これらを無理なく少しずつでも続けることが大切です。

まずは、食生活から説明していきましょう。

排便を催す方法:食生活について

どんな食べ物が良いのでしょうか?

それは、次の5つの項目に注意して栄養をバランスよく摂ることがポイントとなります。

  • 水分を多めに摂る
  • ビタミンB1
  • ビタミンE
  • 食物繊維
  • 乳酸菌

ではそれぞれの項目についての説明と食材について紹介していきます。
 

水分を多めにとる

水分を多めにとる

やはり水分の摂取量が少ないと、大腸の中で水分が吸収されますのでもっと便が硬くなります。

ですので、十分な水分量は必要です。

目安としては、体重が50㎏でしたら、だいたい1.5?くらいが適当と言われています。
 

ビタミンB1…豚肉・うなぎ・玄米・ごま・大豆など

排便を催す方法 食生活 ビタミンB1

神経機能を正常に保つ効果のあるのが、ビタミンB1です。

自律神経を刺激して、腸の動きを調整します。
 

ビタミンE…落花生・アーモンド・たらこ・卵黄など

排便を催す方法 食生活 ビタミンE

腸の血液の流れをよくして、腸の働きを活発にします。
 

食物繊維…根菜類・キノコ類・イモ類・豆類・緑黄色野菜・こんにゃく・昆布・ひじき・わかめなど

排便を催す方法 食生活 食物繊維

水分を含んで膨らんで便をかさまししてくれたり、便を柔らかくします。
 

乳酸菌…ヨーグルト・ぬか漬け・みそなど

排便を催す方法 食生活 乳酸菌

こらはご存知の方も多いとと思いますが、腸内環境を整えます。

などです。



便意を催す方法:運動について

運動についてですが、自分の生活のペースに合った適当な運動をすることが大切です。

そこで、オススメの運動は、やはりウオーキングです。

便意を催す方法 運動

突然、毎日というと億劫になると思いますので、例えば週に数回から始めます。

1回に20~30分程度のウオーキングでもいいのです。

また、週に1回くらいしかできないのなら、もう少し時間を長くしてみるなどでいいと思います。
例えば、通勤の時に電車やバスで移動していた区間を、少しの区間でいいから歩いてみるなどです。

また、プールに行くことが可能ならば、水中ウオーキングもオススメです。

とにかく、運動をすることにストレスを感じてしまうとよくないので、心地よさを感じることができる程度であればいいのです。

また、マッサージも効果的です。

お風呂上りなどリラックスした状態で、横になり膝を立てて、お腹を手で時計回りにマッサージしていきます。

そうすることで、腸を刺激して排便を促します。

では、最後に便意をもよおすけど出ない理由について説明しておきましょう。

便意を催すけど出ない理由は?

便意を普通にもよおすのに排便がない理由には次のようなことが考えられます。

  • 大腸や直腸付近に何かできものがある
  • 排便刺激があるのに、便が硬いためになかなか出ない

では、それぞれについて説明しましょう。
 

大腸や直腸付近に何かできものがある

もし大腸や直腸付近になにか病気があるとして、それが障害となり排便ができないとなるとすぐに受診が必要ですので、その症状がずっと続いて出ているのなら、早めに病院を受診しましょう。

また、痛みが徐々に強くなるなどといった様子があれば、そんな時も早く受診するようにしましょう。
 

排便刺激があるのに、便が硬いためになかなか出ない

どうしても食生活や運動がうまくいかずに便が硬くなってしまう人もいると思います。

そんな方は、便を軟らかくするお薬を飲んでみてもいいと思います。

そうして、お薬の力も借りながら、少しずつ食生活や運動を見直しながら、便秘の状態を改善していくようにしましょう。

そして、もし肛門付近に硬い便が詰まっている場合は自力で無理やり出そうとすると、肛門が裂けたりして出血することもありますので、そんな時は近くの病院を受診することをおすすめします。

敵便(てきべん)といって、便を掻きだしてくれます。

少し恥ずかしいですし、痛い思いもするかもしれませんが、それを繰り返したりしていると痔の原因にもなりますので、ここは受診をおすすめします。



便意をもよおす方法などについてのまとめ

今回は便意をもよおす方法や食べ物などについて説明してきました。

では、まとめてみましょう。

便意をもよおす方法は?
便意をもよおすには、排便をスムーズに行うことが大切です。
排便の状態を整えることが、正常に便意をもよおすことに繋がっていきます。
便秘を改善していき、便意を感じたらすぐにトイレに行くということが大切です。
また、食生活や運動についても見直していくことが大切です。

 

便意をもよおすけど出ない理由は?
便意をもよおすのに排便がない理由には

  • 大腸や直腸付近に何かできものがある
  • 排便刺激があるのに、便が硬いためになかなか出ない

などの理由が考えられます。
なにかできものがあったり病気があったりすると、症状が治まらない場合もありますので、早めに受診するようにしましょう。
また、便が硬くてなかなか出ない場合には自力で出そうとすると、肛門が裂けて出血したりしますので、病院を受診することも考えましょう。
また、便を軟らかくするために便秘対策をとっていくことが大切です。

 

私の周りにも便意をもよおさないタイプの人はたくさんいます。

やはり、その人たちを見ていると、便意をもよおした時にすぐにトイレに行かなかったことが原因の人がかなり多いと感じています。

自然に便が出ようとしている時にはその自然な生理現象に逆らわずに、スムーズに排便していくことがとても大切なことだと考えます。