看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『副鼻腔炎に市販の抗生物質(ジスロマック)はある?処方せん医薬品の扱いと抗菌薬を使う場合』というタイトルでお送りします。


今回は、副鼻腔炎に使う抗生物質(抗菌薬)、特に「ジスロマック」という薬を市販薬として購入できるのかどうかについて、厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編」(令和8年1月16日発行)、ジスロマック錠250mgの電子添文(PMDA掲載、2022年6月改訂(第1版))、厚生労働省「医薬品等の個人輸入に関するQ&A」で確かめられる範囲で説明していきたいと思います。



 

副鼻腔炎に市販の抗生物質はある?ジスロマックは?

ジスロマック錠250mgの電子添文(PMDA掲載、2022年6月改訂(第1版))には、次のように書かれています。

  • ジスロマック錠250mgは「処方せん医薬品」で、「注意―医師等の処方箋により使用すること」とされている
  • 効能又は効果(適応症)に、副鼻腔炎が含まれている
  • 副鼻腔炎などについて、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること、とされている

つまり、ジスロマックは処方せん医薬品で、市販薬ではありません。



副鼻腔炎の治療に抗生物質はいつ使う?

厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編」(令和8年1月16日発行)には、急性鼻副鼻腔炎について、次のように書かれています。

  • 急性ウイルス性上気道感染症のうち、急性細菌性鼻副鼻腔炎を合併する症例は2%未満と報告されている。このことからは、単純計算で98%以上の症例では抗菌薬は不要と考えられる
  • 成人では、軽症の急性鼻副鼻腔炎に対しては、抗菌薬投与を行わずに5日間経過観察することを推奨する
  • 成人では、中等症又は重症の急性鼻副鼻腔炎に対してのみ、抗菌薬投与を検討することを推奨する。成人における基本は、アモキシシリン5~7日間経口投与
  • 学童期以降の小児では、遷延性又は重症の場合を除き、抗菌薬投与を行わないことを推奨する
  • 抗菌薬投与を行わない場合でも、1週間後には46%、2週間後には64%の患者が治癒することが報告されている。抗菌薬投与は治癒までの時間を短縮させうるが、100人に抗菌薬投与を行った場合、改善が速くなるのは5〜11人程度と報告されている。また、抗菌薬投与群ではプラセボ群に比べて副作用(嘔吐、下痢、腹痛)の発生リスクが高いことも報告されている
  • これらのデータから、急性鼻副鼻腔炎に対する抗菌薬の効果は限定的であるため、副作用のリスクを踏まえて投与を検討する必要がある

ジスロマックの成分(アジスロマイシン)はマクロライド系の抗菌薬です。
同じ手引きには、アモキシシリンより、セファロスポリン系抗菌薬、マクロライド系抗菌薬の方が治療効果が上回ることを示した系統的レビューや無作為化比較試験は存在しないとされるが、米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会やACP/CDCの指針では、中等症以上の急性鼻副鼻腔炎で抗菌薬の適応がある場合には、アモキシシリンが第一選択薬として推奨されている、と書かれています。

どの抗菌薬を使うか、そもそも使うかどうかは、症状や重症度を見て医師が判断することです。

自分の判断で抗生物質を個人輸入しても大丈夫?

厚生労働省「医薬品等の個人輸入に関するQ&A」には、次のように書かれています。

  • 一般の個人が輸入(いわゆる個人輸入)することができるのは、自分自身で使用する場合に限られており、個人輸入した製品を、他の人に売ったり、譲ったりすることは認められない
  • 自己判断で使用すると重大な健康被害を生じるおそれがある医薬品は、数量にかかわらず、医師による処方が確認できない限り、一般の個人による輸入は認められない
  • 個人輸入代行と称して、外国製の医薬品や医療機器を広告しそれらの購入を誘引する仲介業者がいるが、日本の医薬品医療機器等法に基づく承認や認証を受けていない医薬品や医療機器の広告、発送などを行うことは違法な行為。また、何かトラブルが生じても一切責任を負おうとせずに、全て購入者の責任とされる。こうした悪質な業者には、くれぐれも注意すること

ネット通販などで海外のジェネリック薬が販売されていることがありますが、上のとおり、通販サイトの販売の仕組みについては厚生労働省が注意を呼びかけています。
医師の処方なく、自己判断で抗菌薬を購入して使うことはおすすめできません。



受診して相談したいとき

厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編」(令和8年1月16日発行)は、抗菌薬を検討する場合として、次の基準を示しています(医師が診察して判断するための基準です)。

  • 成人:鼻漏、顔面痛・前頭部痛、鼻汁・後鼻漏の点数で重症度を分類し、軽症(1~3点)は抗菌薬を使わず5日間経過観察、中等症(4~6点)・重症(7~8点)は抗菌薬を検討
  • 学童期以降の小児で、遷延性又は重症と判定する基準:①10日間以上続く鼻汁・後鼻漏や日中の咳を認めるもの、②39℃以上の発熱と膿性鼻汁が少なくとも3日以上続き重症感のあるもの、③感冒に引き続き、1週間後に再度の発熱や日中の鼻汁・咳の増悪が見られるもの

また、手引きは、ACP/CDCの指針では、急性鼻副鼻腔炎に対する抗菌薬の適応は、症状が10日間を超える場合や重症例の場合(39℃以上の発熱がある場合、膿性鼻汁や顔面痛が3日間以上続く場合)、典型的なウイルス性疾患で症状が5日間以上続き、一度軽快してから悪化した場合に限定されていると紹介しています。

症状が続くときや強いときは、耳鼻咽喉科などの医療機関で相談しましょう。

副鼻腔炎の市販薬などについてのまとめ

今回は、副鼻腔炎に使う抗生物質の市販薬について説明してきました。

では、まとめてみましょう。

副鼻腔炎の市販薬のおすすめは抗生物質のジスロマック?
ジスロマックは処方せん医薬品で、医師等の処方箋により使う薬です。
副鼻腔炎の適応症はありますが、抗菌薬の必要性を判断した上で、適切と判断される場合に投与するとされています。
ジスロマックは処方せん医薬品で、市販薬ではありません。

 

副鼻腔炎は抗生物質で治る?
成人の軽症の急性鼻副鼻腔炎では、抗菌薬を使わずに5日間経過観察することが推奨されています。
中等症・重症で抗菌薬を検討する場合の基本はアモキシシリンです。

 

抗生物質を個人輸入するのは?
自己判断で使用すると重大な健康被害を生じるおそれがある医薬品は、医師による処方が確認できない限り、個人輸入は認められません。

 

参考:厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編」(令和8年1月16日発行)、ジスロマック錠250mgの電子添文(PMDA掲載、2022年6月改訂(第1版))、厚生労働省「医薬品等の個人輸入に関するQ&A」(2026年10月16日確認)。お薬の使い方は必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。