今回は、『丹毒とはうつる病気?治療は何科で?原因や症状も写真と一緒に説明!』というタイトルでお送りします。
「丹毒(たんどく)」という病気をどれだけの人が知っているでしょうか。
恐らく、知っている人は少ないのではないでしょうか。
私自身もこれまでに丹毒にかかった患者さんに対応したことは数えるほどです。
先日仕事をしていたら、女性職員のひとりが「右頬のところがむくんできて痛いんです」と訴えてきました。
その職員の顔を見ると、少し右目から頬にかけて少し赤く腫れていたんです。
「歯が痛いわけでもないし、結膜炎でもなさそうだし…」とあれこれ言いながら、症状も軽かったので様子をみていました。
そして、夕方になり再度その職員の顔を見ると、最初見たときよりも更に顔半分の腫れが増してひどい顔になっていたので、皮膚科受診を勧めました。
そして、診断されたのは「丹毒」。
今回はこの丹毒という病気について説明していきたいと思います。
まずは、丹毒がどんな病気なのか、原因や症状から説明していきます。
その後に治療について何科を受診すればいいのかなどについて紹介していきますね。
丹毒とはうつる病気?原因や症状も写真と一緒に説明!
丹毒はどのような病気なのか、そしてうつるのかなどについて説明していきましょう。
下の図で示すように、皮膚は一番外側を表皮といわれる組織に覆われています。
そして、その表皮のすぐ下にあるのが真皮と言われる組織です。
その真皮の中に細菌がはいり込んで炎症を起こした状態が「丹毒」と言われる病気です。
では次に、丹毒の原因を説明します。
丹毒の原因は?
丹毒は細菌による感染です。
原因となる細菌は、化膿連鎖球菌(かのうれんさきゅうきん)などでその他の細菌による感染の可能性もあります。
このような細菌は健康なヒトの表皮や咽頭などに住んでいる常在菌の一種で、ありふれた常在菌の一種なのです。
しかし私達の身体の免疫力が弱って抵抗力がなくなっている時などには、これらの細菌が悪さをして、炎症を引き起こす原因にもなるのです。
そして、ヒトの皮膚に虫刺されや擦り傷などの傷があったら、そこから菌が侵入していき炎症を引き起こすわけです。
また、特に目立った傷がなくても炎症を起こす場合もあります。
では丹毒はうつる病気なのでしょうか?
丹毒はうつる病気?
原因のところで説明したように、丹毒は化膿連鎖球菌などに感染して起こる感染症ですが、感染した患者さんがこれらの菌をたくさん持っているわけではありません。
なので、その細菌が感染者から他の人にうつるわけではないのです。
誰でも免疫力が弱っていたりすれば自分の皮膚にいる常在菌で感染する可能性はありますが、健康であればそれほどかかりやすい感染症ではありません。
では次に丹毒の症状について説明していきます。
丹毒の症状は?
丹毒の症状は、顔や足などに起こりやすいです。
先日丹毒にかかった職員も顔面でしたが、その症状とほぼ同じような症状の写真をまずは紹介しましょう。
↓丹毒にかかるとこのような症状が出てきます。
上の写真を見てもわかるように、皮膚の表面は皮膚が張って硬くなって光沢があります。
そして、熱を持っていて触れると痛みがあり一部に水ぶくれを伴うこともあります。
また、炎症のために腫れているほうの首のリンパ節が腫れることもあります。
この感染症は、なにか病気にかかっているなどで、体調が悪くて免疫力が弱っている時にかかりやすくなるのです。
私の職場の職員はもともとアトピー性皮膚炎がひどく、顔の皮膚も荒れ気味だったため、そこから細菌が侵入したのだと思われます。
やはり、皮膚が乾燥していたり荒れていて傷などがあると、こうした感染症を起こしやすいと言えます。
では、このような丹毒という皮膚感染症にかかったら、何科を受診して治療すればいいのでしょうか?
丹毒は何科でどんな治療をするの?
丹毒は主に顔や足に多く症状が出てきますが、いずれも最初は皮膚が赤く腫れてきます。
皮膚におこる感染症ですので、皮膚科の診察を受けてください。
顔面に起こした丹毒の症状はほとんどが片側から始まって、早いうちにもう片側にも拡がっていきますので、なるべく早めに受診した方がいいでしょう。
治療は、抗生物質の内服薬による治療を受けます。
抗生物質のお薬は約10日間処方されます。
人によっては14日ほど処方されることもありますが、途中で症状が改善されたとしても必ず指示通りに飲みきるようにしましょう。
ちょっと良くなってきたからといって途中で飲むのを止めてしまうと、再発することがありますので必ず飲みきってください。
あとは、丹毒の症状の部分を安静にして冷やします。
きちんと適切な治療を受ければ、1週間くらいで改善していくでしょう。
しかし、正しい治療を受けなければ、敗血症(はいけっしょう)や腎炎(じんえん)などの合併症で、重篤な状態になることもあります。
その危険性のある時には、入院して治療を受けなければならないこともあります。
丹毒の原因や症状などについてのまとめ
今回は、丹毒の原因や症状などについて説明してきました。
では、まとめてみましょう。
丹毒はヒトの皮膚などにいる常在菌である化膿連鎖球菌といわれる細菌などによる皮膚感染症です。
その症状は顔や足に出やすく、皮膚が赤く腫れて硬く光沢があります。
また熱を持って、リンパ節が腫れるなどして痛みがあります。
丹毒は人から人にうつることはありません。
ただ、病気にかかって免疫力が弱っているなどすれば誰でも感染する可能性はあります。
皮膚科で治療を受けます。
治療内容は抗生物質の内服です。
丹毒という病気は、急激に症状が現れてきて急速に拡がっていきます。
その症状が顔に出てくるため、「顔に跡が残らないかなぁ…」などととても不安になると思います。
でも、ほとんどの症例が抗生物質によって改善します。
ですので、症状が現れたら早めに診察、治療を受けるようにしましょう。
いきなりすみません。3日ほど前から顔が腫れており、3つ目に行った病院でやっと丹毒ということがわかりました。片側だけでなく、顔全体が腫れており、点滴をしたほうがいいと言われたのですが、体調も悪く、血管も細くなっているみたいで、点滴の針がさせず、点滴の薬が、3分の1ほどしか入りませんでした。飲み薬をもらい服用しているのですが、どんどん顔が腫れていっており、怖いです。とっても不安でコメントさせてもらいました。点滴ができないときってどうしたらいいのでしょうか。
あと丹毒って、どのくらいで治るのでしょうか。
寝て起きると腫れているので、怖くて眠れません・・・
コメント、どうもありがとうございます。
それは、とても不安ですね。
確かに、丹毒はかなり顔が赤くなったり腫れてしまいますので、見たことない人にとってはかなり怖いことだと思います。
ただ、もし病院で丹毒だと診断を受けているのなら、丹毒は少しずつ治っていくはずなので安心してくださいね。
まず血管が細くて点滴が入らない状況ということだったんですね。
でも、点滴だと抗生物質の効きが早いだけで点滴ができなかったとしても、丹毒では抗生物質の内服薬が効きますので、処方された抗生物質のお薬をきちんと飲んでいれば良くなることが多いです。
ただ、抗生物質のお薬は飲んでからすぐに効くわけではありません。
少し飲み続けて、ある程度血中濃度(血液の中のお薬の濃度)が上がらないと効いてきません。
だから、不安になると思いますが、お薬はきっちり指示どおり飲んでおいてくださいね。
そして、お薬を飲んでいても1週間くらいは腫れがスッキリ治らないと思っておいてください。
恐らく、今日が3~4目であるなら一番腫れがひどい時だと思います。
腫れはもう少し続くのではないでしょうか。
でも丹毒であれば、いずれ顔の腫れは引いてきますよ。
お薬は種類によっては、別のお薬に変わって2週間くらいは飲み続けないといけないかも
しれませんが、しっかり飲んでください。
また、飲み終わるころに受診される予定ですか?
お顔のことだし、かなり強く腫れてしまうからとても不安ですよね。
でもお薬をしっかり飲んで、気持ちを楽にしてゆっくり休んでおいてくださいね。
なかなか不安で眠れないかもしれないけれど、そうやってストレスが溜まると免疫力が低下して、回復が遅くなったりしますので、ゆっくり休んでください。
きっとよくなっていくと思いますが、私はあなたのお顔を実際に見たり身体の状況を理解しているわけではないので、「必ず治りますよ」とは言えませんが、
もし、ひどくなるとかまだ不安なことがあるならば、いつでもまた連絡をくださいね。
早いお返事ありがとうございました。
気持ちがとても楽になりました。
ミカさんが書かれている、職員さんと全く同じ腫れかたで、
私の場合は両側なので、両目つぶれてしまっています・・・
どこまで広がっていくのか怖いです。
腫れるところまで腫れたら止まるのでしょうか・・・
それとも、首とかまで広がってしまうのでしょうか。。
この職員さんはどのくらいで治られましたか?
質問ばかりでごめんなさい。
コメントありがとうございます。
お返事、遅くなりごめんなさい。
お気持ち、少しは楽になれたなら良かったです。
うちの職員の場合は感染後3日目くらいで一度写メを見せてもらいましたが、本当にもとのお顔が誰だかわからないほど腫れあがっていましたよ。
両目も腫れて開いてなかったですね。
これは本当に、いずれ治るとわかっていたとしても相当不安だろうなと思いました。
彼女の場合は症状が現れた翌日から抗生物質を飲み始めましたが、それでも腫れが引いて外に出られるようになるまで6日程はかかっています。
ですので、今日が3~4日目くらいであれば、もう2~3日くらいでだいぶん落ち着かれてくるのではないかと思っています。
彼女は確か感染した日から首のリンパ節の辺りまで腫れがあったようですが、それでも5~6日くらいでだいぶん引いてきていたので、それくらいを目安に思っておいて頂ければと思います。
抗生物質は2週間ほど飲んでいましたが、仕事には7日目から来てましたよ。
おそらく今が一番腫れていて、今後は引いていくかと思います。
質問、いつでもして頂いていいですよ。
少しでも気が楽になるのなら私も嬉しいです。
気を遣わずにいつでもどうぞ(^^♪
お返事ありがとうございます。
今日少しだけ、腫れがマシになってきました。
昨日は、本当に目も開けにくく、どこまで腫れていくんだろうと
不安で不安でしかたなかったのですが、
ミカさんからのお返事にとても救われました。
本当にありがとうございました。
ミカさんは
とっても素敵な看護師さんですね。
私も、ミカさんのような優しい看護師さんのいる病院に行きたいです。
話を聞いてもらえた方が、看護師さんだったので、
余計に気持ちが楽になれました。
本当によかったです。
ありがとうございました。
なんか、インターネットで、こんな素敵な出会い?があるんだなって
感動しちゃいました(笑)すみません・・・
とっても嬉しかったです。
本当にありがとうございました。
コメントありがとうございます。
もうだいぶん良くなってきたようで、良かったですね(^^♪
あの腫れ具合はなった人にしかわからないと思いますが、ほんとに不安ですからね。
今頃はもっとましになってきているんではないでしょうか。
ネット上でこんな形でもお会いすることができて、少しは気持ちを楽にするお手伝いができたこと、本当に私も嬉しく思っています。
これからも、なにか医療面などで不安なことや困ったことがあればいつでも気楽にコメントください。
わかる範囲で、できるだけお答えしたいと思っています(^^)
あ、あと、まだ抗生物質は飲んでいると思いますが、最後まで飲み切ってくださいね(^^♪