こんにちは、現役看護師のミカです。今回は、『内出血(打撲)の手当は?冷やし方と、ヒルドイドなどヘパリン類似物質の外用薬の注意点』というタイトルでお送りします。
この記事では、札幌市消防局の応急手当の案内と、PMDAに掲載されているヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)の添付文書に書かれている範囲で、内出血(打撲)の手当と外用薬の注意点を整理します(2026年10月16日確認)。
薬を使うかどうかは、医師・薬剤師の指示に従ってください。
内出血ができたときの手当(冷やす)
札幌市消防局の応急手当の案内は、ねんざ・打ち身(打撲)について、「内出血や腫れを抑えるために、患部を冷却パックや氷水などで冷やしましょう」と書いています。

同じ案内には、骨折が疑われるときの手当として、次のことも書かれています。
- 変形した骨が動かないように固定すると、移動するときの痛みを和らげ、さらなる損傷を防ぐことができる。そえ木、新聞紙、三角巾などを使って固定する
- 太ももが変形しているとき、骨折した部分にきずがあったり骨が飛び出していたりするときは、直ちに119番通報する
冷やす時間や、冷やした後に温めてよい時期、内出血の色の変化にかかる日数などは、この案内には書かれていません。この記事では扱いません。
出典:札幌市消防局「その他の応急手当(けが・事故)」(2022年12月22日更新)
ヒルドイドなどヘパリン類似物質の外用薬
ヒルドイド(有効成分:ヘパリン類似物質)は、「血行促進・皮膚保湿剤」として、PMDAに添付文書が掲載されています。クリーム、ソフト軟膏、ローション、フォームがあり、添付文書(2025年7月改訂・第4版)には次のことが書かれています。
- 効能・効果:血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)
- 用法・用量:クリーム、ソフト軟膏は、通常、1日1〜数回適量を患部に塗擦、またはガーゼ等にのばして貼付する。ローション、フォームは、通常、1日1〜数回適量を患部に塗布する
- 禁忌(次の患者には投与しない):出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)の患者、僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される患者。理由は、血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがあるため
- 潰瘍、びらん面への直接塗擦・塗布は避ける
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用する
- 副作用:皮膚炎、そう痒、発赤、発疹、潮紅等の過敏症、皮膚刺激感、投与部位の紫斑
効能・効果には「外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫」が含まれています。一方、この添付文書には、「内出血が早く治る」「色が早く消える」といった記載はありません。
添付文書の薬効薬理の項には、血液凝固時間を延長して血液凝固抑制作用を示すこと、実験的に作った血腫(ウサギ)の消退促進を認めたことが書かれています。
ヒルドイドと同じヘパリン類似物質の後発医薬品(ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%・ローション0.3%「ニプロ」、2025年6月改訂・第2版)の添付文書でも、効能・効果と禁忌は同じ内容です。
ここで引いた添付文書は、医療用医薬品のものです。ドラッグストアなどで売られている、ヘパリン類似物質を含む市販薬(一般用医薬品)は、製品ごとの添付文書で、効能や使えない人、使い方を確かめてください。「市販薬でも効果は同じ」と言えるかどうかは、ここで引いた資料からは確認できません。
出血しやすい病気がある人や、出血に関わる持病・薬のある人は、使う前に医師・薬剤師に相談してください。
出典:PMDA掲載の添付文書「ヒルドイドクリーム0.3%/ソフト軟膏0.3%/ローション0.3%/フォーム0.3%」(マルホ、2025年7月改訂・第4版)、PMDA掲載の添付文書「ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%/ローション0.3%『ニプロ』」(2025年6月改訂・第2版)
食べ物や湿布について
内出血の吸収をよくする食べ物があるかどうかについて、公的な資料で確認できた内容がなかったため、この記事では案内しません。
湿布(冷湿布・温湿布)や、顔や目の周りの冷やし方についても、公的な資料で確認できた内容がなかったため、案内しません。顔や目の周りの内出血が気になるときや、判断に迷うときは、医療機関で相談してください。
まとめ
- 札幌市消防局は、内出血や腫れを抑えるために、患部を冷却パックや氷水などで冷やすよう案内している
- 骨折が疑われるときは、固定する。太ももの変形などは直ちに119番通報する
- 効能・効果に、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫が含まれる(添付文書)
- 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)の患者、僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される患者には使わない(添付文書)
- 使うかどうかは、医師・薬剤師に相談する
