看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『透析の看護師なんて辞めたい!と思うときは?穿刺や人間関係のストレスについて』というタイトルでお送りします。


私は長い間、病院やクリニックなどの施設で透析看護師として働いてきましたが、正直言って「もう透析なんて辞めたい!」と思ったことは幾度となくありました。

透析の看護師なんて辞めたい

今になって考えると、自分でも長期間にわたって透析業務をよく頑張ったな…って思うんです。

なぜ、長い間透析看護師として働いてきたのかいまだにわかりませんが、やはりそれなりの魅力があったんだと思います。

その魅力のひとつは、透析患者さんであったり、医師や一緒に働く看護師達の人柄だったのかもしれません。

今回は「透析看護師なんて辞めたい!」と思う時のことについてお話していきたいと思います。




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透析の看護師なんて辞めたい!と思うときは?穿刺や人間関係など

透析の看護師なんて辞めてしまいたい!と思うのは、大きく分けると

  • 透析患者さんとのトラブル
  • 看護師や臨床工学技士など職員同士のトラブル

の2つに分けられると思います。

では透析患者さんとのトラブルについてお話していきましょう。

透析患者さんとのトラブルについて

透析患者さんとのトラブル

透析というのは、他の職場と全く違うところが一点あります。

それは、同じ患者さんと長くお付き合いしていかなくてはならないことです。

例えば、病院に入院している患者さんでは、急性期で入院すれば数週間ですぐに回復期リハビリ病棟に転科されたりするので、入院期間はとても短くなります。

それに、一般外来では当然入院ではないので、その日限りのお付き合いになります。

しかし、透析患者さんは生きている間はほぼ永遠に透析に通う必要があるわけです。

ですので、お付き合いする期間がとても長いのです。

そうすると、長い透析生活を共に寄り添い過ごすことで、透析患者と看護師の間には信頼関係もできてくるはずです。しかし、やはり患者や看護師だって色んな性格の人がいます。

長い透析生活に寄り添ったからといって、患者と看護師の相性もあるわけで、必ずしもお互いがストレスを感じずに過ごせるかと言えばそうでもないのです。

例えば、穿刺を例にあげますと…

「穿刺」というのは透析患者さんにとっては、毎回毎回痛みや苦痛を伴うものなので、どれだけ楽にやり過ごせるかというのは看護師の腕にかかっているんです。

この穿刺に関しては、同じ針を使い同じ角度や深さで上手く血管に入っていれば、本来は誰が穿刺をしても特に問題ないはずなのです。

しかし、時として、

「看護師Aさんは痛くないけど、看護師Bさんは針刺すとき痛いね、透析中もずっと痛いんだよね」

なんて言う患者さんがいます。

この場合は、その患者さんと看護師Bさんの間でうまくコミュニケーションがとれていないことが原因であることが多いんです。

患者がその看護師に対して不安や不満があれば、いくら上手に穿刺できていても透析中に穿刺部の痛みを訴えてきたりします。

患者がその看護師に対して不安や不満

一方、看護師のほうも患者に受け入れられていないと感じたまま穿刺に入ると、いつもは失敗しない血管なのに失敗してしまうといったことが結構よく起こります。

普段から、看護師は穿刺をするときかなり精神を集中させて行ないますが、もしやりにくい患者の穿刺にあたったときにはかなり神経質な状態で行ないますので、失敗する確率が上がるのでしょう。

ですので、お互いに信頼関係ができている患者への穿刺はかなり細くて難しそうな血管でも成功することが多いです。

看護師と透析患者の信頼関係

そんな患者さんは穿刺前に

「大丈夫よ、失敗しても刺し直すだけよ。どうってことないわ!」

なんて笑って言ってくれてたりします。

もし失敗してもこの患者さんは許してくれるという安心感があり、恐らく精神的にリラックスした状態で穿刺できるからかえって成功の確率が上がるんだと思います。

そのようにうまくコミュニケーションがとれていない患者さんには無理して接していかなくても時間をかけて信頼関係を築くようにしていくといいですね。

その患者さんへの穿刺が控えたほうがいいのなら、他の看護師に変わってもらったらいいんです。

そうして様子をみていけば、私の経験上では、相性の合わなかった患者さんとでも必ずうまくいく時期がやってきます。

透析患者さんは透析治療の間の数時間の間、看護師の動きをよく見ていたりします。

患者さんは自分との関わりの中だけではなく、他の患者さんと看護師の関わりを見ながら信頼感を得ていくことも多いのです。

看護師としてどの患者さんにでも誠意を持って堂々と接していけば、患者さんは必ず心を開いてきてくれます。

いくら時間がかかっても大丈夫ですよ。

では、次に同じ職場で働く看護師や臨床工学技士など職員同士のトラブルについてです。



看護師や臨床工学技士など職員同士のトラブルについて

では、同じ職場で働く職員同士のトラブルはどうでしょうか。

看護師や臨床工学技士など職員同士のトラブル

私自身も過去にそんな人間関係トラブルはありましたが、とても細かいことだったように思います。

ただ私が個人的に思うのは、全体的に透析の看護師というのは職員間のトラブルを起こすタイプの人は少ないということです。

そう思うのにはこんな考えがあるからです。

「透析患者さんというのは結構気難しい人が多いな」と思っている看護師が多いんです。

透析患者さんは気難しい人が多い、というのは正直当たっている部分もあります。

透析治療は生きている間ずっと行わなければならない治療であり、患者の生命は透析という治療だけで繋がっています。

そこで病院側はなるべくトラブルなく安定した透析生活が送れるように、患者さんに治療の話や生活指導などを色々行なっていくので、患者さん自身が透析に対する知識が豊富になっていくんです。

知識豊富な透析患者さんになることは本来とても良いことなのですが、人によっては少し治療に対して固執した考えを持っていたり、神経質になりすぎたりする人が多いように思います。

そんな様々なタイプの患者さんの中で仕事をするには、それなりに誰にでも柔軟な対応ができる看護師でないと対応できないし長続きしないんですね。

だから、透析室にはとても協調性のある、揉め事を起こすこともあまりない看護師さんが多いんだと思います。

透析室の仕事は、医師、看護師、臨床工学技士、看護助手など様々な職種のチームワークで成り立っています。

毎日毎回、忙しく働く中でそんなトラブルはあまり多くはないのではないかと思いますが、それでもやはり起こるところでは起こるのでしょう。

病棟と一緒で、透析室でも色んな性格の看護師がいて、大人の対応ができない看護師も中にはいます。

ですから、その看護師の人間性によるものなので、職員間の人間関係というのは透析とは関係なく起こると思います。

透析室の職員の人数などによって変わってきますが、狭い部屋の中でもし職員間でトラブルがあるとすれば、それはとてもストレスになると思います。

あまり我慢し過ぎないように看護師長に相談したり、対応策がなくてどうしても精神的に参ってしまうくらいなら転職も考えてみるといいと思います。

透析室への転職ならば知識や技術的なことは変わりませんから、きっと即戦力として雇ってくれる施設は多いと思います。

これは透析室に関わらず、どんな職場でも心を病んでまで働くことはないと思います。

転職した先にきっと自分に合う施設が見つかると願い進んでいきましょう。



透析看護師なんて辞めたい!と思うときについてのまとめ

今回は透析の看護師なんて辞めたい!と思うときや穿刺、人間関係のストレスなどについてお話してきました。

では、まとめてみましょう。

*透析看護師なんて辞めたいと思うときは?
主に、

  • 透析患者さんとの関わりの中で起こるトラブル
  • 職員同士でのトラブル

の2つに分けられるでしょう。
透析患者さんとは一般外来で対応する患者さんとは違い、関わる期間がとても長くなります。
そんな中、色々な性格の患者さんがいたり、また相性もあるので何かとトラブルが起こることがあります。
しかし時間をかけて関わっていくことで解決することも多いので、無理せずに自分のペースで接するようにしましょう。
そして、看護師同士など職員間で起こるトラブルもあると思いますが、これについても自分でどうしようもないことであれば看護師長に相談したり、職場を変わるという選択もあるのであまり精神的に自分を追い詰めないように進めていきましょう。

透析というのは、毎日毎回同じことの繰り返しで単純作業のように見えますが、同じ患者さんとトラブルなく長年接していく難しさはあると思います。

でも、患者さんと関わってその患者さんのことをよく知っているからこそ笑顔の多い温かい雰囲気の中で仕事ができる楽しさのようなものはあります。

そのことが分かれば、透析看護師というのは意外に楽しいと感じると思います。