今回は、『子育てママ看護師の復職に失敗しないための準備や注意点まとめ!』というタイトルでお送りします。
看護師という職業について、もう数十年という年月が経ちました。
その間にプライベートでも色んなことがあり娘も授かりましたが、私も娘を出産する前に切迫流産となり出産前後の約2年間程は仕事を休んでいました。
でも、それ以外はずっと看護師の仕事を離れていません。
そして、実は私の祖母も姉も姪っ子2人も看護師なのです。それぞれが出産を機に退職したり、休職したりしましたが祖母以外は今も現役で働いています。
そして、私の身の周りにもたくさんの子育てママ看護師さんがいます。
今回はそんな「子育てママ看護師の復職」に関して説明していきたいと思います。
自分が子育てママ看護師の復職も経験し、そして子育てママ看護師を受け入れる側の立場をも経験したことから、両方の立場から感じたり考えたりしたことなどを伝えることができればと思います。
「潜在看護師」という言葉をご存知でしょうか?
子育てや親の介護などで看護師の仕事を離れ、免許は持っているのに働いていない看護師のこと言います。
この潜在看護師は、(少し前になりますが)平成22年の厚生労働省の推計では約71万人いると言われています。
この中には出産を機に退職した看護師も多く含まれているはずです。
出産の時に一旦仕事を辞めてまた看護師の仕事に戻るというのは、辞めずに産休をとって、もとの職場に復帰することよりも何倍も不安があると思います。
看護師経験がありブランクが2~3年だとすればまだ何となく看護師としての感覚は覚えていて、職場にも溶け込みやすいかもしれません。
しかし、これが1人目に続けて2人目の子供ができたなどで7~8年くらいブランクがあいてしまったとなると、「果たしてついていけるのかな…」と本当に心配だと思います。
そして、看護師経験が浅く、まだ新人として働き始めて間もない頃に妊娠、出産して退職してしまったケース…
「まだ看護業務もそれほど経験していないのに、どこか雇ってくれるんだろうか?」
と復職に悩む人は多いのではないでしょうか?
看護師にとって、休む期間が長い短いに関わらずブランクがあるというのは、すごく怖いことだと思います。
医療の進歩とともに変わっていく看護技術に自分がついていけるのかどうか、またそれを子供を抱えた状態でついていけるのか、という不安や怖さを感じると思います。
ではそんな、怖いと感じている看護師の復職に失敗しないための準備を一緒に勉強していきましょう。
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子育てママ看護師の復職に失敗しないための準備はどんなコト?
子供が小さく保育園に預けたばかりの状態だとなにかと不安なことばかりですね。
できるなら預け始めてすぐに復職するより、1ヶ月~2ヶ月くらい様子をみてからの復職のほうがいいでしょう。
子供自身も新しい環境の変化に少しは慣れてからのほうが安心です。
そして、復職にあたっては次のことを準備しておきましょう。
- 子供の預け先に関して
- 子育てママ自身の環境整備について
- 子供の理解を得ること
- 仕事に向けての勉強について
順番に説明していきます。
子供の預け先(緊急時も)をしっかり決めておく
子供の預け先や病気の時などに預けられる先を準備しておくことが大切です。
例えば次のような点について確認しておきましょう。
- 保育所や幼稚園が預かってくれるのは何時まで可能か?
- 延長保育を依頼するとしたら何時までみてくれるのか?
- 休日、祝日などに保育してくれる施設、または家族の援助はあるかどうか?
- 熱が出たなど病気の時にみてくれる施設、又は家族の援助はあるかどうか?
- 急な迎えが必要となった場合に迎えに行くことができる家族などの援助はあるかどうか?
※小学校の場合には、放課後児童対策として放課後ルームで子供を預かってくれるシステムがあると思います。それも何時まで利用可能か確認が必要です。
これら子供の預け先や緊急時のお迎えの対応など、いざという時に慌てないように確認しておくといいですね。
パートか正社員かの違いはあるかもしれませんが、職場によっては、勤務時間を優遇してくれたり、急な迎えが必要になった場合にすぐ帰らせてくれるなど、融通をきかしてくれる職場もあります。
しかし、もしそうでなかった場合のために、何かあった時の体制は整えておくに越したことはないです。
でないと、復職したけどすぐに「子供が熱を出してしまって、面倒をみてくれるはずのお義母さんも旅行でいないし…」などと慌てるような思わぬトラブルが働き始めるといくらでも出てきます。
これらのことは、復職する前にきちんと旦那さんと話し合い、体制を整えておいたほうがいいでしょう。
そして、そのことについて職場とも話し合って、職場にはどこまで協力が得られるのかなど確認しておくといいですよ。
もしかして急に休まないといけない日も出てくることを職場との話し合いの中で了承を得ていた上で休むのと、そうでないとではその後の働きやすさに大きな差が出てきます。
そして、できれば旦那さん以外にも協力してくれる家族がいれば、ちゃんとみんなで話し合いをしておいたほうがいいです。
そうすることによって、復職のことで何かトラブルがあっても、家族みんなでサポートしてトラブルの影響を小さくすることができます。
保育所では朝7時頃からの早朝保育をしてもらい、夕方はもちろん延長保育です。
夕方の延長保育でも間に合わない勤務の時や、熱のある時などは市の地域型保育事業に登録して紹介された方の家庭で面倒をみて頂いたりしました。
そして日曜や祝日などは、地域の認可保育園に預かってもらいました。
この地域型保育事業は各都市で行なわれていますので、もし家族の協力が難しい場合などは「お住いの市町村名」と「地域型保育事業」で検索してみてください。
そしたら、意外に知らなかった使える保育制度などがあるかもしれませんよ^^
このように市町村が行なっている保育に関するサポート体制はいろいろあって、いざという時には本当に役に立つものです。
これまでに復職前の準備として、子供の預け先のことについて紹介してきました。
子供の保育の準備ができたら、次は子育てママ看護師自身の準備です。
子育てママ自身の環境整備をしておく
復職する前に生活と復職した後の生活は一変します。
今まで余裕で行なってきた家事や育児については、それまで同様にはできません。
その分、掃除洗濯、料理などの家事は完璧にはできないので、家族で分担するなど協力を求めないといけないでしょう。
家事が完璧にはできないことで自分や旦那さんがイライラしないように、復職前にそのことについてはしっかり話し合っておきましょう。
また、家事の代行サービスなどを依頼するのも良いかもしれませんね。
人に家の中に入られるのがイヤでなければこんな方法もありかな、と思います。
そして、職場への通勤方法や通勤ルートの確認をしておいてください。
おそらく出勤途中に保育所に預けて、帰りは仕事帰りにそのまま保育所に直行というパターンが多いかなと思います。
普段は協力者にお願いしていてその必要もないかもしれませんが、自分でもいざという時に動けるようにシミュレーションしていたほうがいいです。
特に朝はほんとにバタバタと忙しいです。
そして、子供もいつも言うことを聞いてくれるとは限りません。
時にイヤダイヤダ病が発症してしまうこともあるでしょう。
そんな時にママがイライラしてしまわないように、時間にはある程度余裕を持って行動するようにしたいですね。
(なかなか難しいですが。。。計画だけでも余裕は持つようにしてください)
では次に子供自身に対する準備です。
子供から理解を得る
いくら子供が小さくても、子供は大好きなママの言っていることがわかります。
「言ってもわかるはずないし…」なんて思わないで、その子の目をみてちゃんと復職することを伝えて上げてください。
復職することで一番影響を受けるのは、子供です。
そして、一番支えになってくれるのも子供なんです。
復職するとママ自身は様々なストレスを抱えてしまいます。
子供も敏感にママの変化を感じ取り、精神的に不安定になってしまうこともあります。
それを防ぐことはできませんが、だからこそ子供への説明が大切です。
子供は小さくても理解しようと頑張っています。
普段から子供への言葉がけや感謝を伝えることを忘れないようにしてくださいね^^
次に、子育てママ看護師の復職するための仕事への準備について説明します。
仕事に復帰するための勉強をする
まずは一番不安なことと言えば、長いブランクの間にどれだけ医療が進んでいるのかということだと思います。
そして、それにどれだけついていけるのかという不安ですね。
処置の方法が変わっているものもあるかと思います。
でも今では、大きな本屋さんに行けば医療に関する本はたくさんありますし、ネットでも看護師が勉強できるサイトやアプリはたくさんあります。
自分が復職する予定の科の医学と、看護に関する書籍などは復職する準備として目を通しておいたほうが良いですし、可能であれば実際に働いている方のお話を聞くのが一番です。
もし、知り合いが復職先で働いているのであれば、お茶代を払ってでも現場の状況などを聞くようにしたほうが良いですね。
病院によっては、ブランクのある中途採用者に対する指導が充実している病院もありますので、そういった職場であればラッキーです。
もし、復職先が小さな病院や個人のクリニックなどであれば、このような充実した指導ではないかもしれません。
でも、どの職場でも業務マニュアルというのはあると思いますので、例えば復職前にそのマニュアルをコピーさせてもらい確認しておくのも良いと思います。
医療は確かに進歩していて、それに伴い看護師の業務内容も変わってきていると実際働いていて私も感じています。
ブランクが長ければ長いだけ不安は増します。
だけど、看護の基礎的な部分は変わりません。
もしそこに不安を感じるようであれば、学生時代の書籍などがあればそれを見てみるのも良いです。
書籍がなくても今ではネットで勉強することもできます。
看護の基礎的な部分ができていれば、どこに復職しても大丈夫です。慣れるのも時間の問題です。
当然、病院やクリニックによって業務内容は違いますし、物品の配置場所、使用方法、そして処置の方法まで医療施設によって異なります。
だけど、それはその施設のやり方を学ぶだけです。それは覚えていけばいいことです。
上の方では医療が進歩しているといったようなことを書きましたが、私は、
『看護師の仕事は、学生の頃に苦労して習った本当に基礎的な勉強ができていれば基本的にどこに行っても働ける』
と思っています。忘れているなら、もう一度勉強して記憶を呼び起こすだけです。
あんなに猛勉強してつらいつらい実習を乗り越え、やっと看護師の免許を取ったんです。
どこに行ってもきっと大丈夫です…安心してくださいね。
子育てママ看護師に復職に失敗しないための注意点は?
私はこれまでに子育てママ看護師さんとはもう何十人と接してきました。
その中には経験の十分ある看護師、経験が浅い、またはほとんどない人と様々です。
ただそれぞれの看護師が持っている知識や技術が違う中、復職が成功する看護師には共通して持っているものがあるんです。
私は、いくら経験が長くて看護技術が立派でも、それが欠けていると復職はうまくいかないと思っています。
それが、「素直に学ぶ姿勢」です。
看護師というのは、看護学生時代にとても頑張って勉強して、臨床実習では先輩ナースに泣かされ、本当に努力して頑張ってきた人が多いと思います。
それだけ心は鍛えられ、人に対して優しくなり少々のことではへこたれないし、強く生きてはいけます。
そして、そうでないとあの過酷な現場では働けないということもあります。
でも、復職するということはいくら看護師の長い経験や深い知識があったとしても、その職場では新人と一緒です。
長い経験や深い知識があることはとてもいいことですが、そのプライドがあることで新しい情報や方法を素直に聞けない人は結構います。
そんなプライドは復職した現場ではとても邪魔になります。
教える側の人間もいろいろなタイプの人がいます。
皆が自分に合うとは限りませんが、やはり教えてもらう側の人間は前向きな学ぶ姿勢で臨まなくてはなりません。
子育てママ看護師の復職は不安でいっぱいだと思います。
そんなママのためにこんな例を紹介しましょう。
復職を成功させるために
先日、ある子育てママ看護師がこんな悩みを持って私のところに相談に来ました。
「復職が怖くて怖くて仕方ないんです。仕事も早く覚えられるかわからないし、子供もよく熱を出すのですぐに休んでしまったりした時のことを考えるとただただ不安ばかりでどうすればいいのか…」
と勤務先まで決めておいて、悩んで縮こまっていました。
そして、ある看護師さんのことを思い出し、話をしました。
数ヶ月前、私の働く職場に入職してきたブランクが超長いAさんという看護師(パートですが)の話です。
その看護師の方は結婚後、旦那さんの商店を手伝っていたため、20年程のブランクがありました。
しかも、60歳を超えているのです。
働きたくてウズウズしていたと言います。
20年も臨床から離れていたら、看護師経験ゼロと同じですね。
それに加えて年齢のためか、物品の場所も何回も説明しないといけないし、処置もなかなか1人でできませんでした。
ただ教えているスタッフは何の文句も言いません。
それは、まさにこのA看護師さんの「素直に学ぶ姿勢」が伝わってきたからだと思います。
そして数ヶ月経った今も、このA看護師さんが今もうまく仕事を続けていられるのは、その「素直に学ぶ姿勢」が持続しているからだと思うのです。
職場の看護師達は皆、教えにくい看護師の特徴をこんな風に言います。
「経験があってプライドの高い人は、もうそんなこと知っているからと説明をきちんと最後まで聞かない人が多い」
そして、そのA看護師さんのことをこう言います。
「少し物覚えが悪くても、素直にきちんと説明を聞いてくれる人はとても一緒に仕事しやすい」
と…。
そのA看護師さんの子育ては大昔に卒業していますが、このケースは今、復職を不安に思っている子育てママ看護師にとっても参考になる話だと思います。
私に相談に来た子育てママは
「なんだかイケる気がする!頑張ってみます」
と言って笑って帰っていきました。
どんなにブランクがあって不安でも、この「素直に学びたいという気持ち」があるときっと大丈夫だと思います。
どんなに指導者の看護師より年上でも、どんなに経験が長くても、新しい職場においては教えてもらう看護師が先輩です。
教えてもらえる看護師を敬う気持ちがなければ、恐らくこの復職は失敗に終わるでしょう。
子育てママ看護師として不安や心配がいっぱいで復職してもいずれは業務に慣れてきます。
ドキドキハラハラするのは一時のことです。
要はその先です。
どこまで看護師のスタッフの皆んなの協力を得ながら仕事を続けられるかです。
看護師に中には独身で子供のいない人もたくさんいます。
いない人でも子供を持つ看護師に対してとても理解がある人もいますし、そうでもない人もいます。
子供の急な熱でシフトの変更を求められ、イラッとする人もいるでしょう。
ハッキリ文句を言う人もいるかもしれません。
でもそれは、ある意味仕方のないことで、覚悟しておくべきことです。
看護師が一旦仕事場に立ったら、小さい子供がいるからいないからとか関係なく、皆んな同じ立場です。
そんな中でも、同じ子育て中のママもいたりして、理解のある人もいるかもしれません。
なるべく自分から近寄っていき、看護師同士の間で良い信頼関係を作っていってください。
そうすれば、いろんなトラブルがあっても乗り越えていけます。
私は、復職が成功するというのは、
『希望した職場に入職できたこと』ではなく、
『なんだかんだ言いながら皆の協力を得ながら仕事が続けられていること』だと思います。
極端に言えば、復職の成功に必要なのは、その看護師の「知識や技術」ではなくその人の「気持ち」だと思います。
そして、もし子育てママ看護師が復職に失敗しても、その職場に合わなかっただけかもしれません。
確かにその職場に入職することには失敗したかもしれませんが、復職ということに失敗したわけではありません。
働こうと思う意思があるのなら、そして周囲の温かい協力があるのであれば、必ず成功すると思います。
ですので、一度何かの原因で入職を失敗したなら、そこを振り返って原因を考え、対策をとってまた再度チャレンジしてみてください。
頑張ってくださいね。
子育てママ看護師の復職に関するまとめ
今回は子育てママ看護師の復職に失敗しないための準備や注意点について説明してきました。
ではまとめてみましょう。
- 子供の預け先(緊急時も)をしっかり決めておく
- ママ自身の環境整備をしておく
- 子供から理解を得る
- 仕事への準備をする
なんといっても、「素直に学びたいという気持ち」です。
復職に関してたくさんのことを伝えてきましたが、一番大切なのは、本当に復職への素直な気持ちだと思います。
最近入職してきた大先輩看護師さんはまだまだ仕事を一人前にできません。
でも、看護師同士のコミュニケーションを大切にし、日々明るく頑張っています。
そう考えれば、もしかしてそれほど怖いものではないかもしれませんよ。
「案ずるより産むが易し」と言います。
思い切って飛び込んでみてください。