看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『新人看護師がうつ病や適応障害で休職?復職(復帰)に向けたメンタルヘルスも』というタイトルでお送りします。


看護師としての道を志した者は、数年間看護学生として勉強してハードな病院実習や大量の実習記録もクリアして、やっとの思いで看護師の資格を取ります。

晴れて看護師の世界にデビューすると、そこにはとんでもなく恐ろしい毎日が待っていた… なんていうことはよくあります。

病棟に配属が決まって働き始めると、

毎日休憩する間もなく多忙で、看護師長やプリセプターナースはとんでもなく厳しく、休憩時間でさえ冗談ひとつ言えない笑顔のない殺伐とした環境で…

夢いっぱいで就職してきたはずの新人看護師はその忙しさに叩きのめされて、メンタルもやられて身体の不調も訴えだし、心身ともに弱っていってしまう。

新人看護師のうつ病や適応障害

なんて、テレビドラマのような話ですが、私達看護師の世界ではよくある話なんです。

今回は、新人看護師に起こりやすいうつ病や適応障害について色々お話していきたいと思います。


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新人看護師がうつ病や適応障害になった時の休職について

新人看護師が就職し環境が変わることで様々な問題が起こり、それが原因でうつ病や適応障害など精神的に病むことは珍しいことではありません。

例えば、就職したところは学生の頃に想像していたものとは程遠いバタバタした現場で、高度な知識や技術を必要とする業務内容になかなかついて行けず、できない自分を責め立てたり…

看護師長さんがいくら優しくしてくれても、仕事ができない自分をただただ嫌って落ち込んで、やがて適応障害やうつ病になっていくといったケースは多くあります。

また、そんな仕事ができない自分の問題とは別に、他の看護師となかなか上手くコミュニケーションがとれない、または先輩ナースからのイジメにあっている、といったことが原因だという事例も多くあります。

新人看護師の休職

実は、今はベテランナースの私自身も新人看護師として働き始めた時には、どぎついイジメにあっていました。

例えば、こんな感じです。

  • 挨拶をしても無視される
  • 一度教えたことは二度目に聞いても教えてくれず無視する
  • 処置方法を間違うと腕を叩かれる
  • 朝から同じ勤務なのに、言葉ではなくメモで注意書きした紙を引き出しに入れている
  • 夜勤ではお菓子を食べながら指導してくる
  • ホワイトボードに書いた私の字をみて、「字が歪んでる、〇〇さん(私の名字)の人生もきっと歪んでるな…」

といって指導者同士で笑う

など、あまりに遠い過去なのに、しかも忘れたいのに、挙げろと言われればまだまだ出てきますね。。。^^;

 

私は毎日の出勤があまりにつらくて泣きながら、卒業したばかりの当時隣接していた看護学校の元担任の先生のところに行き、色々相談に乗ってもらいしばらく休んだんです。

どれだけ休んだのかはちょっと思い出せませんが、そんな過去もあったわけです。

新社会人として、就職した先で様々なストレスにあい、うつ病や適応障害を引き起こしてしまうような状況は別に看護師の世界に限ったことではありません。

看護師以外でも、どんな職業にだって起こり得ることです。

ただ、他の職業と比べ、看護師の職場はかなりストレスが多い職場だと思います。

いくら臨床実習をしてきたとは言え、卒業したての新人看護師なんて何もできません。少し一般の人達よりも医療の知識が多いだけです。

何もできず、どんくさくて、プリセプターに怒られてばかり(イジメじゃなく指導)、これが普通です。

できないで当たり前だと開き直って落ち込まない人もいれば、できない自分を許せずにそのことが精神的負担になって思い悩む人もいます。これも当然なことです。

私達はそれぞれ個性があって、同じことでもストレスに感じる人もいればそうでない人もいます。

新人看護師のストレス

「できなくて当然だからストレスに感じなくていい」と言われても、ストレスに感じてしまうのなら、それは仕方のないことです。そう思う自分を否定することはないです。

何が原因なのかは人それぞれ違うと思いますが、もし精神的ストレスが増えてきて、うつ病や適応障害になったとしたら、そんな状況の自分はできるだけ否定しないようにしてください。

まだ診療内科などを受診しておらず、1人で悩んでいるなら早く受診してみてください。

うつ病も適応障害も、早い段階での治療のほうが回復しやすいです。

特に適応障害というのは医学的に診断できる検査等はありません。

適応障害とは、ある状況や出来事がその人にとってとてもつらく耐え難く、そのため気分や行動面に症状が現れるもので、憂うつな気分や不安感が強くなり神経が過敏になったりする状態だと言われています。

身体的な症状もあり、頭痛や肩こりなどの不定愁訴や、眠れないなどの症状も出てくることもあります。

でも、新人看護師がそんな状態になるのは職場の環境が原因だと判断できれば、その原因を取り除く、つまり職場から少し離れてみることが一番良いのです。

そういった意味で、しばらく休職するというのは最も適した対応策だと思います。

早め早めに対応しないと、身体はどんどん症状を悪化させていくこともあるので、そうなってからでは回復に時間がかかります。

症状があるのなら、なるべく早くに対応できるように自分をもっと優しくケアしてあげてください。
 

実際に休職するとなると、心配になるのが復職(復帰)についてです。

休職したあとの復職(復帰)に向けたメンタルヘルスについて考えてみましょう。



新人看護師の復職(復帰)に向けたメンタルヘルスについて

新人看護師が復職に向かうときに、どういう対策をとることがメンタルヘルスを少しでもいい状態に保てるのでしょうか?

うつ病や適応障害を改善させるために、その時の自分の状況を受け止めて休職したのであれば、状況が悪化することは防げると思います。

休職している間は、なるべく体調をもとに戻すためバランスの取れた食事や睡眠をとって、趣味や自分の好きなことをして楽しい時間を持てるように過ごしましょう。

初めは普通の生活をするのもなかなか難しいかもしれませんので、楽しい時間を持てなくても焦らないでくださいね。徐々にで良いですよ^^

新人看護師の復職(復帰)に向けたメンタルヘルス

適応障害は、その原因となるものを取り除けば治癒することが可能だと言われています。

そして、復職して再度ストレスが出てきても、徐々に慣れてくることが多いです。

しかし、もしまた同じような症状が出たらどうしようと不安になるかもしれません。

そんな時には、復職する前に担当医や上司である看護師長に前もって相談してみてください。

仕事ができるか不安ならば、例えば、復帰し始めは仕事の内容や勤務時間の調整をお願いするのもいいでしょう。

病棟での業務が不安ならば、外来に変更してもらってもいいかもしれません。

自分の思いを正直に伝え、前向きに自分ができることをきちんと伝えて相談してみてください。

新人看護師の思いを正直に伝える

そして、もしも人間関係やイジメなどが原因だった場合、同じ職場に戻るのはかなり不安なことかもしれません。

そんな場合は、違う科の病棟や外来勤務に変更してもらうのもいいと思います。

休職前に勤務していた場所に戻らないといけないわけではありません。

もし、そういったことを相談しても取り合ってもらえないなら、他の病院などの医療機関に転職するということも考えたほうが良いです。

まだ新人看護師だと経験も浅いので、なかなか転職するには勇気がいると思います。

しかし、新人看護師だからこそのやる気を見せて、新たに別の職場でイキイキと頑張れたという看護師を私は過去にいくらでも見てきました。

就職した先の職場の仕事内容や人間関係が原因でうつ病や適応障害になったとしても、看護師という職業が原因だったわけではありませんよね。

看護師という大切な資格を持っているのだから、どこか自分に合う職場があるはずです。

看護師というのは、学生の頃からたくさんの勉強をしてきて、大人の世界で臨床実習をしながら結構きつい指導を受け、やっと看護師の資格を取得します。

そして、就職してものんびり働けるわけではなく、忙しい毎日の業務以外に残業も多く、研修などのために休日出勤したりと、職場によってはかなりハードなわけです。

患者に急変が起これば必死になって救助しようと忙しく走り回り、患者がターミナルになれば繊細に本人と家族に気を遣いながらケアにあたる…

そうした毎日の業務をこなしていく内に、どんどん人間として強くなるんです。

ある意味、強くないと看護師なんてやっていけません。

だけど、そんな看護師だって最初から強いわけではないんです。

新人看護師として入った時に、その病棟には何の悩みもなさそうなベテラン看護師がいたと思います。

的確な判断ができて素早く動き、どんな難しい処置も難なくこなして、時間内にきっちり仕事を終わらせる凄いなと思う先輩看護師が1人くらいはいると思います。

だけど、そんな看護師だって最初から仕事ができていたわけではありません。

もしかして、うつ病や適応障害も経験しているかもしれません。

はたからは見えない悩みや過去をどんな看護師だって持っていたりしますから…。

先輩看護師も新人看護師時代に鬱病や適応障害

私は今になってよく思うのは、そんなつらい体験や過去を持っている人のほうが良い看護師になっているなということです。

良い看護師というより、良い人というのでしょうか…

職場で一緒に働く看護師のことを、先輩後輩など関係なくお互い労りあいながら頑張っていけるということです。

このような人がいる職場では、新人看護師として入っても温かい雰囲気の中、頑張っていけるものです。

どんな職場でも同じようにストレスを感じるわけではないんです。必ず自分に合った職場というのがあります。

看護師の仕事内容は、どの職場でもそれぞれ使う道具や方法は違いますが、基本的な知識や技術は一緒です。

道具や方法は毎日やっていれば慣れるものです。

大変なのは人間関係です。それが自分に合えば大丈夫です(^^)

頑張ってつらい思いをしてまでとった看護師免許です。

看護師という仕事まで自分に合わないと否定してしまいわないように、自分に合う仕事内容、自分に合う職場で一歩ずつ進んでいってみましょう。



新人看護師のうつ病や適応障害に関するまとめ

今回は、新人看護師のうつ病や適応障害について説明してきました。

ではまとめてみましょう。

新人看護師がうつ病や適応障害になった時に休職について
新人看護師で新しい職場に入った時にその状況や仕事内容が自分にとってつらく、そのため憂うつになったり不安が生ずることは適応障害やうつ病などの症状としてよく起こることです。

そんな自分をどうして何もできないんだろうと責めたりせずに、しっかり受け止めて原因となるものを排除していきましょう。
その原因が職場にあるのなら、休職という判断も正しいのです。
しっかり休養して次へのステップを考えましょう。

 

新人看護師の復職(復帰)に向けたメンタルヘルスについて
休職中は、なるべく体調をもとに戻すためバランスの取れた食事や睡眠をとって、趣味や自分の好きなことをして楽しい時間を持てるように過ごしましょう。
復職できそうであれば、担当医(心療内科でかかっていれば)や看護師長に仕事内容や時間など、今後のことについて相談してみましょう。

また、仕事内容や人間関係などを考え、同じ職場への復職が難しいようならば他の科への変更、若しくは他施設への転職も検討しましょう。

 

新人看護師として就職すると、知らない人だらけの中で知らないことだらけの毎日を送ります。不安ばっかりです。

そして、同期入社した看護師が他にいれば、どうしても自分と比べたり、できない自分を感じて落ち込んだりします。

でもそんな同期の子だって必死だと思います。新人看護師はみんな必死なんです。私も必死でした^^;

ですので、希望を捨てずに一歩一歩前に進んでいきましょう!