こんにちは、現役看護師のミカです。今回は、『痛風発作の時の痛み止めにロキソニンやインドメタシンは効く?コルヒチンについても説明』というタイトルでお送りします。
痛風発作は、ガイドラインによると、24時間以内にピークに達する急性の関節炎です。
もし、痛風発作の痛みに襲われたとき、その痛みはどんなお薬で治まるのでしょうか?
今回は、痛風発作の時の痛み止めについて、日本痛風・核酸代謝学会の『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版』(2022年追補版を含む)と、コルヒチンの電子添文などで確かめられる範囲で、説明していきたいと思います。
お薬の種類や量は、症状や持病、飲んでいる薬によって変わります。実際の使い方は、医師・薬剤師の指示に従ってください。
痛風発作の痛みとは?
痛風発作は、関節内に沈着した尿酸塩(MSU)の結晶によって起こる関節炎(痛風関節炎)です。
ガイドラインは、痛風関節炎の特徴として、次の点を挙げています。
- 中年男性に多い
- 24時間以内にピークに達する急性の関節炎で、1つの関節に起こることが多い
- 下肢の関節(特に足の親指の付け根の関節)に起こりやすい
- 10日ほどで自然に軽快し、発作と発作の間の落ち着いた時期がある
- 背景に高尿酸血症(血液中の尿酸値が高い状態)がある
- 治療をしないと、次第に発作が頻発し、慢性化して痛風結節(尿酸塩の結晶がたまったかたまり)ができる
また、ガイドラインは、治療をしなかった場合、最初の3日間は痛みの強さが変わらず、7日後も大半の人で痛みが続くと報告されていると説明しています。
急性痛風関節炎の痛みは強く、生活に大きく影響するため、原則として薬による治療の対象とされています。
では、痛風発作の痛みが現れたときの痛み止めは、ロキソニンやインドメタシンは効くのでしょうか?
痛風発作の時の痛み止めはロキソニンやインドメタシンは効く?
ガイドラインによると、痛風発作の薬物治療に用いられるのは、次の3種類です。
- NSAID(非ステロイド抗炎症薬)
- コルヒチン
- グルココルチコイド(ステロイド)
いずれも、できるだけ早くに開始し、症状が消えたら速やかに中止するとされています。
どれを使うかは、発作が起きてからの時間、痛みの強さ、これまでの薬の副作用や効果、持病、飲んでいる薬を考えて、医師が決めます。
ガイドラインは、この3種類の薬の優劣についての根拠は得られなかったとして、従来のNSAIDを第一選択とする方針とは異なる考え方を示しています。

NSAID(ロキソニンやインドメタシンなど)
ロキソニン(ロキソプロフェン)やインドメタシンは、NSAIDというお薬の仲間です。
ガイドラインは、NSAIDには多くの種類があるものの、急性痛風関節炎に対する有効性に優劣があるという証拠(エビデンス)はないとしています。
ガイドラインには「痛風関節炎に適応がある NSAID」の表(表1)があり、次のお薬が掲載されています。
- 2022年追補版の表1:ナプロキセン(商品名:ナイキサン)、プラノプロフェン(商品名:ニフランなど)、オキサプロジン(商品名:アルボなど)
- 2018年刊の第3版の表1:上の3つに、インドメタシン(商品名:インテバンSP)を加えた4つ
ロキソプロフェン(ロキソニン)は、どちらの版の表1にも載っていません。
どの薬を使うかは、医師が決めます。
ガイドラインは、NSAIDは十分な量を使うことが重要で、比較的多い量を短期間に限って使うことが有用であるため、「NSAIDパルス療法」が行われることがあるとしています。
量や期間は医師が決めます。
NSAIDの副作用として、ガイドラインでは次のものが挙げられています。
- 胃腸障害(消化管の潰瘍、出血、穿孔)
- 腎障害
- 高血圧
- 中枢神経系の症状
- 肝機能の異常
- 心血管イベント(心臓や血管の病気)の増加
また、ガイドライン(2022年追補版)には、次のことが書かれています。
- 胃潰瘍の既往がある場合は、NSAID以外の薬を用いるべき
- 抗凝固薬(血をサラサラにする薬)を用いている患者では、NSAIDは避ける
- 慢性腎臓病には、NSAIDは原則として避けるべき
- 心血管イベントの既往がある場合は、短期間のNSAID投与でも再発を増やす可能性がある
- 高齢者は腎機能や肝機能が低下していることが多く、注意が必要
NSAIDが使いにくいとき
NSAIDが使いにくい場合には、グルココルチコイド(ステロイド)の飲み薬が使われることがあります。
ガイドラインは、飲み薬のグルココルチコイドはNSAIDと同等に有効で、特に腎機能が低下している人ではNSAIDやコルヒチンが使いにくく、グルココルチコイドが適応になる場合が多いとしています。
ただし、糖尿病や感染症がある場合、手術の後などは注意が必要とされています。
痛み止めは「痛風を治す薬」ではありません
これらの薬は、発作で出た痛みと炎症を抑えるためのものです。
痛風の背景にある高尿酸血症を治す薬ではありません。
ガイドラインでは、尿酸値を下げる薬(尿酸降下薬)について、次のように書かれています。
- 初めて痛風関節炎を起こした人は、関節炎を完全に鎮めてから、尿酸降下薬を最小量で始める
- すでに尿酸降下薬を飲んでいる人が発作を起こしたときは、尿酸降下薬を中止することなく、発作の治療を上乗せする
尿酸降下薬をいつから始めるか、飲んでいる薬をどうするかは、医師が判断します。
あわせて、ガイドラインは、薬以外の治療として、患部を高くして負担を避けること、局所の冷却は痛みを弱める効果があること、関節炎が続いている間は禁酒とすることを挙げています。
では、次にコルヒチンについて説明していきましょう。
痛風発作の時にコルヒチンは効く?
コルヒチンは、痛風発作の治療に使われるお薬のひとつで、普通の痛み止めとは別のお薬です。
電子添文(添付文書)では「劇薬」「処方箋医薬品」とされており、医師の処方に基づいて使います。
コルヒチン錠の電子添文(2026年6月改訂)には、効能・効果として「痛風発作の緩解及び予防」が書かれています。
次のように、発作が起きてからと、発作の前の両方で使われるお薬です。
- 発作の緩解(発作を治めること):発作の発現後は、服用開始が早いほど効果的とされています
- 発作の予防:発作の予感があるときには、予兆を感知したらできるだけ早く服用することが望ましいとされています。一方、長期間にわたる予防的な投与は、重い副作用の可能性があり、有用性が少なくすすめられないとされています
ガイドラインにも、前兆がある場合はコルヒチンの投与で、発作への移行を抑えられる場合があると書かれています。
痛風発作の前兆として起こる症状に関してはこちらに詳しく記載してありますので、ご参照ください。
使い方で気をつけること
ガイドラインは、コルヒチンについて次のように説明しています。
- 実際の診療では、少ない量で使う「低用量コルヒチン投与法」が推奨される
- 多い量で使う方法は、副作用の出る頻度がきわめて高く、重い副作用も起こるので推奨できない
- 効果があるというエビデンスは、発症から12時間以内に使った場合に得られている
- 薬の飲み合わせの問題が多く、治療域が狭い(効果のある量と危険な量が近い)薬なので、持病や飲んでいる薬を十分に考えて使う
- 副作用は消化器の症状が多く、頻度は少ないが重いものに、骨髄抑制(血液をつくる働きの低下)、横紋筋融解症(筋肉の障害)、末梢神経障害がある
- クラリスロマイシン、エリスロマイシン、シメチジンなど、日常の診療でよく使われる薬との併用は避けるべき
コルヒチンの用法・用量については、2026年に大きな動きがありました。
- 2026年2月:PMDAのサイトに「適正使用のお願い」が掲載されました(製造販売業者の文書)。国内で、承認された用法・用量の範囲内ではあるものの、高用量を使ったあとに死亡した例が報告されたことを受けたものです
- 2026年6月2日:コルヒチン錠の承認事項が一部変更され、痛風発作の緩解に係る用法及び用量が変わりました。厚生労働省は、承認された用量を超えて投与しないよう、通知で医療機関などに周知しています
現在の電子添文(2026年6月改訂)の「警告」には、次のことが書かれています。
- 1日量の上限を超える高用量を投与した患者と、重度腎機能障害の患者で、重篤な中毒症状(胃腸障害、血液障害、腎障害、肝障害等)が出て、死亡に至った症例が報告されている
- 承認された用量を超えて投与しない。重度腎機能障害の患者への投与は、臨床上やむを得ない場合を除き避ける
- 悪心・嘔吐、腹部痛、下痢、咽頭部・胃・皮膚の灼熱感、血尿、乏尿、筋脱力等の中毒症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者に指導する
そのほか、電子添文には次のことが書かれています。
- 痛風発作の緩解に使うときの1回量・1日量・投与期間は、国内の最新のガイドラインを参考にし、疼痛が改善したら速やかに投与を中止する
- 肝臓または腎臓に障害のある患者で、肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬やP糖蛋白を阻害する薬を服用中の場合は、禁忌(投与しない)
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性には、痛風発作の緩解及び予防では投与しない
用法・用量は改訂されることがあります。コルヒチンの量や飲み方は、医師・薬剤師の指示に従ってください。
痛風発作の時の痛み止めについてのまとめ
今回は痛風発作の時に飲む痛み止めなどについて説明してきました。
では、まとめてみましょう。
痛風発作の薬物治療には、NSAID、コルヒチン、グルココルチコイドが使われ、どれを使うかは医師が決めます。
ガイドラインは、NSAIDの種類による有効性の優劣の証拠はないとしています。
ガイドラインの「痛風関節炎に適応がある NSAID」の表1には、ロキソニンは載っていません(2022年追補版、2018年刊の第3版とも)。
NSAIDには副作用があり、胃潰瘍の既往がある人、抗凝固薬を用いている人などでは避けるなどの注意が書かれています。
コルヒチンは、発作の緩解と予防の両方に使われる医師の処方薬です。
一方で、高用量では死亡例も報告されており、2026年6月の改訂で電子添文の警告などが見直されました。
量や飲み方は医師・薬剤師の指示に従い、疼痛が改善したら速やかに中止するとされています。
受診の目安
- 痛風発作の痛みは強く、原則として薬による治療の対象とされています。治療はできるだけ早く始めることが大切とされています
- 発作の前兆があるときには、コルヒチンで発作への移行を抑えられる場合があるとされています。前兆を感じたことがあるときは、受診のときに医師に伝えましょう
- 関節が赤く腫れて痛む病気は痛風だけではありません。ガイドラインでも、偽痛風や蜂窩織炎などとの区別が必要になる場合があるとされています
- 発作の最中は、血液検査の尿酸値が発作前より低く出ることがあり、数値だけでは診断できないことがあります。過去の健康診断での尿酸値や、これまでの発作の経験を医師に伝えましょう
- コルヒチンを服用していて、悪心・嘔吐、腹部痛、下痢、咽頭部・胃・皮膚の灼熱感、血尿、乏尿、筋脱力等があらわれたときは、速やかに医療機関を受診するよう電子添文に書かれています
参考:日本痛風・核酸代謝学会(現:日本痛風・尿酸核酸学会)ガイドライン改訂委員会編『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版』(Mindsの紹介ページ、第3版ダイジェスト・ポケット版(PDF)、第3版[2022年追補版](PDF))/コルヒチン錠の電子添文(2026年6月改訂、PMDA医療用医薬品情報)/厚生労働省「コルヒチン製剤の用法及び用量の一部変更について」(令和8年6月2日)/PMDAのサイトに掲載された「適正使用のお願い―コルヒチンの用法及び用量について―」(2026年2月)(2026年10月16日確認)。お薬の使い方は必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
