看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『アニサキス食中毒の治療方法は?正露丸やアルコールは効果がある?』というタイトルでお送りします。


アニサキスという寄生虫は、生鮮魚介類に寄生しており、大きさは2~3㎝くらいで白く細長い線虫です。

下の画像がアニサキスです。
アニサキス幼虫

私たちがスーパーなどで購入する魚介類にも、普通に生息している可能性はあり、よく見れば見つけることもできます。

そして、アニサキスが生息している魚介類を生のまま口にすることで胃の中に入り込み、アニサキスの出す分泌液に反応することで胃の痛みなどの食中毒の症状が起こることがあります。

アニサキスによる食中毒の症状については、こちらの記事をご参照ください。
しめ鯖などの寄生虫アニサキスの食中毒の症状は?時間(期間)や痛みについても

 

では、今回はアニサキスの食中毒の治療方法について説明していきたいと思います。




 

アニサキスによる食中毒の治療方法は?

アニサキスによる食中毒を発症すると、激しい胃痛や下腹部痛に襲われることが多くあります。

そして多くの場合は、すぐに病院を受診することになります。

そして、まずは問診をした後、血液検査やレントゲンなどの検査が行われます。

しかし、アニサキスによる食中毒は、このような検査でわかることはありませんので診断はつきません。

しかし前日に生で魚介類を食べたことがわかれば、アニサキスによる食中毒を疑って、すぐに胃の内視鏡検査(胃カメラ)をすることになります。

胃の中を観察していき、下記の画像にようにアニサキスが存在していれば、それを取り除く処置を行います。

胃カメラでアニサキスを取り除く画像

これは胃カメラの先についている胃の中の組織をつかむ器具を使って、アニサキスを掴みだしている画像です。

こうして、アニサキスを取り除くと痛みなど症状は改善していきます。

処置後は、胃薬を処方されると思いますので、それを数日間飲み続ければ治療は終わりです。

ただ、これはアニサキスが胃の中に存在していればできる処置です。

もし、腸のほうに移動していた時、胃とは違ってカメラで確認して取り除くことは不可能です。

腸と言っても、大腸の内視鏡カメラで検査できる範囲の中で小腸などは肛門からなかり遠い部位ですし、腸の中は残渣物(ざんさぶつ)が多すぎて発見することも困難です。

この場合は、食べた食事の内容と現れている症状、そしてレントゲンやCT などで異変がないか、悪化していないかなどを確認した上で医師が治療方針を決めます。

ほとんどの場合は数日入院して絶食をして点滴する治療で回復します。

もし、痛みが激しくない場合でしたら入院はしなくてもいいでしょう。

アニサキスはヒトの体内で生き続けることはできないので、4~5日すれば症状は改善していきます。

ただし、腸の中で粘膜がむくみ、腸閉塞(ちょうへいそく)などといった状態を起こしてしまうと外科手術になる可能性もあります。

その場合は入院治療が必要になってきます。

そして、症状が比較的軽い場合などに、市販薬としても有名な「正露丸」や「飲酒用のアルコール」が効くといった情報について検索されている方が多いようです。

そのことについて、次に説明していきたいと思います。



アニサキスによる食中毒の症状に正露丸やアルコールは効く?

では、アニサキスによる食中毒の症状を抑えるのに、正露丸やアルコールは効果があるのでしょうか?

これは多くの方が疑問に感じていることだと思います。

正露丸については、正露丸を開発している大幸薬品株式会社から下記のような効果を発表しています。

▶ 大幸薬品が、胃アニサキス症の予防・症状改善のための薬剤として 木クレオソートの新たな活用方法を特許出願 2010年12月(https://www.seirogan.co.jp/dl_news/file0095.pdf)
 

また、大幸薬品株式会社のHPに掲載してある2016年の日経ドラッグインフォメーション内には次のようなQ&Aの記事が掲載されています。

ここには、「アニサキス症に正露丸はなぜ効くか?」という内容の記事が書かれています。

▶ アニサキス症に正露丸がなぜ効くか(1ページ目)(http://eprint.nikkeibp.co.jp/2017/10/20171020NDI201611/HTML5/pc.html?id=/page/1#/page/1)

▶ アニサキス症に正露丸がなぜ効くか(2ページ目)(http://eprint.nikkeibp.co.jp/2017/10/20171020NDI201611/HTML5/pc.html?id=/page/1#/page/2)
 

これらの記事には、正露丸は、木(モク)クレオソートと言われる成分が含まれていて、それにはアニサキスの運動を鈍らせる作用があるため症状の改善が期待できると記載されています。

実際に、アニサキスの食中毒の症状を発症した方が正露丸を服用することによって、痛みが緩和されたという症例があるようです。

恐らく、アニサキスの数や部位、その人の身体の状態によって、効果があるのかないのかは違ってくると思います。

アニサキスのアレルギーなどで、症状が重篤であるのに関わらず正露丸を飲んで様子をみていても改善されずにもっと重篤な状態になることも考えられます。

ですので、効果があるケースとないケースがあるのだということ、また、服用するのであれば自分の判断と責任になるということを理解した上で使用すべきでしょう。

では、アルコールはどうでしょうか?

アルコール消毒という言葉があるように、アルコールと言えば、消毒の効果があると想像してしまうと思います。

ついつい、お酒を飲めば胃の中のアニサキスも殺せるのでは?と考えてしまいます。

ですが、医療現場で使う消毒用アルコールは70%という高い濃度であり、飲酒用のアルコールはかなり低いため消毒効果は全くありません。

そんな高い消毒効果のあるアルコールを飲んでしまうと、自分の胃粘膜がやられてしまいますね。

結論を言いますと、アルコールでは胃の中の消毒はできないということです。



アニサキスによる食中毒の治療方法についてのまとめ

今回は、アニサキス食中毒の治療方法について説明してきました。

では、まとめてみましょう。

アニサキス食中毒の治療方法は?
採血やレントゲンなどの検査で特に異常がなく、問診で生鮮魚介類を食べたということが確認されれば、胃カメラを行います。
そして、アニサキスを取り除く処置を行います。
処置後は、胃薬を数日間服用して治療は終わりです。
また、腸までアニサキスが移動していた場合は、大腸内視鏡などでは容易に取り除けませんので、絶食して点滴治療を行います。
また、もし腸閉塞などの重篤な症状が現れた際には手術が必要になることがあります。

 

アニサキスによる食中毒の症状に正露丸やアルコールは効く?
正露丸には木クレオソートという成分が入っており、これがアニサキスの運動を鈍らせる作用があり、症状を改善する効果があると言われていますが、これについては個人差があると思います。
アニサキスの数や部位、その人の身体の状態によって効果がある場合とそうでない場合があるでしょう。
また、アルコールについては飲酒用のアルコールでは濃度も低く、胃の中での殺菌作用はありません。

 

アニサキスによる食中毒の症状の程度が軽い場合、自分の判断で正露丸を服用してみると症状が軽くなるということもあるでしょう。

ただ、あまり効果のない場合には重篤な状態に変わる可能性もありますので、我慢しすぎないように早めに病院を受診することをおすすめします。