痛風発作を繰り返したり長引くのはなぜ?尿酸値を下げる治療方法と生活習慣は?

痛風発作を繰り返したり長引くのはなぜ?尿酸値を下げる治療方法と生活習慣は? 内科
看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『痛風発作を繰り返したり長引くのはなぜ?尿酸値を下げる治療方法と生活習慣は?』というタイトルでお送りします。

痛風発作を一度起こしたら、その痛みが自然に治まったとしても、そのあとの治療が大切です。
日本痛風・核酸代謝学会の『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版』(2022年追補版を含む)は、痛風関節炎を治療せずにいると、次第に発作が頻発し、慢性化して痛風結節(尿酸塩の結晶がたまったかたまり)ができると説明しています。

では、痛風発作を繰り返さないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?

今回は、このガイドラインで確かめられる範囲で、痛風発作を繰り返したり長引いたりするときの治療方法などについて説明していきましょう。
お薬の種類や量は人によって違います。実際の使い方は、必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。

痛風発作を繰り返したり長引くのはなぜ?

ガイドラインによると、痛風関節炎(痛風発作)には次のような特徴があります。

  • 24時間以内に痛みのピークに達する急性の関節炎で、1つの関節に起こることが多い
  • 10日ほどで自然に軽快し、発作と発作の間の落ち着いた時期がある
  • 背景に高尿酸血症(血液中の尿酸値が高い状態)がある
  • 治療をしないと、次第に発作が頻発・慢性化し、痛風結節ができる

痛みが自然に治まっても、背景にある高尿酸血症が続く場合、無治療では次第に発作が頻発・慢性化するとされています。
ガイドラインは、痛風関節炎を繰り返す人や痛風結節がある人は、生活習慣の見直しだけで体内にたまった尿酸塩の結晶を減らすことは難しく、薬による治療で血清尿酸値を6.0 mg/dL以下に保つことが望ましいとしています。

また、発作の痛みそのものについては、治療をしなかった場合、最初の3日間は痛みの強さが変わらず、7日後も大半の人で痛みが続くと報告されているとガイドラインは説明しています。
痛みが長引くときは、がまんせずに受診しましょう。

発作のときの治療は、痛みと炎症を抑えるための薬が中心で、痛風の背景にある高尿酸血症を治すものではありません。
発作の痛み止めについては、こちらの記事に書いています。

 

尿酸降下薬を始めた後にも発作が起こることがあります

尿酸降下薬(尿酸値を下げる薬)を始めた後に、痛風発作が起こることがあります。
ガイドラインは、尿酸値が下がると、関節内にたまっていた結晶の表面が変化したり、結晶がはがれ落ちたりして、関節炎が起こることがあると説明しています。
結晶は薬を飲み始めてすぐに消えるわけではなく、適切に薬を飲み続けることで徐々に溶けていくため、薬を始めた後も発作が起こりうるとされています。

このため、ガイドラインでは、次のような対応が示されています。

  • 尿酸降下薬は、最小量から始めて、徐々に増やす
  • 発作が起こったときに使う抗炎症薬を、頓服(症状が出たときに飲む薬)として使えるように指導する
  • 発作の予防のために、コルヒチンを少量、尿酸降下薬を始めてから3〜6か月ほど併用することがある(「コルヒチンカバー」。期間についてはさまざまな意見がある)

また、痛風発作のときに尿酸降下薬を飲んでいる場合の扱いは、次のようにされています。

  • 初めて痛風関節炎を起こした人は、関節炎を完全に鎮めてから、尿酸降下薬を最小量で始める
  • すでに尿酸降下薬を飲んでいる人が発作を起こしたときは、尿酸降下薬をやめずに、発作の治療を上乗せする

尿酸降下薬を始める時期や、発作の最中の飲み方は、医師が判断します。

尿酸値を下げる治療方法とは?

高尿酸血症は、成人では、年齢や性別を問わず、血清尿酸値が7.0 mg/dLを超える状態と定義されています(小児では年齢別の基準値を考慮します)。

ガイドラインでは、治療の考え方が次のように整理されています。

  • 痛風関節炎を繰り返す人、痛風結節がある人:薬による治療の対象で、血清尿酸値を6.0 mg/dL以下に保つことが望ましい
  • 痛風結節がある人:尿酸降下薬で血清尿酸値を下げることで、結節の縮小、消失、再発防止が可能とされている。早く縮小させるには、5.0 mg/dL以下にコントロールすることが重要とされている
  • 痛風や痛風結節がない「無症候性高尿酸血症」:生活習慣を整える食生活の指導を、薬による治療より優先する。薬は、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの合併症がある場合は血清尿酸値8.0 mg/dL以上、合併症がない場合は9.0 mg/dL以上で考える(慎重に適応を決める)
高尿酸血症の定義(成人)・・・血清尿酸値が7.0 mg/dLを超える
尿酸値をコントロールする目標・・・6.0 mg/dL以下(痛風関節炎を繰り返す人、痛風結節がある人)
無症候性の人が薬を考える目安・・・合併症があれば8.0 mg/dL以上、なければ9.0 mg/dL以上

 

どの治療を選ぶかは、尿酸値の高さ、痛風発作の有無、痛風結節の有無、合併症の有無などで変わります。
自分に必要な治療は、医師と相談して決めましょう。

尿酸値を下げるお薬は?

ガイドラインでは、尿酸降下薬は、主に、尿酸をつくるのを抑える「尿酸生成抑制薬」と、尿酸の排泄を促す「尿酸排泄促進薬」の2種類に分けられています。
別に、腫瘍崩壊症候群に使われる「尿酸分解酵素薬」もありますが、ここでは扱いません。

尿酸生成抑制薬

  • アロプリノール
  • フェブキソスタット
  • トピロキソスタット

尿酸排泄促進薬

  • ベンズブロマロン
  • プロベネシド
  • ブコローム

どちらの薬を使うかは、医師が決めます。
ガイドラインでは、薬の選び方や注意点として、次のことが書かれています。

  • 腎負荷型(尿酸産生過剰型と腎外排泄低下型)、尿路結石の保有または既往、慢性腎臓病のステージ4以上の腎障害がある人では、尿酸生成抑制薬の投与が望ましい
  • 尿酸排泄促進薬を使うときは、尿路結石予防のための尿路管理が必要
  • ベンズブロマロンは、劇症肝炎(重い肝障害)の報告があり、飲み始めて少なくとも6か月は、定期的な肝機能検査をしながら使う
  • フェブキソスタットとトピロキソスタットは、メルカプトプリン水和物、アザチオプリンとの併用が禁忌(飲み合わせてはいけない)
  • アロプリノールは、中毒性表皮壊死症や皮膚粘膜眼症候群(重い皮膚の障害)、薬剤性間質性腎炎などの報告があり、腎機能が低下している人では量の調節が必要

尿酸降下薬は、医師の指示どおりの量と飲み方を守らないと、効果が出ないだけでなく、副作用が出たり飲み合わせで問題が起きたりすることがあります。

尿酸値を上げない生活習慣は?

ガイドラインでは、痛風や高尿酸血症の治療には、薬を使うかどうかにかかわらず生活指導が重要で、食事、お酒を控えること、運動が基本とされています。
尿酸値には、プリン体のとりすぎ、お酒、激しい運動、果糖、肥満などが関わるとされています。

ポイントは次のとおりです。

 

・食事を見直し、肥満を解消すること

エネルギーのとりすぎを避け、適正なエネルギーをとります。
プリン体の多い食品(レバー、干物、白子など)のとりすぎと、果糖(砂糖を使った甘い飲み物や果物ジュースなど)のとりすぎは避けましょう。
ガイドラインでは、プリン体の摂取量の目安は1日400mg程度とされています。
 

・お酒を控えること

お酒は、飲む量が多いほど痛風になるリスクが高まるため、適量を超えないようにします。
関節炎が続いている間は禁酒とされています。
 

・水分を適切にとること

尿路結石の予防のためには、1日の尿量を2,000 mL以上にするよう水分をとることが勧められています。
尿路結石の予防を目的とした飲水指導では、水分の補給源として、アルコール、果糖やプリン体を多く含むものを避けることが勧められています。
ただし、腎臓の病気(慢性腎臓病)がある場合は、水分をとる量を慎重に決める必要があるため、主治医の指示に従ってください。
 

・適度な運動をすること

ガイドラインでは、歩行、ジョギング、サイクリングなどの、脈が少し速くなる程度の有酸素運動が勧められています。
短時間の激しい運動では血清尿酸値が上がります。
また、運動が関節への負担となって痛風発作の引き金になることがあり、心臓の病気がある場合も考える必要があります。
運動の強さは、主治医に相談して決めましょう。
 

・発作の引き金に注意すること

ガイドラインは、痛風発作の誘因として、過食・過飲、脱水、さまざまなストレス、長距離の歩行や捻挫・打撲などの関節への物理的な負荷を挙げています。
 

・続けること

生活習慣の見直しは、続けることが大切だとされています。

 

痛風発作に対する治療方法などについてのまとめ

今回は、痛風発作を繰り返したり長引かせないための治療方法について説明してきました。

では、まとめてみましょう。

痛風発作を繰り返したり長引くのはなぜ?
痛風発作は10日ほどで自然に軽快することが多い一方、背景にある高尿酸血症が続くと、発作が頻発・慢性化し、痛風結節ができることがあります。
痛風を発症した人は、医師と相談して、尿酸値をコントロールする治療を考える必要があります。
尿酸降下薬を始めた後にも発作が起こることがあるので、自己判断でやめないようにしましょう。

 

尿酸値を下げる治療方法は?
治療方法は、尿酸値の高さ、痛風発作の有無、痛風結節の有無、合併症の有無などによって変わります。
その主なものは、薬による治療と生活習慣の見直しです。
痛風関節炎を繰り返す人や痛風結節がある人は、血清尿酸値を6.0 mg/dL以下に保つことが望ましいとされています。

 

こんなときは受診しましょう

  • 痛風発作の痛みは強く、原則として薬による治療の対象とされています。治療はできるだけ早く始めることが大切とされています
  • 痛風関節炎を繰り返す人や痛風結節がある人は、薬による治療の対象になります
  • 尿酸降下薬を飲んでいて発作が起きたときは、尿酸降下薬を中止することなく、発作の治療を上乗せすることが勧められています。どう対応するかは医師に確認しましょう
  • 無症候性高尿酸血症で血清尿酸値が7.1〜8.9 mg/dLのときは、高血圧、糖尿病または耐糖能異常、脂質異常症、肥満といった合併症がないかを調べ、必要な場合にはそれぞれの専門医(診療科)を受診させることもあるとされています

参考:日本痛風・核酸代謝学会(現:日本痛風・尿酸核酸学会)ガイドライン改訂委員会編『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版』(Mindsの紹介ページ、第3版ダイジェスト・ポケット版(PDF)、第3版[2022年追補版](PDF))(2026年10月16日確認)。お薬の使い方は必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。


最後までお読み頂いてありがとうございました。

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