今回は、『痛風発作の前兆や痛みの期間は?冷やすといい?その対処方法についても紹介!』というタイトルでお送りします。
最近では、食生活の乱れやダイエットなどが原因で若くても痛風になる患者さんがおられます。
急に痛風発作の症状が出ることで、初めて自分が痛風だということを知る人も多くいます。
今回は、この痛風発作の前兆や痛みの期間などについて、そしてその対処方法についても紹介していきたいと思います。
痛風発作とは?
痛風発作についての説明をするまえに、痛風とはどういったものなのかについて少し触れておきたいと思います。
痛風というのは、血液中の尿酸値が上がり、排泄しきれない量の尿酸塩が関節内や腎臓の中に少しずつ蓄積されることで引き起こされる病気のことを言います。
関節内に沈着した尿酸塩の結晶は、何らかのきっかけで関節腔内にはがれ落ちます。
身体はそのはがれ落ちた結晶を異物と認識して、免疫細胞である白血球が攻撃を始めます。
この時、白血球は生理活性物質(サイトカインや活性酸素など)というものを放出するのですが、この物質が毛細血管をひろげて、その部位の血液の流れが激しくなることで強い痛みを感じるのです。
このことを「痛風発作」と呼びます。
では、この痛風発作の痛みには前兆はあるのでしょうか?
痛風発作には前兆がある?
痛風発作の多くは急にある日突然に、足の親指の付け根やくるぶしなどに激しい痛みを感じることから始まります。
それ以外の部位では、足の甲の部分やアキレス腱の周囲または膝などに痛みが出る人もいます。
急な痛みを訴える人が多い中、前兆のような症状が現れる人もいます。
前兆といっても個人差があり、発作が出る数時間前の時もあれば、1日前の時もあるようです。
その症状としては発作が起こる部分に、
- チクチク・ピリピリとした痛み
- 鈍痛
- 違和感
- こわばりのような感じ
- その部分の熱っぽい感じ
などがあります。
ただ、そんな症状があったからと言って、必ずしもすべての人に痛風発作が起こるわけではありません。
では、痛風発作の痛みの期間はどれくらいなのでしょうか?
痛風発作の痛みの期間は?
痛風発作の痛みは、発生してからどんどん強くなっていき、関節は熱を持って赤く腫れあがります。
下の画像は最も痛風発作が発生しやすいと言われる足の指の関節の写真です。
関節が赤く腫れあがり炎症を起こしているのがよくわかると思います。
その痛みは、発生してから24時間でピークになると言われていて、布団もかけられないくらい痛いというケースもあります。
その痛みはおよそ7~10日くらい続き、その後は徐々に痛みも関節の腫れも引いてきます。
では、痛風発作の痛みが出たときの対処方法について紹介しましょう。
急に痛風発作の痛みが出たときは冷やすといい?その対処方法は?
痛風発作の痛みは、夜中や明け方に多いと言われています。
もし、夜中などすぐに病院に行けない時間帯に発作が起きたとき、どんな応急処置をすればいいのでしょうか?
もちろん、炎症を起こしている部分は冷やすといいので、それもひとつの対処方法ですね。
では急な痛風発作の痛みの対処方法を次に挙げてみましょう。
- 安静にしておく
- 痛い部分を冷やす
- 痛い部分を心臓の位置より高めにする
- なるべく早めに病院を受診する
これらが対処方法です。
では、ひとつずつ説明していきましょう。
・安静にしておく
痛風発作が起きたときは、痛い部分をなるべく動かさずに安静にしておきましょう。
痛いからといって、患部を揉んだりマッサージしたりすると炎症がひどくなり、ますます状況が悪化していきます。
ですので、なるべく患部に負担をかけないように安静を保つようにしましょう。
・痛い部分を冷やす
やはり炎症を起こしている部分はとにかく冷やすことが大切です。
氷枕や冷えピタなど、冷湿布などで冷やすといいでしょう。
・痛い部分を心臓の位置より高くする
例えば、足に痛みがあるのなら、その足の下に座布団やクッションなどを敷いて、患部を心臓より高い位置にしておきます。
これは、少し難しいかもしれませんが、心臓よりも患部を高くすることで患部の静脈の流れが滞るのを防ぐことができるからなのです。
・なるべく早めに病院を受診する
痛みがあるからと言って自分の判断で痛み止めのお薬を飲んだりすると、お薬の種類によっては、かえって尿酸値を上げて痛風を悪化させることがあります。
また、痛みが少し治まったからといって治療しないでいると、かなりの確率で再発して慢性化していきます。
必ず早めに受診するようにしましょう。
痛風発作があったときに受診する科ですが、「痛風・リウマチ科」「内分泌代謝科」などの専門外来の診療科が一番いいですが、なければ整形外科などでもいいです。
もし、近くにそういった科の医院や病院がなければ、かかりつけ医の先生に診て頂いて専門の先生を紹介してもらうといいでしょう。
痛風発作の前兆や痛みの期間などに対するまとめ
今回は痛風発作の前兆や痛みの期間などについて説明してきました。
では、まとめてみましょう。
痛風発作の前兆は、発作の数時間前に出ることも、1日前に出ることもあります。
前兆が出るか出ないかについては個人差があり、必ず出るとは限りません。
そして、前兆として出るときの症状は…
発作が起こる部分に、
- チクチク・ピリピリとした痛み
- 鈍痛
- 違和感
- こわばりのような感じ
- その部分の熱っぽい感じ
などがあります。
痛風発作の痛みは、発生してから24時間でピークになると言われていて、その痛みはおよそ7~10日くらい続きます。
痛風発作の痛みは炎症を起こしていることもあるので、とにかく冷やすことが大切です。
そのほかの対処方法として、
- 安静にしておく
- 痛い部分を心臓の位置より高めにする
- なるべく早めに病院を受診する
などがあります。
痛風発作の痛みが出たときには、痛みを我慢して症状が軽くなったとしても、必ず診察を受けるようにしましょう。
それは、そのままで痛風が完治するわけではなく、高い確率で再発するからです。
痛みだけではなく、様々な病気へと発展していく可能性もありますので、なるべく早くに診察を受けるようにしましょう。