今回は、『皮膚のかゆみは原因不明のことも?内臓疾患やストレスも考えられる?』というタイトルでお送りします。
かゆみというのは、本当につらい症状です。
掻くと、ヒリヒリして皮膚が傷つき荒れてしまうし、炎症を起こすことあります。
だから、掻かないほうがいい。
と、そんなことはわかっていても、かゆくてかゆくてどうしようもない時には我慢できずに掻いてしまうこともあります。
では、皮膚のかゆみというのは何が原因になっているんでしょうか?
今回はそんな皮膚のかゆみの原因について説明していきたいと思います。
皮膚のかゆみは原因不明のこともある?内臓疾患やストレスも考えられる?
皮膚がかゆい、というと「何か皮膚の病気が潜んでいるんじゃないかな?」って思いますよね。
でも、実際には皮膚のかゆみの原因には色々なことが考えられます。
皮膚ではなく何か他の病気が原因だったりすることもあります。
そして、考えられる原因がたくさんあるため、病院で診察を受けたとしても、その原因がなかなかわからないということはよくあります。
どこか内臓疾患があったり、精神的なストレスが原因だったりすることも考えられます。
そんな皮膚のかゆみの原因は大きく下の2つにわかれます。
- 皮膚の病気によるかゆみ
- 皮膚の病気ではないもの(全身的なものと、部分的なもの)
これら2つです。
それぞれ、説明していきましょう。
・皮膚の病気によるかゆみ
アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・じんましん・水虫・乾癬(かんせん)・アレルギー性の病気など
・皮膚の病気ではないもの
全身的のもの…皮膚の乾燥・ストレス・薬の副作用・内臓の病気
部分的なもの…尿道炎・前立腺肥大・トリコモナス膣炎やカンジダ症などの性感染症・内臓の病気・ストレス
また、これ以外にも、身の回りのものや習慣にしていることがかゆみの原因になっていることもあります。
例えば、
・飲酒…お酒を飲むことで血液の流れがよくなって、体温が上がりその刺激でかゆくなることがあります。
・入浴…身体が温まり、血液循環が良くなることでかゆみが強くなります。(メカニズムは不明)
・汗…よく夏の暑いときに汗をかいて、そのあとにかゆみが増すことがあると思います。
これは、汗に含まれる塩分が肌を刺激してかゆみの原因になります。
皮膚の病気によるかゆみや、皮膚の病気でなくても部分的なかゆみに関しては原因がわかりやすいので、その治療を受けると比較的治るケースが多いです。
しかし、皮膚の病気ではないもので全身的なかゆみに関してはなかなか原因が判明しにくいです。
では、上記で説明した全身的なかゆみの原因として考えられるもののうち、内臓疾患とストレスについて、もう少し詳しく説明していきましょう。
皮膚のかゆみの原因として考えられる内臓疾患とは?
皮膚のかゆみを引き起こす内臓疾患には次のような病気があります。
・糖尿病(とうにょうびょう)…血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用が低下することで、血糖値が上がる病気です。
糖尿病の合併症として、かゆみが出ることがあります。
・慢性腎不全(まんせいじんふぜん)…腎臓の機能が低下して、体内の老廃物を排泄できなくなる病気です。
腎臓が働かず尿を作り出すことができなくなると、透析(とうせき)という治療が必要になりますが、透析を始めると高い確率でかゆみを訴えます。
透析とかゆみの関係ははっきりとしたことは分かっていませんが、尿毒素の問題や様々な合併症によるものが考えられています。
・甲状腺機能異常(こうじょうせんきのうこういじょう)…甲状腺の機能が高まる甲状腺機能亢進症では、その症状のひとつとして、かゆみがでることがあります。
また、甲状腺機能が低下する甲状腺機能低下症でも、皮膚の乾燥からかゆみが出ることがあります。
これら以外でも、内臓の病気の症状のひとつとして、かゆみが出ることがあります。
皮膚のかゆみの原因としてなぜストレスが考えられるの?
精神的なストレスもかゆみに関係しています。
下の図を見ながら説明していきましょう。
まず、脳がストレスを感じてしまうと、神経にもその刺激が伝わります。
そして、皮膚の神経の末端から「神経ペプチド」という物質が出てきます。
そして、その神経ペプチドは次に肥満細胞を刺激して、これがかゆみの原因となるヒスタミンという物質を促してしまいます。
このようにかゆみを感じていること自体が精神的なストレスとなり、かゆみをもっと悪化させてしまうのです。
よく、何かに夢中になっている時には、かゆみを忘れていられるのに、何もすることもなく暇な時にはかゆくてかゆくて溜まらないということがありますね。
このことは、精神的なストレスでかゆみがあるときによく見られる現象です。
皮膚のかゆみの原因についてのまとめ
今回はかゆみの原因について説明してきました。
では、まとめてみましょう。
皮膚科に行って診察してもらっても、原因不明のこともよくあります。
かゆみには皮膚の病気が原因となることもありますが、それ以外でも内臓の病気や精神的なストレスが原因であることも多いです。
かゆみはここで挙げたこと以外にも、原因として考えられることは本当にたくさんあります。
そして、病院でアレルギー反応などを血液検査などで調べてもらってもそれでもやはりわからないということもよくあることです。
ただ何かの原因で皮膚を掻きすぎたりすると、そのストレスでまた更にかゆみが増すので、せめてそのような悪循環にならないよう、なるべく気を逸らすなどして対応することが大切になってくるでしょう。