看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『心筋梗塞のカテーテルを使った治療方法や入院期間は?リハビリで予後も変わる?』というタイトルでお送りします。


狭心症や心筋梗塞という病気は、その症状もいつ襲ってくるかわからない、とても深刻な病気です。

特に心筋梗塞は、生命に関わる病気となるため、一刻も早い治療が必要になってきます。

心筋梗塞は生命に関わる病気

厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、平成27年の1年間の死因別死亡総数のうち、

心疾患(高血圧性を除く)…19万6,113人で死因別死亡数全体の15.2%を占めていて、悪性新生物(がん)に次ぐ2番目に多い数字となっています。

心疾患の死亡数では
急性心筋梗塞:3万7,222人
その他の虚血性心疾患(狭心症など):3万4,451人

となっています。

詳細は厚生労働省の「人口動態統計の概況」を参照してください。

性別にみた死因順位(第10位まで)別 死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei15/dl/10_h6.pdf

今回は、そんな死亡例も多い心疾患である狭心症や心筋梗塞のカテーテルを使った治療方法や入院期間などについて説明していきたいと思います。




 

心筋梗塞のカテーテルを使った治療とはどんな方法?

まずは、カテーテルという名前から説明していきたいと思います。

カテーテルとはなに?

カテーテルというのは、私達医療従事者の間ではとてもよく使う物品の名前なんです。

直径が数ミリ程度の柔らかめの管になっていて、鼻から痰(たん)などを吸引する時に使う「吸引カテーテル」や、膀胱から尿を出すために使う「尿道(にょうどう)バルンカテーテル」などカテーテルといっても色々な種類があります。

そして、今回説明するのは、心臓の治療に使う「心臓カテーテル」についてです。

下の画像のように血管カテーテルにも様々な形状のものがあります。

心筋梗塞のカテーテルを使った治療とは

この数ミリ程度の柔らかい管を使う治療のことを「カテーテル治療」と呼びます。

このカテーテルを使った治療方法の中でも最もよく施行されている治療方法が「ステント治療」と言われるものです。



心筋梗塞のステント治療とは?

ステント治療というのは、動脈硬化などで狭くなっている血管のステントと言う金属性の網のような形をした筒状のものを留置しておき、血液の流れを良くする治療方法です。

下の図にある治療前の動脈硬化を起こした(黄色い色のついた部分)ところは狭窄(きょうさく)と言って、血管が狭くなり血液の流れが悪くなっています。

心筋梗塞のステント治療とは

まず、狭窄を起こしている部分にカテーテルを通していき、

カテーテルに付属したステントの網状の管の部分を、狭くなった部分で止めて留置します。

そこでバルーンと言われる風船のようなものを膨らませて、ステントを一緒に膨らませて血管を押し広げます。

ステントを広げて血液の流れを確認したら、ステントのみを残してカテーテルを引き抜いてきます。

 

実際に挿入していくステントは下の画像のように本当に細い管のようなものです。

実際に挿入していくステント

このステント治療は、人間の身体の中に異物を入れるわけですから、異物を排除しようとして身体が反応してそのステントの部分に細胞が増殖してしまって、また再狭窄(さいきょうさく・再び血管が狭くなること)が起こる可能性があるのです。

ですので、最近ではその再狭窄を減らすため、薬剤溶出性ステント(やくざいようしゅつせい)と言われるものが主流となっています。

この薬剤溶出性ステントというのは、従来のステントの表面に細胞の増殖を抑える薬を塗っており、それが少しずつ溶けてきて、再狭窄を予防するといった効果があるのです。

しかし、薬剤溶出性ステントは、むき出しになった金属性のステントに血栓(けっせん・血の塊)が付着して、また血管が詰まったりする危険性もあります。

そのため、血液を固まりにくくするお薬の「抗血小板薬」を飲み続けていく必要があります。

では、このステント治療を行なった場合の入院期間はどれくらいなのでしょうか?



ステント治療を行なう場合の入院期間は?

ステント治療は、局所麻酔で行なわれますので、患者さんへの身体的負担も少ないものになります。

カテーテルを挿入できる血管は3つあります。

それは、下の図にあるように

  • 手首の血管
  • 肘のちょうど曲げるあたりの血管
  • 鼠径部(そけいぶ)といって、脚の付け根のあたり

これら3つのいずれかの血管から挿入していきます。

ステント治療を行なう場合の入院期間

そして、治療にかかる時間も1~2時間程度で終わり、入院期間も数日間で済みます。

特に痛みも少なく、造影剤を使うので少し胸がカーッと熱くなることがありますが、すぐに消失することが多くそれ程心配はしなくていいでしょう。

では、心筋梗塞の治療を行なったあとのリハビリで予後も変わってくるのかどうかについて説明していきたいと思います。

心筋梗塞治療後のリハビリで予後は変わってくる?

心筋梗塞の治療方法にはカテーテルを使ったステント治療や、心臓の血管の手術を行なうバイパス手術などがあります。

これらの治療を施行したあとで行なう心臓のリハビリというものがあるのですが、このリハビリを行なうことで予後は全く変わってきます。

心筋梗塞治療後のリハビリで予後

心臓リハビリテーションと言われる運動療法を数ヶ月間取り組んで行なうと、心臓病を再発したり死亡するリスクがかなり減ると言われているのです。

心臓のリハビリテーションの目的は、心筋梗塞などで心臓の機能が著しく低下した状態と、そのことで起こる全身の機能低下を回復し、再発の予防や新たな病気の発症を防いで社会に復帰することです。

特に心臓の病気を発症するケースでは、主に生活習慣病が原因となっていることが多いです。

ですので、上手に運動療法を取り入れていくことが大切になります。

心臓を安静にするために運動はしないほうが…と思うかもしれませんが、そのようなことは一切ありません。

ただ、手当たり次第にハードな運動をしてしまうと、心臓に負担をかけてしまい心臓病を悪化させてしまうかもしれませんので、なるべく負担をかけない運動の仕方をしないといけません。

心臓リハビリで行なう運動は、主に有酸素運動となりますが、その運動方法や程度などは患者さんによって違ってきます。

患者さんによって、かかった心臓病の程度やその時の心肺の機能などが違うので、医師に総合的に判断してもらって指導を受けることが大切です。

また、心臓リハビリテーションといっても運動だけではなく、心臓の病気に関する知識や食生活などの生活面での注意点等色々なことを知り学んでいくことが重要になります。

心臓の病気に関する知識や食生活などの生活面での注意点

そのため、病院の医師だけでなく、看護師・理学療法士・栄養士などから様々な面でのサポートを受けながら習得していく必要があります。

これらの心臓のリハビリは、例えば、心筋梗塞などで処置を受けた翌日から積極的に開始されることが多いです。

心臓リハビリに関する方法は治療を受けた病院で違っている部分もあると思いますので、適切な指導を受け早期に回復できるように取り組んでいくことが大切です。



心筋梗塞のカテーテルを使った治療などについてのまとめ

今回は心筋梗塞のカテーテルを使った治療方法などについて説明してきました。

では、まとめてみましょう。

心筋梗塞のカテーテルを使った治療方法はどんなもの?

動脈硬化などで詰まったり細くなった血管に、カテーテルと言われる細い管を挿入していき、ステントと言われる金属製の網のような筒の器具を留置して血管を拡げます。
そうすることで、流れが悪かった血管の血液を再度良くしていくのです。
この治療方法はステント治療と言われています。

 

ステント治療の期間はどれくらい?
ステント治療の処置にかかる時間は1~2時間程度です。
そして、入院期間も短く数日間程度で退院できます。
*心筋梗塞などの心臓病の処置や手術のあとはリハビリをすることで予後も変わってくる?
心臓病を起こしたあとに心臓リハビリを施行すると、再発や死亡率を下げると言われています。
心臓リハビリには、運動療法のみではなく、食事など生活面などの注意点を理解することも大切です。
心臓病にかかって処置をした際には医師の指示のもと、なるべく早くに適切な心臓リハビリを開始することが重要です。

 

心筋梗塞の治療にはこのようにカテーテルを使った治療方法の他に、血管のバイパス手術など色々あります。

ただ、どんな処置を受けようとも治療後のリハビリというのはとても重要になってきます。

治療後にまた心筋梗塞など同じ心臓病を繰り返さないように、そしてより快適な生活が送れるよう心臓リハビリに取り組んでいきましょう。