看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『子宮筋腫手術後は妊娠しやすい?妊娠タイミング(期間)はいつから?』というタイトルでお送りします。


子宮筋腫というのは、子宮にできる良性の腫瘍のことです。

筋腫が発生する原因はまだ解明されていませんが、筋腫が大きくなる原因として女性ホルモンが関係していると言われています。

ですので、この女性ホルモンが一番分泌されている性成熟期の女性に多く見られる病気となります。

そして、この性成熟期というのはちょうど女性が妊娠して出産を経験する時期にあたります。

子宮筋腫手術後は妊娠しやすい?

女性の子宮内の子宮筋腫ができる部分は、赤ちゃんが育つ部屋と同じところです。

なので、子宮筋腫があるかないかは、これから妊娠しようとしている人にとっては大問題です。

今回は子宮筋腫の手術をした後の妊娠に関して説明していきたいと思います。



 

子宮筋腫手術後は妊娠しやすい?

子宮筋腫を取り出す手術をした後に妊娠はしやすくなるのでしょうか?

一般には、子宮筋腫があっても全ての例が手術適応になるわけではありません。

子宮筋腫があるけども、自然に妊娠して出産したケースもたくさんあります。

ただ、子宮筋腫があることによって妊娠しにくくなっているケースであれば、手術によって筋腫を取り除けば妊娠しやすくなることがあります。

妊娠検査薬をもった女性の手

ならば妊娠する確率を数字で知りたいという方もいるでしょう。

例えば日本産婦人科学会からの文献(2005年9月)を紹介しますと、

「筋腫の手術後に妊娠する確率を46例の報告から集計を出したところ9.6~76.9%、と報告によっては大きな変動があったようですがその平均は48%であった」

とされています。

それにしても、9.6~76.9%とはかなり幅がありますね。

これは恐らく妊娠できない原因が子宮筋腫だけではなく、他にもたくさん原因があることが影響しているのでしょう。

筋腫だけではなく、精神的なストレスが大きかったり、男性の方に原因があったり、ということも考えられます。

そして、妊娠するまでには、女性の年齢や子宮の状態、卵子の状態、ホルモンのバランスやその他にもたくさんのことが関わってくるのです。

つまり、対象となる女性患者さんの身体の条件に違いがあり過ぎることで、データにばらつきが出てしまうのではないかと思います。

ですので、子宮筋腫の手術後に一概に妊娠しやすいとは言いきれないのです。

それでも今まで全く妊娠しなかったけど、子宮筋腫の手術後に早期に妊娠できたと言う人もいますので、希望を持って妊娠に臨むということは大切だと思います。

子宮筋腫の手術後に早期に妊娠
 

では、子宮筋腫を取り除く手術をした後、妊娠するタイミングはいつからなのでしょう?

子宮筋腫手術後から妊娠しても良いタイミング(期間)はいつから?

子宮筋腫の手術は、子宮にできた筋腫を取り除く手術になります。

そんな手術の後からいったいどれくらいの期間をあければ妊娠できるタイミングがくるのでしょうか?

それは、手術後からおよそ3~6ヶ月が経過してからです。

子宮筋腫手術後から妊娠しても良いタイミング(期間)

なぜそれくらいあけるのかについて説明していきましょう。

子宮筋腫の手術では、筋腫の種類や大きさ、程度によっては子宮内膜を深く切除しないといけない場合があります。

子宮筋腫は子宮の中のどんな部分にでもできます。

そしてできる場所で名前が違っていて、

  • 子宮の外側にできた漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
  • 子宮の筋層内にできた筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)
  • 子宮の内膜にできる粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)

 
このような種類の筋腫があります。

子宮筋腫ができる部分

特に上の図にある、筋層内筋腫や粘膜下筋腫などは手術で深い部分まで取り除いていきますので、手術後に子宮内膜自体が薄くなることがあります。

そのような子宮の内膜が薄い状態で、また傷も治っていない間にすぐに妊娠してしまうと胎児の成長に伴って、子宮内膜が伸びていき、子宮が裂けてしまうことがあるのです。

子宮が裂けてしまうような状態のことを「子宮破裂」と言います。

この子宮破裂した状態は赤ちゃんの命も危険ですし、母体も痛みや出血などでとても危険な状態になることがあります。

ですので、妊娠までの期間は子宮内の傷が癒える3~6ヶ月の期間はあけてください。

そして、人によって傷の治り具合も違ってくると思いますので、なるべく主治医の先生に妊娠タイミングについて確認したほうがいいと思います。

主治医の先生に妊娠タイミングについて確認
 

子宮筋腫の大きさや深さなどによって人それぞれ手術後の傷の状態は変わってきますし、子宮の中の状態が良いときを選んで妊娠したほうがいいですので、なるべく受診するようにしましょう。

子宮筋腫手術後の妊娠などについてのまとめ

今回は、子宮筋腫手術後の妊娠などについて説明してきました。

ではまとめてみましょう。

子宮筋腫手術後は妊娠しやすい?

子宮筋腫が原因で妊娠ができないということであれば、子宮筋腫の手術をすれば妊娠しやすくなるでしょう。

 

子宮筋腫手術後の妊娠のタイミング
手術後およそ3~6ヶ月の期間をあけるようにしましょう。

 

それは、手術によって子宮内膜が薄くなり、そこに胎児がどんどん成長していくことで子宮破裂の可能性があるからです。

手術の傷が癒える3~6ヶ月は妊娠はしないようにしましょう。
 

妊娠を考えている女性にとって、子宮筋腫の治療や妊娠についてはとてもシビアな問題です。

子宮筋腫の手術後に妊娠するかどうかは「妊娠しやすいですから頑張りましょう!」などと、無責任なことは言えません。

しかし、子宮筋腫の手術を受けることで妊娠できたケースは確実にありますので希望を持って妊娠に望むようにしましょう。