今回は、『子宮筋腫の原因は性行為(性交渉)のやりすぎ?ストレスや食事が原因なの?』というタイトルでお送りします。
子宮筋腫というのは、子宮の内部の筋肉にできる良性の腫瘍のことです。
この病気は、婦人科の病気の中では最も多い病気だと言われています。
一番多く発症するのは、30歳~50歳くらいの女性です。
そんな子宮筋腫とはどういった原因でできるのでしょうか?
今回は、子宮筋腫の原因について説明していきたいと思います。
子宮筋腫の原因は性行為(性交渉)のやりすぎ?
子宮筋腫は性行為(性交渉)のやりすぎが原因かどうかについては現在のところ、原因だとは考えられてはいません。
子宮筋腫というのは、その約95%は子宮体部というところにできます。
しかし、基本的に子宮筋腫は子宮のどこにでもできる可能性があります。
そして、その筋腫が膣のほうまで突出してくることがあるのです。
下の図でいうと、膣の方まで出てきた筋腫分娩(きんしゅぶんべん)という部分です。
そうなると、性行為(性交渉)をして男性器が膣内に挿入された時に、筋腫に当たって痛みを訴えることがあります。
ですので、子宮筋腫を発症していれば性行為の際に痛みを感じることはありますが、性行為が原因で子宮筋腫を発症することはないということです。
では、子宮筋腫の原因として、ストレスや食事などは関係しているのでしょうか?
子宮筋腫はストレスや食事が原因となる?
ストレスや食事など生活習慣が子宮筋腫の原因とは現在のところ考えられていません。
実は、子宮筋腫が発生する原因はまだ完全には解明されていません。
そんな中、子宮筋腫が大きくなる原因として女性ホルモンが関係していると言われています。
子宮筋腫は生理が始まる前に発症することはなく、閉経を迎える頃には小さくなっていくことが多いため、卵巣からの女性ホルモンが原因として考えられているわけです。
ですので、子宮筋腫を発症する年齢は、性成熟期である30歳~50歳代の女性が多く、更年期に入り女性ホルモンが減ってくると筋腫(発症していれば)が小さくなるといいます。
それならば、
「ストレスによって女性ホルモンのバランスが崩れることで、子宮筋腫が発生する原因になるのではないか」
と思う人もいるかもしれません。
確かにストレスというのは、自律神経のバランスを崩して、身体の免疫力や抵抗力を下げてしまい様々な病気にかかる危険性を持っています。
しかし今の段階では、ストレスが子宮筋腫の原因になるのかということについては、まだわかってはいないのです。
また、食生活などの生活習慣は子宮体がんや乳がんの原因としては考えられていますが、子宮筋腫の原因になるのかについてもまだ判明されていません。
何だか、原因として女性ホルモン以外にはわからないことだらけのような感じですが…
つまり、
ということになります。
ではここからは、子宮筋腫の原因として次のような言葉がよくネットで検索されているので、それら一つ一つを取り上げて説明していきたいと思います。
子宮筋腫の原因について
まずひとつめですが、子宮筋腫の原因として中絶は考えられるのでしょうか?
子宮筋腫の原因:人工妊娠中絶は考えられる?
今の段階では、人工妊娠中絶をすること、または過去に中絶をしたことが子宮筋腫を発生させる原因になるということは何の根拠もなく、子宮筋腫の原因とは考えられていません。
ただ、やはり中絶をするということは、子宮の中から胎児やそれに付属するものを掻き出すわけです。
そのことで子宮の中は傷つくわけですし、処置中に子宮に穿孔(せんこう・穴があいてしまうこと)を起こしたり、不妊症や流産のリスクも出てくるのです。
なので、子宮筋腫にならないからといって大丈夫ということではないということです。
では、処女であることは子宮筋腫の原因になるのでしょうか?
子宮筋腫の原因:処女であることは考えられる?
処女であることで、子宮筋腫など婦人科系の病気になりやすいのではないのか、という不安を抱えている人はネットを見ていてもたくさんいらっしゃるようですね。
しかし、処女であることが原因で子宮筋腫になるといったことは考えられていません。
実際に子宮筋腫になった人の中には、処女である人もそうでない人もいます。
処女であることが子宮筋腫の原因であることついては、何の根拠のない情報です。
次に、性病は子宮筋腫の原因として考えられるのかについて説明します。
子宮筋腫の原因:性病は考えられる?
子宮筋腫の原因として性病の存在は考えられていません。
女性がかかりやすい性病には、カンジダ症、クラミジア、トリコモナス膣炎など色々ありますが、これらの存在が子宮筋腫と関連している事実はありません。
反対に子宮筋腫があるからといって、性病にかかりやすいということもありません。
最後に冷えについてです。
子宮筋腫の原因:冷えは考えられる?
冷えというのは女性の大敵ですよね。
私も実はとても冷え症なのですが、先日の子宮がん検診では筋腫はありませんでした。
また、私の友人にも数名、子宮筋腫になっておりますが冷えの訴えはほとんどないです。
ですので、冷え性が子宮筋腫の原因になるとは限りません。
ただ、これまでにも述べてきたストレスや、冷えは身体にとっては好ましくない症状です。
ストレスや冷えは全身の血液の流れを滞らせて(とどこおらせて・よどんだり詰まったりすること)、身体の各臓器は機能が低下してしまいます。
ただこの状態が、子宮筋腫の原因になるかと言えばこれもやはり根拠はありません。
ですが、子宮にも同様に悪影響となるのであれば、ストレスや冷えはなるべく改善するようにしたいものです。
子宮筋腫の原因などについてのまとめ
今回は子宮筋腫の原因について説明してきました。
では、まとめてみましょう。
性行為のやり過ぎが子宮筋腫の原因になることは考えられていない。
ただ、性行為の際に男性器が当たる部位に筋腫ができていれば、痛みを感じる可能性がある。
ストレスは免疫力や抵抗力が低下し血液循環が悪くなるので、子宮にも悪影響だが、子宮筋腫の原因になるということは考えられていない。
食事内容など食生活が子宮筋腫の原因になるということはわかっておらず考えらていない。
子宮筋腫が発生する原因はまだはっきりと解明されていません。
そして、子宮筋腫が大きく成長する原因としては女性ホルモンの影響が関係していると言われています。
ですので、それ以外のことについては、どれもほとんどが考えられていないという説明となりました。
ただこの中でも、ストレスと冷えについては各臓器に悪い影響を与えるのは事実です。
なので、子宮筋腫の直接の原因にはならなくても、子宮にとっても好ましくないことなので改善していくようにしましょう。