看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『「親が認知症で悲しい」「親が認知症になったら見捨てる」という声も!』というタイトルでお送りします。


私の母も晩年は、認知症をわずらっていました。

肝臓の病気を持っていた母は最期の3年間ほどはほとんど入退院の繰り返しでした。

その間に認知症が徐々に進んでいったようです。

それを父がいつもそばで寄り添って、食事の世話から排泄に至るまで何から何まで介護をしていました。

そんな中、私の姉が40代後半で後腹膜線維症(こうふくまくせんいしょう)と言われる難病にかかり、姉もまた入退院を繰り返していて、家族全員にとってとても辛い時期がありました。

その後、姉は後腹膜線維症の治療中にすい臓がんが見つかり、51歳という若さでこの世を去ったんです。

当時、認知症だった母にはどうしても姉の死を告げられずにいました。

母はずっと最近面会に来ない姉を心配していましたが、姉が他界した半年後、娘のあとを追うように母もこの世を去りました。

どこかで、既に娘の死がわかっていたのかもしれません。

私達が告げなくても、何だかわかっていたような気がしてなりません。

でもそれは、残された私達にとってはもう分からないことです。

私もいずれ2人のいる世界にたどり着いた時には、確認してみようかな?と思っています。

少し長くなりましたが…

今回は、そんな私の母もかかっていた「認知症」についてお話したいと思います。



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「親が認知症で悲しい」「親が認知症になったら見捨てる」と言う声も!

親が認知症で悲しい

私の母もわずらった「認知症」という病気は家族にとっても、本人にとってもかなり辛い病気だと思います。

時々、認知症をわずらった方の家族と面接をすることがありますが、その時によく

「あんな元気だった父がこんな認知症になっちゃって本当に悲しい…」

「仕事で疲れて帰ってきたら、色んなところで排泄のあとがあって…もう限界だし見捨てたい…」

「本人は何もわかっていないんだから、つらくも悲しくもないよ…こっちは大変だけど…」

と言う家族がいます。

私は家族の立場も痛いほど経験しているので少しは気持ちがわかるつもりでいますから、

「確かになぁ、育ててくれた親の介護とは言え、毎日毎日仕事で疲れて帰ってきても休む暇なく食事の世話やお風呂まで入れて…そりゃ疲れるよなぁ…」

と、思うことも度々あります。


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家族と言っても、主に世話をする介護者は私の場合は父でしたが、夫婦のどちらかだったり、子供だったり孫だったり、もしくはお嫁さんだったり、それぞれの家族によって違うわけです。

そうすると、その立場によって考えること、感じることや思うことが変わってきます。

その介護者が、認知症の家族であるその人とどう関わってきたのか、どんな環境を共に過ごしてきたのかによって、その思いが違うのです。

子供であれば、年老いて小さくなった父に、昔よく怒られた怖かった頃の父の表情を思い浮かべながらご飯を食べさせたり…

もう何も自分でできない母親であれば、昔は料理から裁縫までなんでもこなし、自分の面倒を見てくれていた頃のことを思い出しながら身体を拭いてあげたり…

そして、「私はそんなに親切にしてもらった覚えはないけど、でも私が面倒みないともう誰もいないから…」

と必死で介護をするお嫁さんだったり…

本当に認知症の患者さんを取り巻く環境はまちまちです。

こうして、誰もがとても深い思いを抱えながら必死で介護しています。

ただ、いくらこれまで大切に育ててくれたご両親でも、認知症の患者さんを介護するということは、並大抵のことではありません。

親が認知症になったら見捨てるとうい人も

これまでの感謝の気持ちだけを一日中思い続けながら、人は穏やかな気持ちで介護はできません。

患者さんが何も面倒をかけずニコニコしている時には介護者は穏やかな気分になり、徘徊して家を出ようとすればヒヤヒヤして不安になったり、物を盗られたと騒げばイライラして怒ってみたり…。

介護者にもそんな感情の起伏があることで、やがてストレスも溜まってきて、心身ともに疲れきっていきます。

でもそれが普通の家庭の状態です。

認知症の患者さんを抱える家族の当たり前の状況だと思います。

これまでたくさん認知症である家族を抱えた介護者を見てきて、私も思うことがあります。

それは、認知症患者本人のことをとても真面目に考え、自分ができることや対応に悩んでいるからこそ、悲しくもなり、見捨てたいという思いにもなるのです。

でも、見捨てるわけにはいかないことは自分でも分かっています。

だから、ケアマネジャーに依頼して施設に入れようものなら、それは介護を放棄して見捨てたということと一緒になるんです。

そんな思いの狭間でもがいている人がとても多いように思います。

親が認知症で施設に入れるか悩む

私は認知症になった家族を恨むところまで、そして「殺したい」というところまで我慢して介護してはいけないと思います。

特に介護者が心身に疲れきった状況のもとで行われる介護は、介護する側もされる側にとってやがては壊滅的な状況に陥っていく可能性があると思います。

私がこれまでに見てきた中でも、家族が患者さんにきつくあたってしまって、暴力とまでいかなくても腕を強く押えてできた青アザだったり、皮膚がめくれて出血していたり、という状況は多くあります。

当たり前の話ですが、介護する側の人間は心身ともに健康でなければできません。

でも介護者1人だけで、ずっと身も心も健康なままで認知症患者の介護をするのには限界があります。
 

では、どうすればいいのでしょうか?
 

その1つの対応方法としては、ケアマネジャーに相談するという方法があります。

ケアマネジャーというのは、認知症の患者の家族から相談を受け、介護サービスの計画を作成して自治体や介護サービスの事業者との連携連絡と、調整をしてくれる介護支援専門員のことです。

お住いの市区町村の役所で相談すると、ケアマネジャーを紹介してもらえます。

そして、行政の行なっている介護サービスをどんどん使っていくことだと思います。次に説明します。


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親の介護に限界を感じる前に介護サービスを利用してみる

親の介護に限界を感じる前に介護サービスを利用

毎日の認知症の患者さんの介護というのは、もう休むことは許されない仕事のような感覚になっていきます。

そしてそれを続けていくのであれば、時に休日を設けることがとても大切になってきます。

誰でもない自分だけのために、心身ともに休める日を作ってあげるのです。

この自分へのケアがとても大切なんですね。

特に介護者が年配の方だと、ケアマネジャーや訪問介護の制度などを使うことに抵抗がある人が多いようです。

自分で認知症患者である家族の面倒を見ることを放棄した、とか、見捨ててしまうんだといった罪悪感を感じている人が多いのではないでしょうか?

また、近所の方の目を気にしたりしてしまうのでしょう。

実際、私の父も、母をデイサービスやショートステイに預けるまではそんな感覚だったと言っていました。

かなり長いこと1人で頑張って介護をしていたので、説得して介護サービスを利用するまでに相当時間がかかりましたから…。

でも介護サービスを利用して第三者に助けを求めるということは、介護を諦めたとか見捨てるとかいったそんなことでは一切ないのです。

恐らく、介護される認知症の患者さんももし正常な判断ができるならば、なるべく家族には迷惑かけたくはないと思っているのではないでしょうか。

実際に、疲れた身体で笑顔もなくオムツを換えてくれる家族に対して、気分のいい認知症の患者さんはいないのではないかと思います。

家族が負担を感じる前に、こうした行政の介護のサービスは是非利用して欲しいと思います。

家族が負担を感じる前に行政の介護のサービスは利用

例えば、ケアマネジャーに相談してデイケアサービスを利用してみたり、特別養護老人ホームのショートステイを利用してみるのもいいでしょう。

利用者の介護保険の範囲内で使える時間やサービスは様々ですが、それでも誰かの手を借りて助けてもらいながら介護をしていくのと、1人で頑張るのには大きな差があります。

そして、自分に時間ができて心に余裕ができれば、また患者さんにも笑顔で接することができるのではないでしょうか。

また、こんなメリットもあります。

認知症の患者さんにとって、毎日同じ顔ぶれの家族の中で生活をするよりも、外に出てたくさんの人と話したりレクリエーションなどをして笑い合うというのはとてもいいことなんです。

外に出てたくさんの人と話したりレクリエーションをして笑い合う認知症患者

色々な人と触れ合う刺激というのは、認知症の症状の進行を遅らせてくれることもあると言われています。

実際に老人ホームのショートステイを利用するようになって、笑顔が増えたと言われるケースも多くあるんです。

家族もそうして介護のサービスを利用することで、今まで1人で抱え込んできた様々な問題に対しても、色々なアドバイスをもらえたりして解決することも出てくると思います。

まずは、今住んでいる市町村の役所に出向いて相談してみてください。

きっと、今の状況は変わっていくはずです。

1人だけで抱え込まないで、介護をするために使えるサービスはどんどん使っていきましょう。


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親の認知症への介護に対する様々な思いに関するまとめ

今回は親など家族の認知症の介護に関する話しをしてきました。

では、まとめてみましょう。

親が認知症になった時、家族だけで介護していくのは本当に大変です。

認知症の症状が強くなればなるほど、その世話も大変になるので介護者の負担もかなりのものになります。

そのような状態で介護していくと心身ともにストレスがかかり疲れてしまいますので、家族が負担を感じる前に、区役所等に出向き受けられる介護サービスはどんどん利用していきましょう。

どんどん高齢化が進む中、それに伴い認知症の患者さんも増えていきます。

それに加えて、患者数は少なくても若年性認知症の患者さんの存在を考えると、家族だけで抱え込む介護には当然限界があります。

認知症の患者さんの介護への問題は、社会全体で支えていかなければならない問題だと思います。

認知症に患者さんに対する社会のサポート体制の内容を知って、家族の中だけで抱え込まないようにしていってくださいね^^