こんにちは、現役看護師のミカです。今回は、『水いぼの子供の治療方法は?ピンセット・液体窒素・塗り薬と、顔にイソジンや木酢液を使う前に』というタイトルでお送りします。
水いぼは、医学用語では伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)といい、子供に多い皮膚の感染症です。
この記事では、日本皮膚科学会の皮膚科Q&A、京都市・東京都の資料、PMDAに掲載されている添付文書に書かれている範囲で、水いぼの治療方法を整理します(2026年10月16日確認)。
診断や治療の方針、薬の使い方は、皮膚科の医師・薬剤師の指示に従ってください。
水いぼ(伝染性軟属腫)とは
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、水いぼについて次のように説明しています。
- 原因は、伝染性軟属腫ウイルス(普通のイボを起こすヒト乳頭腫ウイルスとは別のウイルス)
- 表面がつるつるして光沢のある、直径数mmから5mmくらいの小さな盛り上がりで、てっぺんが少し凹んでいるのが特徴
- 体にできることが多い。手のひらや足の裏にできたのを見たことはない、とされている
- ウイルスの接触感染でうつる
京都市と東京都の資料は、7歳以下の子供に多いこと、潜伏期間は京都市の資料で14〜50日、東京都の資料で2〜7週間(6か月のこともある)であることを示しています。
京都市の資料は、水いぼにかゆみや痛みはないと書いています。
出典:京都市保健福祉局衛生環境研究所「水いぼ(伝染性軟属腫)」(平成28年6月編集)、東京都保健医療局の資料「みずいぼ(伝染性軟属腫)」(疾病別の対策編 69〜70頁、2025年3月24日掲載分)
自然に治る? 治療するかどうかは医師で考え方が分かれる
京都市の資料は、個人差があるものの6か月〜3年ぐらいで自然に治るとしています。ただし、その間に水いぼの数が増えるおそれがあるとも書いています。
東京都の資料も、6か月〜3年ほどで免疫ができて自然に消えるため、そのまま様子を見ることもあるとし、医師によく相談するよう呼びかけています。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、治療の考え方について、次のように説明しています。
- ミズイボの治療については、専門家の間でも意見が分かれる
- ミズイボは自然に治ることも多い病気なので、時間は少しかかっても塗り薬などを用いた痛みの少ない方法で治療すべきだという考えがある
- 放っておいてもよいという考えの医師もいる
- このQ&Aを書いた皮膚科医は、様子を見ているうちに数がとても多くなって結局ミズイボとりをすることになる例や、周りの湿疹が悪化したり、とびひを引き起こしたり、他の子供たちにうつしたりする可能性を挙げ、個人的な意見として、なるべく数が少ないうちに治療したほうがよいと考えていると書いている
最終的な方針は、医師と保護者の考え方によって決まるとされています。
出典:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q8、京都市保健福祉局衛生環境研究所「水いぼ(伝染性軟属腫)」(平成28年6月編集)、東京都保健医療局の資料「みずいぼ(伝染性軟属腫)」(疾病別の対策編 69〜70頁、2025年3月24日掲載分)
子供の水いぼの治療方法
ピンセットで取る(ミズイボとり)・液体窒素で凍らせる
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、小さなピンセットやリングピンセットで水いぼをつまんで、中の小さな白い塊を出す「ミズイボとり」を、最も簡単で一般的な治療法としています。
このほかに、イボと同じように冷凍凝固療法(液体窒素を使う方法)を行うこともあります。
どちらも極めて有効な治療法とされる一方で、多くは子供である患者に、痛みや精神的苦痛を強いることが欠点とされています。


麻酔のテープ
東京都の資料は、痛くないように麻酔のシールを皮膚に貼ってから、専用のピンセットで内容物を出すことがあると書いています。
PMDAに掲載されているペンレステープ18mg(有効成分リドカイン)の添付文書には、効能・効果に「伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和」があります。用法・用量と注意として、次のことが書かれています。
- 小児には、1回2枚までを、摘除する予定の部位に約1時間貼る
- 水いぼの部位に合わせて、適切な大きさに切って貼る
- はがした後は、直ちに処置をする
- 湿疹や発疹の部位、損傷した皮膚には使用しない
- 禁忌:この薬の成分やアミド型局所麻酔薬で過敏症を起こしたことがある人
痛みがどの程度やわらぐかは、ここで引いた資料には書かれていません。使い方は医師の指示に従ってください。
出典:東京都保健医療局の資料「みずいぼ(伝染性軟属腫)」(疾病別の対策編 69〜70頁、2025年3月24日掲載分)、PMDA掲載の添付文書「ペンレステープ18mg」(マルホ、2026年8月改訂・第2版)
塗り薬(ワイキャンス外用液)
2026年2月に発売された「ワイキャンス外用液0.71%」(有効成分カンタリジン)は、効能・効果が「伝染性軟属腫」の処方箋医薬品です。添付文書には、次のことが書かれています。
- 成人と2歳以上の小児に、3週間に1回、患部に適量を塗る。塗って16〜24時間後に、石鹸を使って水で洗い流す
- 8回の投与までに治療反応が得られない場合は、他の治療法を考える。8回を超える投与経験はない
- 医療従事者が患者に塗る薬で、患部にだけ塗る。眼、眼の周囲、粘膜には使わない
- 塗った部位に激しい痛みなどが出たときは、16〜24時間たつ前でも石鹸で洗い流し、すぐに医師等に相談する
- 塗った部位には、洗い流すまで、触ったり、なめたり、かんだり、クリームやローションを塗ったりしない
- 副作用(頻度が10%以上のもの):適用部位の小水疱(95.7%)、痂皮(90.2%)、紅斑(87.9%)、そう痒感(70.3%)、びらん(62.5%)、変色(55.9%)、皮膚剥脱(35.5%)、疼痛(79.7%)、浮腫(22.7%)
- 2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は行われていない
2歳以上の患者を対象にしたプラセボ対照の臨床試験では、塗り始めて12週の時点で、治療できる病変がすべて消えた人の割合は、この薬の群で50.0%(74/148例)、プラセボの群で23.2%(36/155例)でした。同じ試験で、12週時までに副作用が出た人は、この薬の群で99.3%(147/148例)で、主なものは適用部位の小水疱(98.0%)、痂皮(93.2%)、紅斑(89.9%)、疼痛(86.5%)、そう痒感(77.0%)でした。
出典:PMDA掲載の添付文書「ワイキャンス外用液0.71%」(鳥居薬品、2026年6月改訂・第4版)
顔の水いぼにイソジンや木酢液を使っても大丈夫?
「顔でもイソジンや木酢液を使っても大丈夫か」という疑問については、次のとおりです。
今回、日本皮膚科学会の皮膚科Q&A、京都市・東京都の資料、ワイキャンス外用液とペンレステープの添付文書を確認しましたが、水いぼの治療としてイソジンや木酢液を挙げている記載は見つかりませんでした。顔に塗ってよいことを示す記載も、確認できませんでした。
そのため、この記事では、イソジンや木酢液を水いぼに使う方法や、顔に塗っても大丈夫かどうかは案内しません。
お子さんの水いぼに何かを塗りたいときは、自己判断で市販品や家にあるものを使わず、皮膚科の医師・薬剤師に相談してください。
顔や目の周りの水いぼも同じです。なお、前の項のワイキャンス外用液は、眼や眼の周囲には使わないと添付文書に書かれています。
出典:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「イボとミズイボ、ウオノメとタコ―どう違うのですか?―」、京都市保健福祉局衛生環境研究所「水いぼ(伝染性軟属腫)」(平成28年6月編集)、東京都保健医療局の資料「みずいぼ(伝染性軟属腫)」(疾病別の対策編 69〜70頁、2025年3月24日掲載分)、PMDA掲載の添付文書「ワイキャンス外用液0.71%」(鳥居薬品、2026年6月改訂・第4版)、PMDA掲載の添付文書「ペンレステープ18mg」(マルホ、2026年8月改訂・第2版)
プールと、家族・周りの子へのうつし方
- 水いぼはウイルスの接触感染でうつる(日本皮膚科学会)
- 京都市と東京都の資料は、プールの水ではうつらないが、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがあるので、症状のある人との共用はできるだけ避けるよう書いている
- プールの後は、シャワーで肌をきれいに洗う(京都市・東京都・日本皮膚科学会)
- 京都市の資料は、兄弟や家族がかかったら、タオルを別にし、直接肌が触れないようにするよう書いている
- 東京都の資料は、いぼは触らないようにし、つぶれると出てくる白い芯のようなかたまりには病原体が多く含まれるので特に気を付けるよう書いている。登校・登園を控える必要はないとも書いている
- 日本皮膚科学会は、ミズイボがあるときに治療してからでないとプールに入れてもらえないことがあると書いている
予防については、日本皮膚科学会が、水いぼに対する予防ワクチンはなく、アトピー性皮膚炎があると水いぼにかかりやすく、ひどくなりやすいと書いています。京都市と東京都の資料は、保湿剤などによるスキンケアで肌のバリア機能を保つよう勧めています。
出典:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q9、同 Q10、京都市保健福祉局衛生環境研究所「水いぼ(伝染性軟属腫)」(平成28年6月編集)、東京都保健医療局の資料「みずいぼ(伝染性軟属腫)」(疾病別の対策編 69〜70頁、2025年3月24日掲載分)
まとめと受診の目安
- 水いぼは、6か月〜3年ぐらいで自然に治るとされるが、その間に数が増えることがある(京都市)
- 治療には、ピンセットで取る方法、液体窒素で凍らせる方法、麻酔のテープを使う方法、医師が塗る塗り薬などがある。治療するか様子を見るかは、医師と保護者で相談して決める(日本皮膚科学会)
- 放置すると、数が増えたり、湿疹やとびひを起こしたりすることがあると、日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aの筆者(皮膚科医)は個人的な意見として書いている。京都市は、数が少ないうちに皮膚科を受診するよう勧めている
- イソジンや木酢液を水いぼの治療として挙げている公的資料は、今回確認した範囲では見つからなかった。自己判断で塗らず、皮膚科の医師・薬剤師に相談する
