看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『痔の種類の見分け方がわからない?症状を画像で説明!薬など治療法も』というタイトルでお送りします。


男女問わず、痔の症状には悩まされている方が多いのではないでしょうか?

そして、痔にも色々なタイプがあり、それぞれ原因とか症状、治療などが違います。

でも、自分がどんなタイプの痔なのかは、よく分からないし、困っている人は多いと思います。

そして、私自身も痔の症状を持つ経験者なので、患者さんの気持ちと、医療従事者としての意見と、両方の経験が少しでも役に立てばと思っています。

今回は、痔の種類の見分け方、またそれぞれの症状や治療について説明していきたいと思います。



 

痔の種類の見分け方

痔には次のような種類があります。

・内痔核 (ないじかく)
・外痔核 (がいじかく)
・裂肛  (れっこう・切れ痔)
・痔瘻  (じろう)

 

の4種類です。

ひとつずつ、痔の見分け方がわかるように、症状と共に薬や治療法も一緒に説明していきましょう。

まずは、それぞれの種類をまとめた画像(肛門の解剖図)を見ながら説明していきます。

痔の種類の見分け方

内痔核(ないじかく)の症状と治療方法

肛門のすぐ上の付近の腸を直腸(ちょくちょう)と言います。

この直腸の下や肛門付近にある静脈などを含めた、排便などをする際に肛門を開けたり閉じたりする部分がうっ血状態となり、表面が膨らんでできたイボのようなものを痔核と言います。

内痔核の症状と治療方法

そして、この痔核が、上の図にある歯状線(直腸と肛門の接合部にある線)より内側にできたものを内痔核と言います。

内痔核の原因

  • なかなか出てこない便を出そうとしていきむ
  • なかなか出ないので、長い時間便器に座っている
  • スポーツをした時などに力が入ってしまう
  • 刺激物やアルコールなどの過剰な摂取による下痢
  • 身体の冷え

など。

内痔核の症状

  • 排便時の出血
  • 痛みは感じないことが多い
  • 痔核が肛門から外に飛び出ていることもある
  • 進行すると、最初は指で中におさまっていた痔核がもうおさまらなくなるため異物感を感じる

など。

内痔核の治療法

まだ痔核が小さくて、軽い症状であれば、肛門周囲の血液の流れをよくする飲み薬や座薬を使い、便秘にならないように便を柔らかくする飲み薬などを使用します。

それ以外では、硬化療法と言って、注射で痔核を固めてしまう方法もあります。

痔核自体には痛覚がないので、注射をしても痛みはありません。

そして、イボが大きくなった場合にする治療としては、結紮療法があります。

これは、イボの根本をゴムのようなもので縛って、血流を途絶えさせて、やがては脱落させる方法です。

大きくなってしまうと、徐々に処置の際、痛みを伴ったりしますので、なるべく早めに受診しましょう。



外痔核(がいじかく)の症状と治療方法

痔核が、肛門の歯状線より外側にできたものを外痔核と言います。

肛門の外側に血豆ができたような状態です。

外痔核の原因

  • 便秘
  • 下痢
  • アルコールや刺激物の摂りすぎ
  • 冷え
  • ストレス
  • 長時間の歩行や座りっぱなし

など。

外痔核の症状

  • 肛門周囲に硬めのしこりのようなものを感じる
  • 痛みを感じる
  • 血豆のようなものが破裂すれば出血する

など。

外痔核の治療法

まだ初期段階で、それほど痛みもなく出血もなければ、炎症を抑える座薬や軟膏などで治療します。

痛みや出血もひどくなるようなら、内痔核と同様にイボの部分の結紮療法をします。

これも、イボの根本をゴムのようなもので縛って結紮して、脱落させる方法です。

裂肛(れっこう)の症状と治療方法

裂肛れっこうの症状と治療方法
が切れたり、避けたりした状態です。

裂肛の原因

便秘がちな女性に多いと言われています。

便秘などで、硬い便を無理に出そうとして切れることが多いです。

私は裂肛を経験していますが、私も全く便秘ではなくて、どちらかと言うと下痢のほうが多かったんです。

そんな下痢も慢性的になると、それが炎症のきっかけとなって、切れ痔となるようです。

裂肛の症状

  • 排便の時の激しい痛み
  • 排便の時の出血
  • 排便後も少し痛みが続くことがある
  • 症状を繰り返して悪化していくと、裂け目が深くなり、炎症がひどくなって潰瘍(かいよう・皮膚がただれてしまう)ができたり、肛門狭窄(こうもんきょうさく・肛門が狭くなる)が起こることもある

など。

裂肛の治療法

まだ初期段階で、症状が軽ければ、傷の治りを促進して、感染を防止しながら炎症を抑えたりする座薬や軟膏を使ったり、便が柔らかくなる飲み薬で様子をみます。

なるべく、肛門に負担のかからないような生活が大切になってきます。

そして、もし、裂肛が悪化してきて、潰瘍ができて、肛門が狭く、硬くなってしまったら、その狭さと硬さを取り除いて、柔らかくするための手術をします。

私の場合には、なかなか受診する機会がなく、日を追うごとに排便時の痛みや出血がひどくなっていきました。

そして、ついに便を出さなくても、排尿するだけでも出血するようになったのです。

普段から、排便時以外でも痛みはあって、泣きそうでした。

それでも、まだ座薬や飲み薬などでしっかり治療して、炎症も治まり、ほんの数日で出血や痛みは消えました。

ひどくならなくて、良かったと思っています。



痔瘻(じろう)の症状と治療方法

痔瘻とは、歯状線がある部位に、下痢などの時に大腸菌などが入って細菌感染をすると、炎症が起こり、化膿して膿(のう・うみ)が溜まります。

これを、肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)と言います。

そして、この症状を繰り返すと、膿が皮膚を突き破って、流れ出るまで1本の管(トンネル)を作って貫通させます。

これを、痔瘻と言います。

痔瘻の症状と治療方法

痔瘻の原因

原因は、下痢やストレスなどの免疫力の低下などです。

痔瘻の症状

肛門周囲膿瘍の段階では

  • 肛門周囲の皮膚が炎症で腫れてくる
  • 激しい痛みが出る
  • 高熱が出る

などで、進行して、肛門の中で破けて膿が出て、出口を作って外部に膿が出てくれば腫れや痛み、熱などの症状が治まってきます。

一度のみならず、繰り返すことが多いです。

痔瘻の治療法

痔瘻を治すには手術しかありません。

すぐに、膿が溜まった部分を切開して、膿を出します。

そして、その後は細菌に効果のある抗生物質や痛み止めなどの飲み薬で様子をみます。

以上が痔のそれぞれの症状、原因、治療法です。

痔の種類の見分け方や症状などについてのまとめ

今回は痔の種類、4つのそれぞれの症状などについてまとめてみました。

痔の種類をまとめておきます。痔には…

・内痔核 (ないじかく)
・外痔核 (がいじかく)
・裂肛  (れっこう・切れ痔)
・痔瘻  (じろう)

 
の4種類があります。

排便については、毎日のことですし、毎回毎回痛みや出血を繰り返すのはとても苦痛なことです。

肛門を診てもらうというのは、少し抵抗があるかもしれませんが、症状が出たらなるべく早めに受診しましょう。