看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『エイズとHIV感染症の違いは?症状や検査方法など正しい基礎知識を紹介!』というタイトルでお送りします。


HIVやエイズなどといった感染症と言っても、詳しく知っている人はまだまだ少ないのではないでしょうか。

HIV感染、エイズ患者数の現状はこのようになっています。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると…

2016年の1年間で新たにHIVに感染した人は180万人、
更にエイズによる死亡者数は100万人

と報告されており、2016年末でのHIVの陽性患者数は世界で3670万人となっています。

参照:国連合同エイズ計画(UNAIDS)
http://api-net.jfap.or.jp/status/pdf/fact-sheet_2017-July.pdf

 

そして、日本に関してですが、厚生労働省エイズ動向委員会の発表によりますと、

2016年の1年間に新たにHIVに感染した人は1011件、
エイズ患者数は437件であり、両者合わせた新規報告件数は1,448件でした。

参照:厚生労働省エイズ動向委員会より
http://api-net.jfap.or.jp/status/2016/16nenpo/h28gaiyo.pdf

 

これらHIV感染者数、そしてエイズ患者数は2007年以降ずっと横ばい状態が続いている状態です。

もし、まだ受診していない患者がいることを考えれば、今後これ以上増えることはあっても減ることは考えにくいのではないでしょうか。

今回はそんな性感染症であるHIVとAIDS(エイズ)の違いなどについて、正しい基礎知識を説明していきたいと思います。



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エイズとHIV感染症の違いは?

HIV感染症というのは、エイズのことだと思っている人は多いのではないでしょうか。

私がこれらの病気の存在を知った頃、私自身もほぼ同じ病気を指すのだと単純に思っていました。

でも、HIVとAIDS(エイズ)というのは、少しばかり意味が違うのです。

HIVというのは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルス の頭文字をとった略称です。

そして、AIDS(エイズ)というのは、Acquired Immunodeficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)の略称です。

つまり、エイズは病気の名前のことを言い、HIVというのはエイズを発症させる原因となるウイルスの名前なのです。

ですので、HIVウイルスに感染した=エイズになった、ということではありません。

では、HIVウイルスに感染してしまった経過の中で、発症する可能性のある病気がエイズなのです。
 

ではHIVウイルスの基礎知識を説明していきたいと思います。

そもそもウイルスというのは、細菌や真菌のように自分で外部から栄養分を吸収して増殖していくことはできません。

ウイルスは生きた細胞の中でしか増殖できません。

なので、HIVウイルスがヒトに感染すると「CD4陽性Tリンパ球」という細胞に住み込み増殖していくのです。

そして、ウイルスはその数を増やしていき、やがてはCD4陽性Tリンパ球を破壊していきます。

エイズとHIV感染症の違い

このCD4陽性Tリンパ球という細胞は、身体の免疫機能を維持して色々なウイルスと戦ってくれる免疫の司令塔のような細胞なのです。

ですので、そのCD4陽性Tリンパ球が破壊され数が減ってしまうと当然、免疫力が低下していきます。

感染してもそのまま何も治療を受けなければ、免疫力は少しずつ低下していきやがてエイズを発症すると言われているのです。

では、次にAIDS(エイズ)という病気についてもう少し詳しく説明していきましょう。
 

HIVウイルスに感染しただけでは無症状の人もいますが、CD4陽性Tリンパ球の数が少なくなってしまい免疫力が低下していくと、健康な時には問題のないような細菌やウイルスへの抵抗力がなくなり、それが原因で様々な感染症を引き起こしてしまいます。

この感染症のことを「日和見感染症(ひよりみかんせんしょう)」と言いますが、これは自分がもともと持っている菌やウイルスなどによって引き起こされます。

そして、厚生労働省が定めた23の日和見感染症を含む合併症のうち、いずれかを発症してしまった時に
「AIDS(エイズ)」と診断されるのです。

23の病気には少し難しい名前ばかりですが、次の表のようなものがあります。

エイズ発症と定義冴える23指標疾患

そして、私達の身体を細菌やウイルスから守ってくれるCD4陽性Tリンパ球ですが、このリンパ球の数から注意しないといけない日和見感染症がある程度わかってきます。

CD4陽性Tリンパ球は健康なときには(血液1mm3あたり)約700?1500あります。

そしてHIVウイルスに感染してCD4陽性Tリンパ球数が減っていき200を下回ると、下図のようにさまざまな日和見感染症や合併症が 現れる可能性があるのです。

日和見感染症や合併症が 現れる可能性がある

では、HIVウイルスに感染してしまった場合にはどんな症状や検査があるのでしょうか?
 

検査

エイズ・HIV感染症の症状は?

HIVの感染源となるのは、精液・膣分泌液・血液・母乳などです。

その感染経路は、性行為による感染や血液を介した感染・母子感染です。

HIVウイルスを含む精液・膣分泌液・血液などが性行為によって相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口から身体の中に入ってしまい感染します。

HIVウイルスに感染すると、感染してから2~4週目の間にウイルスが急激に増殖していきます。

この時期、風邪やインフルエンザに似た症状が出ます。

例えば、

  • 発熱
  • 喉の痛み
  • リンパ節の腫れ
  • 筋肉痛
  • 全身倦怠感(だるい感じ)
  • 下痢
  • 発疹

などです。

そして、これらの症状は数日から数週間で自然になくなっていきます。

上記の急性期の時期を過ぎるとかなり個人差がありますが、次に特に何も症状がない時期が数年から10年程度続くのです。

この時期は自覚症状がないために、HIV検査を受けない限り感染しているのかどうかなんてわかりません。

しかし、身体の中ではHIVウイルスが増え続けているのでCD4陽性Tリンパ球数は徐々に低下していき免疫力が下がってきます。

そして、少しずつ免疫が低下していくことで下痢が続いて体重減少などの症状が出てきたり、カンジダ症や帯状疱疹などの病気にかかりやすくなります。

では検査はどんな検査になるのでしょうか?
 

検査

エイズ・HIV感染症の検査方法は?

検査方法は採血検査です。

感染が考えれる場合には、まずは早めに相談して検査を受けましょう。

相談はお住いの地区の保健センターや保健福祉センターなどの窓口でできます。

検査等は匿名でできますし、名前や住所などのプライベートな内容を知らせる必要はありません。

そして、費用も原則として無料です。

検査の日時などについては、前もって保健福祉センターなど保健所に問い合わせてみましょう。

また、HIVの検査は採血ですが、血液中にHIVの抗体ができるのに約6~8週間かかります。

ですので、それ以上経過してから検査を受けると正確なデータが得られるでしょう。

エイズとHIV感染症の違いについてのまとめ

今回はエイズとHIV感染症の違いなどについて説明してきました。

では、まとめてみましょう。

エイズとHIV感染症の違いは?
HIVというのは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルス の頭文字をとった略称です。
そして、AIDS(エイズ)というのは、Acquired Immunodeficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)の略称です。
つまり、エイズは病気の名前のことを言い、HIVというのはエイズを発症させる原因となるウイルスの名前なのです。
HIVウイルスに感染した=エイズになった、ということではありません。
HIVウイルスに感染してしまった経過の中で、発症する可能性のある病気がエイズです。

 

エイズ・HIV感染症の症状や検査は?
HIVウイルスに感染すると、感染後2~4週目の間にウイルスが急激に増殖していきます。
この時期、風邪やインフルエンザに似た症状が出ます。

  • 発熱
  • 喉の痛み
  • 筋肉痛
  • 全身倦怠感(だるい感じ)
  • 下痢
  • 発疹

 
などです。

そして、検査方法というのは、採血検査です。

HIVの抗体は約6~8週間くらいでできるので、その後に検査を行なうことをおすすめします。

またHIV検査はお住いの地域の保健所等で匿名、無料でできるので、自覚症状のある人は早めに相談、または受診するようにしましょう。

HIVに感染しても、最初の頃にインフルエンザに似たような症状があるだけ…と聞くと本当に自分が気づけるのか不安ですよね。

それに、少し症状が改善してしまえばやっぱり風邪だったんだと様子をみてしまいそうです。

ですが、HIVの感染をなるべく早く知ることは、それ以上他の人にHIVを感染させないためには重要なことです。

自分でなにか心当たりがあるときはもちろん、ただ単に「ちょっと不安だな…」と自分で思うことがあるのならば早めに検査、治療を受けるようにしましょう。