看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『蜂窩織炎の治療は何科で受ける?入院は必要?治療方法と治療期間を紹介!』というタイトルでお送りします。


私はこれまでに蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症してしまった患者さんとたくさん接してきましたが、ほとんどの方が素早い治療を受けることで症状が改善していきます。

しかし、蜂窩織炎は、抵抗力や免疫力が低下していたり何もせずに放置してしまうと、どんどん症状が悪化してしまう可能性がある病気です。

今回は蜂窩織炎の治療は何科で受けるのか、治療方法はどのようなことをするのかなどについて説明していきたいと思います。

治療に関する説明の前に、蜂窩織炎の症状はどんなものなのかについて知りたい場合には、蜂窩織炎の症状についての記事をご参照ください。

 



 

蜂窩織炎の治療は何科で受ける?

蜂窩織炎は、皮膚にできた傷などから細菌が侵入して、皮下の深い部分である皮下脂肪組織まで炎症が及ぶ病気です。

皮膚の病気ですので、まずは皮膚科を受診してみてください。

蜂窩織炎の治療は何科 皮膚科

もし、近くに皮膚科がないという場合には、内科や外科や整形外科でも診察はしてくれますので、必ず診察に行くようにしてください。

皮膚科がないからといって、なかなか受診せずにいると症状が悪化してしまいます。

なるべく早めに受診するようにしましょう。
 

では、蜂窩織炎の治療を受けるのに入院は必要なのでしょうか?

蜂窩織炎の治療を受けるのに入院は必要?

蜂窩織炎は症状が出始めた頃になるべく早くに受診すれば、ほとんどの場合は早期に治療を開始できて入院の必要はなく、外来のみで治療を受けることができます。

しかし、次のようなケースでは入院治療を勧められることがあります。

  • 他の病気があり免疫力が低下していて症状の悪化が考えられる場合
  • 患部への血液の流れが悪いなど症状を悪化させてしまう条件がある場合
  • 高齢者の方で病状が悪化してしまう恐れがある場合

 
などです。

また、人によっては、短い時間で急速に症状が悪化するケースもあります。

症状が悪化してしまい、全身の状態も悪いケースでは患部を切断しないといけない場合もあります。

そういった場合はもちろん入院治療となります。

人によって状況が異なりますので、「このような傷の場合だと入院による治療が必要です」と言うのは難しいです。

ただ、悪化が考えられる場合でなければ入院の必要はないと考えて良いと思います。

医師は傷の状態や他の症状、そして全身の状態などを総合的に診て、外来通院での治療にするのか入院治療を勧めるのかを判断します。

「まだそんなに痛くないから」、とか「そんなに腫れが強くないから」といった個人的な判断で受診を延ばし延ばしにしてしまうと、急激に悪化してしまう恐れがありますので早めに受診してくださいね。
 

では、蜂窩織炎の治療方法について説明していきましょう。
 



蜂窩織炎の治療方法は?

蜂窩織炎の治療方法は主に抗生剤による内服治療です。

蜂窩織炎の治療方法は内服治療

抗生剤の内服による治療で、外来で必要日数分のお薬が処方されます。
 

また、自宅では炎症の出ている部位を安静に保ち冷やすよう指導されます。

炎症が起きている部位は熱を持っていますので、例えば、アイスノンや氷枕、保冷剤をタオルなど布で巻いて当てておくといいでしょう。

蜂窩織炎の炎症はアイスノンや氷枕で治療

また冷湿布などは皮膚にピタッとくっついてしまい、剥がすときに皮膚が一緒に剥がれてしまう可能性があります。ですので、湿布類は使わないほうがいいと思います。

また、患部の皮膚は張っていて、とても傷つきやすくなっていますので、傷がつかないように注意してください。
 

では、抗生剤の内服薬が処方された場合の治療期間はどれくらいになるのでしょうか?

蜂窩織炎の治療期間はどれくらい?

蜂窩織炎で抗生剤の内服薬が処方された場合、その治療期間はおよそ2週間程度です。

治療の間は、炎症の程度などによって何回かの通院が必要になる場合もあります。

また、症状が改善しない場合には抗生剤の種類が変更されることもあります。

抗生剤の内服薬が効き始めると、徐々に症状は改善していきますが、再発を防ぐために抗生剤は飲み続けることが多く、合計2週間くらい服用することになります。

もし、抗生物質の内服で改善が見られず、患部の状態が悪化した場合には入院治療が必要になることもあります。

その場合には、患部に何らかの処置をするのか、手術による切断をするのか、その治療内容によって治療期間は大きく変わってきます。

蜂窩織炎の治療についてのまとめ

今回は蜂窩織炎の治療について色々説明してきました。

では、まとめてみましょう。

蜂窩織炎の治療は何科で受ける?
蜂窩織炎は皮膚の病気になりますので、皮膚科受診をおすすめします。
しかし、もし近くに皮膚科がない場合は、内科・外科や整形外科などでも診てくれますので、早めに受診するようにしましょう。

 

治療に入院は必要?
蜂窩織炎は早めに受診し、早期治療を行えば改善していくケースも多いです。
しかし、人によっては悪化することが予想されたり、既に急速に症状が悪化した場合は入院が必要となることもあります。

 

治療方法・治療期間は?
蜂窩織炎の治療方法は、主に抗生物質の飲み薬です。
その治療期間はおよそ2週間程度でしょう。
それで改善が見られない、または症状の悪化が見られる場合には入院治療が必要になります。
その際は入院して行われる処置や手術などによって治療期間は変わってきます。

 

蜂窩織炎は一般的な症状や治療方法があったとしても、患者さんによってその内容よりも軽い症状で済んだり、もっと悪化していったりと病気の進み方がそれぞれ全く違います。

ですので、やはりその症状を軽くみたり、受診を後回しにしたりせずになるべく早期に受診し治療を受けるようにしましょう。