今回は、『大人の麻疹(はしか)の症状は発疹やかゆみ?写真と一緒に説明!』というタイトルでお送りします。
2018年4月に入り、沖縄で麻疹(はしか)の感染者が増加しているというニュースが入ってきました。
はしか全国拡大に注意を 沖縄で流行、厚労省
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29344420T10C18A4CR0000
日本では、麻疹は予防接種の普及によって、2015年に世界保健機関(WHO)から排除されたという認定を受けていました。
ですが、最近になり、海外からの帰国者や旅行者などによって麻疹のウイルスを持ち込む例が相次いで報告されています。
このままだと、都市部での感染者もどんどん増加していくと思われます。
もともと、生後間もない赤ちゃんには母親からの免疫があり、麻疹には感染しません。
しかし、予防接種を受けていなかったり、免疫体のない人では大人になってからでも感染する可能性は十分あります。
では、もし麻疹に感染した場合、どんな症状が出てくるのでしょうか?
どんな症状が出るのかがわかっていれば、早めに対応ができますね。
今回は、大人が麻疹に感染した際の症状について写真と一緒に説明していきたいと思います。
大人の麻疹(はしか)の症状は発疹やかゆみ?写真と一緒に説明
麻疹ウイルスが感染した場合、10~12日間くらいの潜伏期間(症状の出ない期間のこと)があります。
そして、その後に症状が出てくるのですが、多くの方が気にされている「発疹」の症状は、初期症状が出始めてから数日経過してから出てくることが多いです。
また、その際、発疹に伴う「かゆみ」の症状を訴える人は、個人差があると思いますが特徴的ではないようです。
では、潜伏期間の後に出る初期の症状について挙げていきましょう。
初期症状 = カタル期
この初期に起こる症状は、「カタル期」とも言われる時期になります。
カタル期は次のような症状が現れます。
- 38℃前後の熱
- 咳や鼻水、くしゃみなどの風邪のような症状
- 倦怠感(けんたいかん・身体がだるい感じ)
- 結膜炎症状(光がまぶしく感じたり、結膜の充血や目やにがでるなど)
これらの症状が出て2~3日経過すると、頬の内側に白い水ぶくれのようなものが数個~数十個出てきます。
これを「コプリック班」と言います。
下の画像のような症状です。
この症状は、麻疹にのみ出てくる特徴的な症状です。
発疹期
そして、発病して4日くらい経過すると、体温がいったん1℃くらい下がるのですが、その後、半日くらいのうちにまた高熱(39℃以上のことが多い)が出てきて、同時に皮膚に発疹が現れます。
この時期のことを「発疹期」と言います。
発疹は耳の後ろ、首の辺りから出始めて、翌日には顔面、背中やお腹、腕に拡がっていきます。
発疹は下記の写真のような状態になります。
発疹の色は桃色で小さく拡がっていますが、やがて時間が経過すると、隣り合った発疹同士がくっついて大小の隆起した不規則な形の発疹になります。
この状態が、3~5日間くらい続きます。
熱は高い状態であり、発疹や咳などの症状が続くため大人でもかなり身体への負担は大きく、体力のない方だと衰弱してしまいます。
回復期
発病してから、だいたい7~8日目くらいがピークとなりますので、それ以降は徐々に回復へと向かいます。
回復へと向かう時期を「回復期」と言います。
この時期になり回復していくと、熱も下がってきて食欲も出てきて、それまであった症状は改善します。
また、発疹も色が薄くなってきて、ポロポロと皮が剥けてきます。
そして、少し皮膚に色がシミのように残りますが、これも徐々に薄くなっていくでしょう。
麻疹の症状が出ている間は免疫力がかなり低下するため、しばらくは他の感染症にかかると重症になりやすく、これまでの元気な身体に復活するまでには1か月くらいかかるでしょう。
また、高熱が続くうえに、咳など体力を奪う症状も強いため合併症など他の病気にならなくても、入院を必要とすることも少なくありません。
ですので、大人にとってもかなり注意の必要な病気であると言えます。
大人の麻疹(はしか)の症状についてのまとめ
今回は、大人の麻疹の症状について説明してきました。
では、まとめてみましょう。
麻疹の症状は次のような経過をたどります。
・カタル期
- 38℃前後の熱
- 咳や鼻水、くしゃみなどの風邪のような症状
- 倦怠感(けんたいかん・身体がだるい感じ)
- 結膜炎症状(光がまぶしく感じたり、結膜の充血や目やにがでるなど)
発病後2~3日して頬の内側に「コプリック班」と言われる白い水ぶくれのようなものが数個~数十個出てくる。
・発疹期
発病後4日くらい経過すると、体温がいったん1℃くらい下がるが、半日くらいのうちにまた高熱(39℃以上のことが多い)が出てきて、同時に皮膚に発疹が現れる。
・回復期
熱も下がり食欲も出てきて、それぞれの症状が改善されていきます。
発疹に伴うかゆみの症状は特徴的ではありません。
ここで説明してきたように、麻疹はコプリック班や全身に及ぶ発疹などのような特徴的な症状が出てきます。
ですので、自分でも大変わかりやすい症状かと思います。
ただ、感染力が非常に強いので早めに受診し診断がついたら、しっかり休養すると共に、家族など周りの人への感染への配慮も大切になってきます。