大人の麻疹(はしか)の症状は発疹やかゆみ?経過を写真と一緒に説明!

大人の麻疹(はしか)の症状は発疹やかゆみ?経過を写真と一緒に説明! 内科
看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『大人の麻疹(はしか)の症状は発疹やかゆみ?経過を写真と一緒に説明!』というタイトルでお送りします。

麻疹(はしか)は、子どもの病気というイメージを持つ人が多いかもしれません。

でも、免疫が十分でなければ、大人でもかかります。

大人が麻疹にかかったとき、発疹やかゆみは出るのか、どんな順番で症状が進むのか、いつ受診すればよいのか、予防接種はどうすればよいのかを、口の中の白い斑点(コプリック斑)と発疹の写真と一緒に説明していきます。

先に結論
・麻疹は、カタル期(発熱・咳・鼻水・目の充血)→ 発疹期(いったん下がった熱が再び上がり、発疹が出る)→ 回復期の順に進みます(国立健康危機管理研究機構)。
・発疹の1〜2日前に、頬の内側に白い小さな斑点(コプリック斑)が出ることがあります。
・免疫が不十分な人は、典型的でない軽い経過(修飾麻しん)になることがあります(国立健康危機管理研究機構)。
・感染力は非常に強く、麻疹を疑う症状があるときは、外出を控え、受診前に医療機関へ電話で連絡します(厚生労働省)。
・最も有効な予防は、麻しん含有ワクチン(MRワクチン)を2回接種することです(厚生労働省)。

大人の麻疹(はしか)の症状は発疹やかゆみ?

麻疹は、麻しんウイルスによる急性の全身感染症です(厚生労働省「麻しんについて」)。

感染してから症状が出るまでの潜伏期は、通常10〜12日間です(国立健康危機管理研究機構「麻しん」)。

厚生労働省によると、感染から約10日後に発熱、咳、鼻水、目の充血など風邪に似た症状が現れ、2〜3日熱が続いた後に、39度以上の高熱と発疹が出ます。

つまり、発疹は最初から出るのではなく、風邪のような症状が数日続いた後に出てくるのが特徴です。

厚生労働省などの公的機関の症状の説明には、かゆみの記載は見当たりません。

経過ごとの症状を、国立健康危機管理研究機構の「麻しんQ&A」(麻しん(ましん、はしか)について)に沿ってまとめると次のとおりです。

麻疹の経過と主な症状
時期 主な症状
カタル期(前駆期) 38℃前後の発熱が2〜4日続く。倦怠感。咳、鼻汁、くしゃみ、結膜充血などのカタル症状が次第に強くなる
発疹期 体温がいったん約1℃下がった後、多くは39℃以上の高熱とともに発疹が出る。発疹は耳の後ろ、首、額から始まり、2日後には手足の先まで広がる
回復期 発疹が出てから3〜4日で解熱し、合併症がなければ7〜10日後に主な症状が回復する。発疹の跡は色素沈着として残ることがある

カタル期とコプリック斑

カタル期は、発熱に加えて咳・鼻水・くしゃみ・目の充血が出る時期で、風邪のような症状から始まります。

発疹の1〜2日前になると、頬の粘膜にコプリック斑と呼ばれる白色の小さな斑点が出ることがあります。

麻疹に特徴的な所見で、発疹が出て2日目を過ぎる頃までに消えます(国立健康危機管理研究機構「麻しんQ&A」)。

下の写真は、口の中の粘膜に見られる小さな白い斑点です。

発疹期の発疹

発疹期には、いったん下がった熱が再び上がり、発疹が出ます。

国立健康危機管理研究機構によると、発疹は耳の後ろ・首・額から始まり、2日後には手足の先まで広がります。

下の写真は、皮膚に広がった麻疹の発疹です。

回復期

発疹が出てから3〜4日で熱が下がり、合併症がなければ7〜10日後に主な症状が回復します。

ただし、回復後も数か月から数年は免疫力が低下し、他の感染症にかかりやすく重症化しやすくなるとされています(国立健康危機管理研究機構「麻しんQ&A」)。

症状が軽く出ることもある?修飾麻しんとは

麻しんウイルスへの免疫が不十分な場合、典型的な症状を示さず、比較的軽症になることがあります。これを修飾麻しんといいます(国立健康危機管理研究機構「麻しん」)。

国立健康危機管理研究機構の「麻しんQ&A」では、次のような例が挙げられています。

  • 潜伏期が長い
  • 高熱が出ない
  • コプリック斑が出ない
  • 発疹が手足のみに出る

合併症は少なく、風しんなどと間違われることがあります。

感染力は弱いものの、濃厚に接した免疫のない人にうつる可能性があります。

修飾麻しんは、以前は母体由来の抗体が残っている乳児や、ヒトガンマグロブリン製剤を投与された人に見られることがありました。最近では、麻しんワクチンを接種した人の体内で麻しんの抗体が減衰して発症する例が見られることがあるとされています。

このように、修飾麻しんでは、高熱が出ない・コプリック斑が出ない例があるとされています。

大人の麻疹は最近どうなっている?

国内では、2023年以降、海外での流行に伴って海外からの持ち込み症例が増えており、海外渡航歴のない症例も報告されています(厚生労働省「麻しんについて」)。

国立健康危機管理研究機構の「IDWR 2026年第20号 注目すべき感染症 麻しん」によると、2026年第1〜20週の累積報告数は498例(5月20日現在)で、2020〜2025年のどの年の同じ期間よりも多くなっています(国立健康危機管理研究機構「IDWR 2026年第20号 注目すべき感染症 麻しん」)。

同じ資料では、報告された人の年齢の中央値は26歳(0〜65歳)でした。

検査で診断された495例のうち176例(約36%)は修飾麻しんでした。

厚生労働省は、今回の流行は10代〜40代を中心にしているとして、この年齢層の人に特にワクチン接種の検討を呼びかけています(厚生労働省「麻しんの感染拡大防止に向けた国民の皆様へのメッセージ」)。

麻疹の感染力と合併症

麻疹の感染経路は、空気感染、飛まつ感染、接触感染です。空気中を漂うウイルスを吸い込むだけでも感染します(国立健康危機管理研究機構「麻しんQ&A」)。

免疫のない集団では、1人の発症者から12〜18人が感染するとされています(インフルエンザは1〜2人)(同)。

周囲に感染させる可能性がある期間は、発症日の1日前から解熱後3日間を経過するまでです。発症前から感染力があります(厚生労働省「麻しんについて」)。

また、国立健康危機管理研究機構によると、特にカタル期に感染力が最も強くなります。

麻疹の主な合併症
合併症 公的機関が示している内容
肺炎・中耳炎 合併しやすい(厚生労働省)。肺炎と脳炎は麻疹の二大死因(国立健康危機管理研究機構)
脳炎 約1,000人に1人の割合で起こる(厚生労働省)
亜急性硬化性全脳炎(SSPE) 回復後、数年から数十年後に発症することがある。罹患10万例に1例(国立健康危機管理研究機構)

先進国でも、死亡する割合は約1,000人に1人とされています(厚生労働省「麻しんについて」)。

治療は、基本的には解熱剤など症状に応じた治療です(同)。

麻疹が疑われるときの受診のしかた

厚生労働省は、麻疹を疑う症状があるときは、外出を控え、受診する場合には事前に医療機関に連絡のうえ、医療機関の指示に従うようお願いしています(厚生労働省「麻しんの感染拡大防止に向けた国民の皆様へのメッセージ」)。

また、受診の際は、公共交通機関の利用をできる限り避けるよう呼びかけています。

厚生労働省のポスターでも、医療機関に電話などで麻しんの疑いがあることを伝え、以降は医療機関の指示に従うよう案内されています(厚生労働省「麻しんかな?と思ったら」)。

大人の麻疹の予防は?ワクチン接種と接種歴の確認

麻疹は空気感染するため、手洗いやマスクだけでは予防できません。最も有効な予防は、麻しん含有ワクチンの接種です(厚生労働省「麻しんについて」)。

厚生労働省によると、ワクチンで約95%の人が免疫を獲得でき、2回接種するとより強い免疫になります。

定期接種のMRワクチン(麻しん・風しん混合)は、第1期が1歳の1年間、第2期が小学校入学前の1年間(5歳以上7歳未満)の計2回です(厚生労働省「MRワクチン」)。

厚生労働省は、2000年4月1日以前に生まれた人は、当時の感染状況もあり、2回の定期接種が行われていない可能性があるとしています。

母子健康手帳などで、麻疹にかかった記録か2回の接種記録を確認できない人は、あらためてワクチン接種を検討するよう呼びかけています(厚生労働省「麻しんの感染拡大防止に向けた国民の皆様へのメッセージ」)。

定期接種の時期を過ぎていて、麻疹や風しんにかかったことがなく、ワクチンを受けたこともない人は、かかりつけ医に相談するよう案内されています(厚生労働省「MRワクチン」)。

MRワクチンは生ワクチンのため、妊娠中の女性は接種できません。妊娠を希望する人は、接種後約2か月は妊娠を避ける必要があります(同)。

接種歴や免疫の確認のしかたを、医療機関が解説している動画です。

大人の麻疹(はしか)の症状についてのまとめ

今回は、大人の麻疹の症状、経過、受診のしかた、予防について説明してきました。

・発熱・咳・鼻水・目の充血(カタル期)→ いったん熱が下がった後に再び高熱と発疹(発疹期)→ 回復期、の順に進む
・発疹の1〜2日前に、頬の内側に白い小さな斑点(コプリック斑)が出ることがある
・免疫が不十分な人は、高熱が出ない、コプリック斑が出ない、発疹が手足のみ、といった軽い非典型的な経過(修飾麻しん)になることがある
・感染力が強く、発症の1日前から解熱後3日間は周囲にうつす可能性がある
・疑う症状があれば、外出を控え、受診前に医療機関へ電話で連絡し、公共交通機関はできるだけ避ける
・予防はMRワクチンの2回接種。2000年4月1日以前生まれで記録が確認できない人は接種を検討する

麻疹は、肺炎や脳炎などの合併症が起こることがある病気です。接種歴がはっきりしない人は、母子健康手帳などで記録を確認してみましょう。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や受診の代わりにはなりません。

出典(2026年10月17日確認)

  • 厚生労働省「麻しんについて」
  • 厚生労働省「MRワクチン」
  • 厚生労働省「麻しんの感染拡大防止に向けた国民の皆様へのメッセージ」
  • 厚生労働省「麻しんかな?と思ったら」(ポスター)
  • 国立健康危機管理研究機構「麻しん」
  • 国立健康危機管理研究機構「麻しんQ&A(麻しん(ましん、はしか)について)」
  • 国立健康危機管理研究機構「IDWR 2026年第20号 注目すべき感染症 麻しん」
  • 参考動画:麻疹(はしか)の基礎知識:大人世代の感染リスクと対策(医療機関のYouTubeチャンネル)

最後までお読み頂いてありがとうございました。

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