今回は、『副鼻腔炎を繰り返す原因はストレスや疲れ?カビ菌やたばこも注意?』というタイトルでお送りします。
秋から冬にかけて朝夕の気温の差が激しくなると、多くの人がその気温の変化についていけずに体調を崩してしまいます。
風邪を引いてしまったり、外気に触れてアレルギー症状を起こして鼻炎になってしまったり…
人によってその症状は様々ですが、風邪やアレルギー性鼻炎などから鼻の奥の炎症を起こしてしまう人も多いのです。
その鼻の奥にある副鼻腔の炎症のことを「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」と言います。
今回はこの副鼻腔炎について説明していきたいと思います。
副鼻腔炎とは?
まずは副鼻腔炎について簡単に説明しておきたいと思います。
副鼻腔とは鼻の周りにある空洞のことを言います。
副鼻腔には、
・前頭洞(ぜんとうどう)
・篩骨洞(しこつどう)
・蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)
・上顎洞(じょうがくどう)
と言われる空洞があります。
この空洞の中身は空気で鼻と繋がっています。
この副鼻腔の中の空洞の中に炎症が起きてしまい「うみ」が溜まった状態を「副鼻腔炎」と言います。
副鼻腔炎は、鼻炎になったり風邪を引くことが原因で起こります。
では、そんな副鼻腔炎を繰り返す場合はどんな原因があるのでしょうか?
副鼻腔炎を繰り返す原因はストレスや疲れ?
副鼻腔炎を発症してしまう原因としては主に鼻炎や風邪が考えられますが、一旦発症してしまった副鼻腔炎の症状が治らずに症状を繰り返す場合にはストレスや疲れも十分考えられます。
副鼻腔炎というのは、きちんと耳鼻咽喉科で治療を受ければほとんどの場合、2週間程度で治ります。
普通の風邪のように3~4日で治るものではなく、2週間程度かかると言えば少し長い気もしますが、副鼻腔炎にかかると治すのにこれくらいはかかります。
ただ、きちんと治療を受けていない場合には、症状が長引いてなかなか治らないなど、症状を繰り返すようになるのです。
例えば、耳鼻咽喉科から出たお薬をきっちり指示された日数分飲まなかったり、飲んでいたとしても仕事などで忙しく、疲れや精神的ストレスがかかったままだと治りが悪くなることがあります。
ストレスや疲れは、身体の免疫力を低下させて抵抗力も弱らせます。
そんな状態の時に、身体の中にいる細菌やウイルスを薬で退治しようとしてもなかなかうまくいきません。
副鼻腔炎は咳や鼻水など色々な症状が出て本当につらい状態なので、そんな時こそゆっくり休んで疲れをとり、心身ともにストレスを感じないように環境を整えてあげることが大切です。
では、その他の原因として、カビ菌やたばこはどうでしょうか?
副鼻腔炎を繰り返す原因はカビ菌?
カビ菌は私達の生活を取り巻く環境の至るところに存在しています。
カビ菌というのは真菌のことで、例えばカンジダなどはよく耳にする真菌のひとつだと思います。
この他にも色々ありますが、中でもアスペルギルスという難しい名前の真菌がいます。
このアスペルギルスという真菌が原因で副鼻腔炎を起こしてしまうものを、「副鼻腔真菌症」と言います。
(カンジダ菌なども原因にはなりますが、アスペルギルスが最も多いと言われています)
普段は身体の中にも存在しているこれらの真菌も、健康であれば特に問題はありません。
しかし、次のようなケースでは副鼻腔真菌症を発症しやすくなります。
主には、
- 何かしらの病気で免疫不全を起こしている人
- 高齢で免疫力、抵抗力が低下している人
- 糖尿病(とうにょうびょう)にかかっている人
- がん患者
- 真菌(カビ菌)に対してひどく過敏な人(アレルギーのある人)
- 病気の治療でステロイド剤や免疫抑制剤(めんえきよくせいざい)を使用している人
これらのケースで副鼻腔真菌症にかかるリスクが高まります。
副鼻腔真菌症の多くは片側の鼻腔に鼻炎の症状が出ます。
症状としては、膿(うみ)のようなネバネバした鼻水や、頬の辺りの痛みや腫れ、鼻血などがでます。
この病気は、治療をしっかりしないと副鼻腔の炎症にとどまらず、全身状態が悪化していくこともあるので早期発見、早期治療がとても大切になってきます。
早期発見のポイントとしては、片側のみの鼻の症状が多いことです。
片側の副鼻腔に炎症を起こして膿が溜まるので、片側だけ症状が出てきます。
一般的な副鼻腔炎は両方の副鼻腔に膿(うみ)が溜まりますが、副鼻腔真菌症は片側だけ膿が溜まることが多いのでその判別がしやすいのです。
ですが、上記で挙げた疾患を持っていない人であればそれほど神経質になることもないでしょう。
では、副鼻腔炎を繰り返す原因としてたばこはどうでしょうか?
副鼻腔炎を繰り返す原因はたばこ?
副鼻腔炎が治らないとか繰り返す原因として、ストレスや疲れも考えられると説明してきました。
ではたばこはどうかと言いますと、たばこが原因で繰り返すかどうかははっきりわかっていません。
ただ、たばこが副鼻腔炎の症状が良くなるのを妨げているというのは十分考えられることです。
たばこの煙には多くの有害物質が含まれています。
そして、たばこに含まれているニコチンやタールは鼻粘膜を刺激したり、副鼻腔炎で炎症を起こしている粘膜の状態をもっと悪化させていきます。
ですので、副鼻腔炎に効くお薬でいくら治そうとしてもスムーズに治りません。
それは、ストレスや疲れと同様ですね。
できることなら、なるべく吸わないほうがいいでしょう。
副鼻腔炎を繰り返す原因についてのまとめ
今回は副鼻腔炎を繰り返す原因について説明してきました。
では、まとめてみましょう。
- ストレスや疲れは副鼻腔炎を繰り返す原因として十分考えられます。
- ストレスや疲れは免疫力や抵抗力を低下させ、副鼻腔炎の原因となる細菌やウイルスをなかなか退治できません。ですので、治りにくいということです。
- 真菌(カビ菌)が原因で発症する「副鼻腔真菌症」という病気があります。
- カビ菌は普段、私達の身体の中にも存在している菌で健康ならば特に問題はありませんが、免疫不全の患者さんや糖尿病の患者さんは抵抗力が低下しているため副鼻腔真菌症を発症することがあります。
- たばこの煙には有害物質もたくさん含まれており、ニコチンやタールは鼻の粘膜の刺激となり、副鼻腔炎で炎症を起こしている粘膜の修復を妨げます。
なので、副鼻腔炎の治りが悪くなる可能性はあります。
副鼻腔炎というのは、お薬を使っても治すのに2週間という期間が必要です。
この治療期間でしっかり治していかないと、慢性化して長期間症状が続くことがあるのです。
お薬だけで治そうとしても睡眠時間が短かったり、食事が十分摂れていないとなかなか治らないので、生活環境を整えてしっかり治していきましょう。