今回は、『50代看護師の転職や再就職後の働き方は?夜勤や年収の情報も!』というタイトルでお送りします。
看護師の国家資格を取得して晴れて看護師になれた人の年齢はそれぞれで、若くて20代前半、遅い人だと60代でもおられます。
私は最短コースの20歳で国家資格を取得したので、50歳を過ぎた私はもうだいぶんベテランの粋に達してきました(^^;
今回は、そんな私と同世代である50代看護師の転職や再就職後の働き方について紹介していきたいと思います。
私も色んな職場を見てきたので、少しは転職や再就職に関する情報を知っているつもりです(^^)
私のようにずっと働き詰めの人、途中で何らかの理由で退職して再就職した人、これまでの働き方も人によって様々です。
50代まで同じところで働いてきたけど別の職場への転職を考えている人、または退職して少しブランクがあるけどもまた再就職したい人などに向けて為になる情報を紹介できればと思います。
→ 看護師限定の求人紹介はこちら(入職決定で最大40万円進呈)
50代看護師が転職を考えるきっかけは?
まず50代看護師の転職や再就職後の働き方について説明する前にどんな状況の人が転職したいと思っているのかについて考えてみたいと思います。
50代からで転職を考えるのは何がきっかけなのでしょうか?
- これまで同じ職場で働いてきたけど、もっと他の職場がみてみたいから転職したい
- これまで夜勤のある職場で働いてきたけれど、そろそろしんどくなってきたから日勤だけの職場に移りたい
- 今までずっと外来勤務だったけど、夜勤もできると思うからやってみたい
- 今の職場にストレスや問題(人間関係や給料が少ないなど)があるので辞めて別の職場に転職したい
これらの状況で転職を希望している人が多いと思います。
50代という年齢までどんな科でどんな条件で働いてきたにせよ、それほどのブランクなしでずっと働いてきたとすると、周囲の人達はかなりのベテランという目で見ます。
そして、自分でもそこまで働いてきたというプライドもある程度はあると思うんです。
もし、今まで病棟で夜勤も経験してきた看護師であるなら、どこに転職しても十分やっていけると思います。
「知識や技術は十分あるし、ある程度のお給料は支給されるし、どこでも大丈夫です。」
と言いたいところですが、そんなスムーズに問題なく転職できるのなら、ネットでこんなことを調べてませんよね。
とてもよく分かります…50代の転職がどれだけ不安なことか。
ここでは何も隠さずにハッキリと50代という年齢で転職する厳しさをお伝えしたいと思います。
その上で、おすすめの働き方を紹介できればと思います。
50代看護師の転職や再就職後の働き方は?
50代看護師の転職や再就職後の働き方を考えるとき、一番大切なことは次の転職先へ何を求めるかということだと思います。
今、もしどこかの病院やクリニックで働いているのであれば
- なぜ今の職場を離れ、他の職場に転職したいのか?
- 次はどんな職場でどのようなワークライフバランスで働きたいのか
を明確にしておくことです。
今は働いていないけど働ける条件が整ったので再就職をしようとしている人なら、再就職先にはどのような条件を求めているのかを明確にするということです。
例えば、
- 夜勤はできないのであればお給料は安くても日勤常勤の職場を探す
- 日曜・祝日は勤務不可であれば個人医院の外来を探す
- 日曜・祝日・夜勤は不可でも、病院勤務がいいなら、日勤のみのパートを探す
など、働き方としてこの条件だけは譲れないというものがあるのであれば、多くを求めずその労働条件になるべく沿う職場を探してみましょう。
ただし、看護師の年齢は関係なく、就職先を探す時に全ての希望にかなう職場はまずありません。
「お給料は高いほうがいいけど夜勤はしたくない」とか「正社員で働きたいけど日曜出勤は無理」とか、そういったわがままはまず通りません。
そして、労働条件以外に50代の転職が更に難しくなる要因として、主に次の3つがあります。
これまで長年働いてきた知識や技術はその人のプライドとなって、自分の気付かないところで同僚から見ていて傲慢に見えたりするものです。
特に、これから転職したり再就職したりする職場には、自分よりも若い看護師がたくさん在籍しています。
そんな中、キャリアが上の50代の看護師から見ると、「まだまだだな」と思う若い看護師なんて、いくらでもいるわけです。
ただそんな風に感じてしまうと、どうしても顔や態度に出てしまうことがあります。
今までどんな役職についていたとしても、どんなに高く評価されていたとしても、新しい職場ではただの下っ端の新人看護師です。
どんなに自分よりもキャリアが下の看護師でも、前向きに素直に教えてもらうという姿勢がとても大切になってきます。
当たり前ですが、年々体力的な衰えが出てきます。そして、様々な症状が出てきて仕事に支障が生じるかもしれません。
例えば、
- 腰痛
- 視力の低下(老眼)がすすむ
- ストレスが体調に出やすかったり、更年期障害がひどくなる
- 新しいことや人の名前、物の配置場所などがなかなか覚えられない
- パソコン作業が苦手である
などのハンディが加わるわけです。
そうなると、やはり若い時のように日勤で残業をいつまでもしたり、夜勤をしたりという条件は厳しくなります。
なるべく転職や再就職後の働き方としては、自分の毎日の生活習慣が整えられるような勤務耐性や勤務時間が良いと思います。
こうした今の自分の体調や置かれた状況を考えて、転職先、または再就職先に何を望んで何を諦められるのかをハッキリしておかないと、いざ転職してから「あれ、思っていたものと違うな」となる可能性が高くなります。
これまで、病棟、一般外来などどこで働いてきたのかによってお給料は違ってきますが、経験が長ければそれなりのお給料はもらってきていたと思います。
でも、50代からでイチからは新しい職場に転職するとなると、それほど高いお給料は期待できないと思っておいたほうがいいです。
ここまで説明してきたように、それまでのキャリアが果たして役に立つかどうかが分からないのに、体力的な能力の低下は進んでいくなど50代の転職はかなり難しくなっていきます。
転職先からすると、即戦力になるかどうかは分からないのに、これまでのキャリアを考えてそれなりのお給料を支払わないといけないとなると、やや50代看護師は敬遠されがちな面もあるのです。
そして、実際に採用する立場の人も、なるべくなら物覚えの良い若い看護師が欲しいと思っている場合が多いです。(経験者がどうしても必要という場合は別ですが)
若い看護師は体力的には問題ないし、比較的低めの給料で雇用できるからです。
もし、これまで以上のお給料が欲しくて転職をしたいのであれば、看護師長など管理職のポストを募集している病院に応募する、若しくは病院の夜勤専従で働くといった方法もあります。
では、50代の看護師にはどんな転職先や再就職がおすすめなのか、夜勤や年収の情報もあわせて紹介していきましょう。
50代看護師の転職先や再就職先はどんなところがいい?夜勤や年収の情報も!
50代で転職や再就職することの難しさなどを色々説明してきて、
「なんだか転職は難しいかな、止めとこうかな?」
なんて思ったかもしれません。
でも、50代でも看護師の転職先や再就職先は職場を選べばたくさんあります。
50代で転職する難しさをきちんと認識した上で、その戦力を必要としている職場を見つければいいのです。
看護師を募集している医療機関は、若い看護師を募集しているところばかりではありません。
年齢に関係なく、これまで看護師として働いてきた経験のある人を探している職場はいくらでもあります。
そんな中で、私が個人的におすすめする転職先、再就職先を紹介したいと思います。
個人医院などの一般外来
個人医院などの一般外来では、夜勤もないため体力的には重労働ではなく働きやすいところが多いです。
また、多くの個人医院は午前診と午後診の間の時間が3~4時間と空いています。
その場合はなるべく自宅から近い職場を選べば、その時間に自宅に戻って休んだり家の用事を済ませたりできます。
個人医院では時に個性の強い医師もいたりしますが、医師や医院との相性が合えばある程度、家族的な雰囲気もあり勤務の融通がつく職場もありますよ(^^)
老人保健施設
老人保健施設には、デイサービスや介護老人保健施設、または特別養護老人ホームなどがあります。
デイサービス
デイサービスは通所介護と言って、日帰りで施設に通って、食事や入浴などの日常生活をする上での介護や機能訓練などを受けられるサービスです。
この施設での勤務となり、夜勤はなく日勤のみとなります。
利用者のバイタルチェックや利用中の様子観察などをしながら、レクリエーションなどのお手伝いなどが仕事内容になります。
基本、施設での治療は必要としない元気な利用者ですので、落ち着いた中での見守りとなるでしょう。
また胃ろう(PEG )や吸引などが必要な利用者がいればその医療処置が必要になります。
その他、特に難しい医療行為などはないので、精神的負担も少なく働けるかと思います。
介護老人保健施設(夜勤も可能!)
介護老人保健施設は略して「老健」とも言われています。
医療ケアやリハビリを受けることを目的とした介護施設となります。
入院治療が必要ではなく、急性期を脱して病状は安定してはいるが、在宅介護が困難な場合に利用します。
終の棲家ではなく、最終的には在宅での介護を目指しているため、3ヶ月をめどに退所されます。
老健では、病状的には何か病気があったとしても慢性期であり、入所中に急変などの可能性は比較的少なくそれほどの精神的負担はなく働けるかと思います。ただし、夜勤があります。
一般の病院とは違い、入院治療ではないので夜間もずっと利用者の状態観察が必要ということはありません。
夜勤の内容としては落ち着いた勤務内容となるでしょう。
そして、もし急変などがあっても老健のほとんどは提携している病院があるので、慌てて受け入れ先病院を探すといったことはないと思います。
こうした条件から、
「病院でバリバリ夜勤はできないけれども、まだ体力的には心配ないし落ち着いた夜勤ならできるわ」
と思う人ならば、こうした老健などの施設がおすすめです。
そして次は特別養護老人ホームです。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは略して「特養」とも言われています。
特養は、社会福祉法人や地方自治体が運営する公的な施設になります。
入居対象となるのは、65歳以上の要介護が基本3以上の認定の人、自宅での介護は困難で常に介護を必要としている人が対象の施設となります。
寝たきりや認知症などの方がほとんどです。
看護師の仕事というと、
- 入居者の健康管理(採血や必要な人のバイタルチェック)
- 内服薬の管理
- 胃ろう(PEG )や吸引
- 表皮剥離や褥瘡などのある利用者の処置
- 医師の診察介助
などが主な仕事になります。
特養は病院ではなく、一般家庭での在宅ケアという認識でいれば良いので、もし医療が必要な状態になれば病院に搬送することもあります。
そして、終の棲家でもありますので、看取りケアも行ないます。
看取りだけなので特別な処置などはしませんが、家族への看取り同意の説明などは仕事内容に入ります。
そして、夜勤は基本ありませんが、入居者の急変や異変があった際にはオンコール(夜間の携帯電話での対応)を持たされることはあるかもしれません。
入居者のベッドから車椅子への移乗や、おむつ交換、入浴介助などは介護職スタッフがしますので、看護師の身体的負担はないと思います。
以上が50代の看護師におすすめする転職先、再就職先になります。
個人医院などの一般外来、老人保健施設がおすすめです。
では最後に、50代看護師の年収について少し紹介しましょう。
50代看護師の年収はどれくらい?
50代女性看護師の年収は厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査によると、例え経験がなくても470~570万円となっています。
▶ 参照:平成28年賃金構造基本統計調査(http://www.e-stat.go.jp/)
やはり未経験者でもそれだけのお給料があるのはすごいなと正直思います。
ただし、これは地域や病院などによっても変わってきますので、あくまで参考程度に見ておいてください。
私のおすすめしてきた職場に関しては、やはり介護老人保健施設などの夜勤がある体制をとる施設は若干高めの設定になっている職場が多いと思われます。
そして、夜勤のないところでは、個人医院などの一般外来勤務よりは老人保健施設の特別養護老人ホームのほうがお給料的には高い職場が多いのではないかと思います。
ただこれは本当に地域差や施設によってかなり変わってきますので、はっきり言えません。
それぞれの施設をチェックしてみてくださいね。
50代看護師の転職や再就職後の働き方などについてのまとめ
今回は50代看護師の転職や再就職後の働き方などについて説明してきました。
ではまとめます。
50代看護師の転職や再就職後の働き方を考えるとき、一番大切なことは次の転職先へ何を求めるかということだと思います。
- なぜその職場を離れ、他の職場に転職したいのか
- 次はどんな職場でどのようなワークライフバランスで働きたいのか
を明確にしておくことです。
- 個人医院などの一般外来
- 老人保健施設(デイサービス・介護老人保健施設・特別養護老人ホームなど)
50代看護師というと、更年期障害も出てくる人もいるし体力的な衰えも感じ始める年齢です。
注射をする際には老眼鏡をかけないと針先もやや見えにくくなりますし、パソコンの作業だって慣れていないなどストレスになることはいくらでも出てきますね。
でもそこまで身体が動かないわけではないし、まだまだ病院で夜勤をしている人もたくさんいます。
そんな中、転職や再就職を考えている人は「次の職場は定年まで」と考えている人も多いでしょう。
ご自分の精神的にも肉体的にも無理のない、ストレスの少ない状態で働ける職場を見つけることができるよう願っています。