急性アルコール中毒の症状は?血中アルコール濃度ごとの状態と、救急車を呼ぶ目安・応急処置

急性アルコール中毒の症状は?血中アルコール濃度ごとの状態と、救急車を呼ぶ目安・応急処置 内科
看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『急性アルコール中毒の症状は?血中アルコール濃度ごとの状態と、救急車を呼ぶ目安・応急処置』というタイトルでお送りします。


東京消防庁によると、急性アルコール中毒による救急搬送は、気温が高い時期や冬の忘年会シーズンに多くなっています。
この記事では、急性アルコール中毒の症状と、周囲の人ができる応急処置を、厚生労働省のe-ヘルスネットと東京消防庁の資料に書かれている範囲で整理します(2026年10月16日確認)。
具合が悪い人が目の前にいるときは、記事を読み進めるより先に、後ろの「救急車をすぐ呼ぶ目安」を確認してください。

急性アルコール中毒とは

e-ヘルスネットは、急性アルコール中毒を「アルコール飲料の摂取により生体が精神的・身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生じるものであり、通常は酩酊と称されるものである」と定義されると説明しています。
急性アルコール中毒になると、意識レベルが低下し、嘔吐し、呼吸状態が悪化するなど、危険な状態に陥ります。

どの程度からが急性アルコール中毒となるのか、明確な基準はありません。ただし、泥酔以上の状態では、意識レベルが低下し、嘔吐・血圧低下・呼吸数の低下などが起こり、生命に危険をおよぼす可能性があります。
死亡する場合は、血中アルコール濃度が高まって呼吸・循環中枢が抑制されて亡くなる場合と、吐物による窒息で亡くなる場合があるとされています。
死亡に至らなくても、足元のふらつきによる転倒、電車や車にひかれる、海や川でおぼれる、もうろう状態での言動によるトラブルなど、さまざまな危険が高まります。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「急性アルコール中毒」(最終更新日:2021年12月21日)

血中アルコール濃度と酔いの状態

e-ヘルスネットは、血中アルコール濃度と酔いの状態を、次のように説明しています。

  • 血中アルコール濃度が0.02%から0.1%程度:ほろ酔いと呼ばれる、リラックスした状態
  • 0.3%を超える:泥酔期と呼ばれる、もうろう状態
  • 0.4%を超える:昏睡期と呼ばれる、生命に危険を生じうる状態

お酒の種類や量が何に当たるか(たとえば日本酒何合・ビール何本)は、e-ヘルスネットの該当ページには書かれていません。この記事でも、お酒の量の目安は示しません。

e-ヘルスネットと東京消防庁の資料には、「寒気」「痙攣」など、血中濃度の段階ごとの症状を並べた一覧は書かれていません。この記事では、資料に書かれている症状と状態だけを示します。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「急性アルコール中毒」(最終更新日:2021年12月21日)

なりやすい人と、救急搬送の状況

e-ヘルスネットは、若年者、女性、高齢者、飲酒後に顔が赤くなるタイプの人(赤型体質)は、アルコールの分解が遅く、血中濃度が下がりにくいため、急性アルコール中毒のリスクが高まるとしています。中でも若年者は、自分の限界がわからないことや、アルコールに対する耐性がまだ低いことなどから、リスクが高いと考えられるとされています。

東京消防庁によると、東京消防庁管内の急性アルコール中毒による救急搬送人員は、令和6年は14,190人(男性8,277人、女性5,913人)でした。年代別では、男女とも20歳代が抜きんでて多く、月別では、気温が高い時期や冬の忘年会シーズンに多くなっています。令和6年に搬送された人のうち、初診時に重症以上だったのは27人、中等症は3,717人、軽症は10,446人でした。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「急性アルコール中毒」(最終更新日:2021年12月21日)、東京消防庁「命に関わることもある『急性アルコール中毒』」(2025年12月15日更新)

救急車をすぐ呼ぶ目安

e-ヘルスネットは、次のような兆候が現れた場合は、すぐに救急車を呼ぶよう書いています。

  • 大いびきをかいて、痛みの刺激に反応しない
  • 揺すって呼びかけても反応しない
  • 体が冷たくなっている
  • 倒れて、口から泡を吐いている
  • 呼吸の状態が不安定

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「急性アルコール中毒」(最終更新日:2021年12月21日)

周囲の人の応急処置

急性アルコール中毒が疑われる人が周囲にいる場合、e-ヘルスネットは、まず次の救護方法を心がけるよう説明しています。

  • 絶対に1人にしない
  • 衣服をゆるめて楽にする
  • 体温低下を防ぐため、毛布などをかけて暖かくする
  • 吐物による窒息を防ぐため、横向きに寝かせる
  • 吐きそうになったら、抱き起こさずに、横向きの状態で吐かせる

「吐けば酔いが覚めて状態が改善する」と考えがちですが、酔いつぶれた人を無理に吐かせようとすると、吐物が逆流してのどに詰まり、窒息する可能性があります。意識が低下している場合は、無理に吐かせようとせず、上の5点を守るよう書かれています。

東京消防庁の資料は、意識はないものの普段どおりの呼吸がある場合は、回復体位をとらせるよう説明しています。体を横向きにし、頭を反らせて気道を確保するとともに、嘔吐しても自然に流れるよう、口元を床に向ける姿勢です。長時間回復体位にするときは、下になった部分の血液の循環が悪くなるため、約30分おきに反対向きの回復体位をとります。嘔吐が起きたときは、口の中から吐物をかき出して、のどに詰まらせないようにします。酔いがさめるまで付き添うなど、目を離さないようにしましょう。
また、生命に直接関係するような救命手当(心肺蘇生)が優先であるとも書かれています。

まとめ

急性アルコール中毒の症状・状態は?

  • 意識レベルが低下し、嘔吐・血圧低下・呼吸数の低下などが起こり、生命に危険をおよぼす可能性がある(泥酔以上の状態)
  • 血中アルコール濃度が0.3%を超えると泥酔期(もうろう状態)、0.4%を超えると昏睡期(生命に危険を生じうる状態)

 

救急車を呼ぶ目安は?
大いびきをかいて痛みの刺激に反応しない、揺すって呼びかけても反応しない、体が冷たくなっている、倒れて口から泡を吐いている、呼吸の状態が不安定、といった兆候が現れたときです。

 

応急処置は?
1人にしない、衣服をゆるめる、毛布などで暖かくする、横向きに寝かせる、吐きそうなら横向きのまま吐かせる。無理に吐かせない。

 

東京消防庁は、急性アルコール中毒にならないための注意として、自分の適量とその日の体調を知ること、短時間に多量の飲酒(一気飲み)をしないこと、飲酒を無理強いしないこと、周囲の人は酔った人に付き添って一人にしないことを挙げています。

出典:東京消防庁「命に関わることもある『急性アルコール中毒』」(2025年12月15日更新)


最後までお読み頂いてありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました