看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『健康診断の胃カメラ費用はいくら?自治体の検診の自己負担と保険3割の計算』というタイトルでお送りします。


健康診断や人間ドックの項目に、胃カメラ(胃内視鏡検査)を加えたいと考える人は多いと思います。

でも、胃カメラは「健康診断として受けるのか」「保険を使うのか」「自治体の検診を使うのか」で費用の決まり方が変わる検査です。

青いシャツの男性が両手で胃のあたりを押さえている様子

この記事では、自治体の胃がん検診の費用の例、保険診療(3割負担)の費用を点数表から計算する方法、健診として受ける場合との違いを、公的機関の資料をもとに整理します。

先に結論
・国の指針では、胃がん検診は50歳以上が対象で、胃部エックス線検査か胃内視鏡検査のどちらかを2年に1回行うとされています(厚生労働省)。胃部エックス線検査は、当分の間40歳以上を対象としても、年1回行っても差し支えないとされています。
・自治体の胃がん検診(内視鏡)の自己負担は自治体で異なります。大阪市は1,500円、名古屋市は500円です(各市の公式ページ)。
・保険診療の胃カメラ(胃・十二指腸ファイバースコピー)は1,140点で、1点10円・3割負担なら1,140点×10円×3割=3,420円です。生検・病理検査を行うと点数が加わります。
・健康診断は国民健康保険の給付の対象にならないものとして案内されています(港区)。一方、健診で要精密検査となった後の精密検査は保険診療と案内する健康保険組合・病院があります。健診として受ける場合の料金は医療機関ごとに異なります。
・この記事は一般的な情報で、受診の代わりにはなりません。


 

胃カメラの費用は、受け方で3通りに分かれる

同じ胃カメラでも、受け方によって費用の決まり方が違います。

胃カメラの受け方と費用の決まり方
受け方 費用の決まり方 この記事で確認できた金額
自治体の胃がん検診(内視鏡) 自治体が定める自己負担額 大阪市1,500円、名古屋市500円(例)
保険診療(病気やけがの診療として受ける場合。健診後の精密検査を保険診療とする案内もあるが、保険者・医療機関に確認) 診療報酬点数表の点数×10円×自己負担割合 胃カメラのみで3割負担なら3,420円(点数表からの計算)
自費(健康診断として受ける場合) 医療機関ごとの料金 医療機関で異なる

保険診療と健診の分かれ方について、公的な資料には次のように書かれています。

健康保険法は、被保険者の疾病又は負傷に関して、診察、薬剤又は治療材料の支給、処置・手術その他の治療などの療養の給付を行うと定めています(e-Gov法令検索「健康保険法」第63条)。

東京都港区の国民健康保険の案内では、病気とみなされないものの一つとして「健康診断・集団検診」が挙げられています(港区「国民健康保険が適用されないものについて知りたい。」)。

一方、健診で要精密検査となった場合について、ある健康保険組合は「精密検査の費用は保険診療となります」と案内し(ある健康保険組合のFAQ「健診を受診して要精密検査となりました。精密検査の補助はありますか?」)、ある病院も「要精密検査は一般的に保険適応です」と説明しています(ある病院の案内「健康診断で要再検査・要精密検査といわれた方へ」)。

同じ病院は、要再検査で同じ検査を健康管理センターで再度受ける場合は自己負担になり、会社や健康保険組合によって異なる場合があるとも説明しています。

実際にどちらの扱いになるかは、受ける医療機関や加入している保険者に確認する必要があります。

なお、国立がん研究センターは、胃の痛みや不快感、食欲不振、食べ物のつかえなどの症状がある場合は、検診を待たずに医療機関を受診するよう案内しています(国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん検診について」)。

自治体の胃がん検診で胃カメラを受ける場合の費用

胃部エックス線検査(バリウム検査)の撮影台に横たわる患者と技師

厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」では、胃がん検診は市町村の区域内に住む50歳以上の人が対象とされています(ただし、胃部エックス線検査は当分の間、40歳以上を対象としても差し支えない)。

検診の項目は、問診に加えて胃部エックス線検査または胃内視鏡検査のいずれかで、原則として同じ人について2年に1回行うとされています(厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(令和8年10月7日一部改正))。

国立がん研究センターも、50歳から2年に1回の受診を勧めています(国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん検診について」)。

自己負担額は自治体が定めているため、住んでいる自治体で異なります。例として、2つの市の公式ページに書かれている内容は次のとおりです。

自治体の胃がん検診(胃内視鏡)の例
自治体 対象 受診間隔など 自己負担
大阪市 50歳以上(年度末時点の年齢) 前年度未受診の人が対象。胃部エックス線検査とはどちらか一方のみ 1,500円
名古屋市 市内在住の50歳以上で、勤務先などで胃がん検診を受ける機会がない人 2年度に1回。前年度に市の胃内視鏡検査、今年度に市のエックス線検査を受けていないこと 500円

(出典: 大阪市「大阪市がん検診」、名古屋市「胃がん検診(内視鏡)」)

どちらの市でも、生活保護世帯や市民税非課税世帯などは自己負担が免除されると案内されています。

名古屋市は、このほか70歳以上や無料クーポン券の対象年齢の人なども免除としています。

大阪市は、適正な受診間隔をあけずに受診した場合は全額自己負担になることがあるとも案内しています。

また、名古屋市は、検診で生検を行うと保険診療の一部負担金が別途かかり、精密検査や治療にも別途費用がかかると案内しています。

国立がん研究センターも、組織を採取する検査(鉗子生検)は保険診療のため自己負担が生じると説明しています。

対象年齢・間隔・料金・減免は自治体ごとに違い、年度で変わることもあるため、住んでいる自治体の公式ページで確認する必要があります。

職場の健康診断の場合

検査着を着て白い紙を持つ男性

名古屋市の胃がん検診は、勤務先などで胃がん検診を受ける機会がない人が対象とされています。

職場の健康診断で胃カメラが含まれる場合の費用負担については、この記事で確認できた公的資料に金額や決まりの記載はありませんでした。

保険診療(3割負担)で胃カメラを受けた場合の費用の計算

保険診療の費用は、診療報酬点数表の点数に1点10円を掛けた額に、自己負担割合を掛けて計算します。

診療報酬の算定方法では、保険医療機関に係る療養に要する費用の額は「一点の単価を十円」とし、点数表の点数を乗じて算定すると定められています(厚生労働省「診療報酬の算定方法」)。

自己負担割合は、70歳未満は3割(6歳未満は2割)、70〜74歳は2割(現役並み所得者は3割)、75歳以上は1割(現役並み所得者は3割、現役並み所得者以外の一定所得以上の人は2割)と示されています(厚生労働省「我が国の医療保険について」)。

胃カメラは、医科診療報酬点数表の「D308 胃・十二指腸ファイバースコピー」にあたり、1,140点です。

胃カメラで組織を採取する検査(内視鏡下生検法)や、採取した組織を調べる検査の点数は次のとおりです(令和8年6月1日から適用の点数表)。

胃カメラに関わる診療報酬の点数と3割負担の計算(令和8年6月適用の点数表)
項目 点数 点数×10円 3割負担
D308 胃・十二指腸ファイバースコピー 1,140点 11,400円 3,420円
D414 内視鏡下生検法(1臓器につき) 310点 3,100円 930円
N000 病理組織標本作製(組織切片によるもの、1臓器につき) 860点 8,600円 2,580円
N006 病理診断料(組織診断料) 520点 5,200円 1,560円

(出典: 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表」、同告示の制定文)

計算例は次のとおりです。

・胃カメラのみ:1,140点×10円×3割=3,420円

・胃カメラ+生検+病理組織標本作製+組織診断料:(1,140+310+860+520)=2,830点×10円×3割=8,490円

これは上の4項目だけを計算した例です。

胃・十二指腸ファイバースコピーには、胆管・膵管造影法加算(600点)、粘膜点墨法加算(60点)、胆管・膵管鏡加算(3,360点)、狭帯域光強調加算(200点)などが定められており、初診料(291点)などほかの項目が算定されることもあります。

実際の窓口での支払いは、どの項目が算定されるかによって変わります。

病理診断料(組織診断料)は、病理診断を専ら担当する医師が勤務する施設などの要件があり、月1回に限り算定される項目です。

国立がん研究センターも、胃内視鏡検査では疑わしい部位があればその場で組織を採取することがあると説明しています。

胃にとりつく2匹のピロリ菌のイラスト

胃内視鏡検査の流れ(生検やピロリ菌の検査を行うことがあることを含む)を、医療機関のチャンネルが解説している動画です。



健康診断として胃カメラを受けた場合(自費)の費用

胃内視鏡検査を行う医師とモニター、検査台に横になる患者

港区の案内では、健康診断は国民健康保険の給付の対象にならないものとして挙げられています。

上の計算は保険診療の費用の算定方法であり、健診として受ける場合の料金は医療機関ごとに異なります。

そのため、この記事では金額の相場は示しません。

受ける医療機関の公式ページや窓口で、胃カメラの料金に何が含まれるかを確かめる必要があります。

まとめ

・胃カメラの費用は、自治体の検診・保険診療・自費の3通りで決まり方が違う
・国の指針では、胃がん検診は50歳以上、胃部エックス線検査か胃内視鏡検査のどちらかを2年に1回(胃部エックス線検査は当分の間、40歳以上・年1回も差し支えない)
・自治体の胃がん検診(内視鏡)の自己負担は大阪市1,500円、名古屋市500円など自治体で異なる
・保険診療は点数×10円×自己負担割合。胃カメラのみ(1,140点)の3割負担は3,420円、生検・病理を含む4項目の例は8,490円
・健康診断は国保の給付の対象外と案内され、健診で要精密検査となった後の精密検査は保険診療と案内する健康保険組合・病院がある。健診として受ける場合の料金は医療機関で異なる

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や受診の代わりにはなりません。気になる症状があれば医療機関に相談してください。

出典(2026年10月17日確認)