看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『梅毒は薬で治る病気?治療の期間や放置して治るのかについても説明!』というタイトルでお送りします。


梅毒という病気は、それを診断した医師は法律上、そのことを保健所に届け出ないといけません。

その届け出患者数は日本国内でも年々増加しているようです。

日本では、2010年以降梅毒患者数は増加し、2017年では44年ぶりに報告数が5000件を超えています。

梅毒患者の報告数など詳細については下記の厚生労働省の記事を参照ください。

【厚生労働省ホームページ】梅毒の発生動向の 調査及び分析の強化について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000203809.pdf

 

そこで今回は、梅毒は薬で治る病気なのか、そして治療の期間や放置していても治る病気なのかどうかについて説明していきたいと思います。



 

梅毒はどんな病気?

まず、梅毒が薬で治る病気なのかについて説明する前に、梅毒について簡単に説明しておきます。

梅毒というのは、梅毒トレポネーマという病原体が原因で起こる細菌感染症です。

主に、性的な接触で粘膜や傷があれば侵入していって感染していく病気です。

妊娠中や出生時の母から子への母子感染による先天性梅毒の例もあります。

梅毒の感染経路や症状などについては、それぞれ別の記事でも詳しく説明していますので、そちらをご参照ください。
 

梅毒の感染経路については、こちらの記事をご参照ください。
 ↓

梅毒の症状については、こちらの記事をご参照ください。
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では次に、梅毒が薬で治るのかどうかについて説明していきます。

梅毒は薬で治る病気?

梅毒は、早めに受診してお薬を服用することで治る病気です。

外来を受診して、処方されたお薬をきちんと指示通りに服用します。

梅毒の治療で使うお薬は、ペニシリン系という種類の抗菌薬(こうきんやく)が中心となります。

指示された決められた量を、1日3回必ず服用して、また指示された期間はしっかり飲み続けるようにしましょう。

梅毒の症状の特徴として、その経過の中で症状が出ない時期があるため、治ったのかと勘違いしてしまい、自分の判断で薬を飲むのを中断してしまうことがあるのです。

そうすると、余計病気が悪化する可能性がありますので、注意が必要です。

必ず、指示通りに服用するようにしましょう。
 

検査

 

では、治療の期間はどれくらいなのでしょうか?

梅毒の治療期間は?

梅毒の治療は、早めにお薬を飲んで治療し始めると治ると説明してきました。

梅毒の症状は、主に症状の経過に伴って第1期~第4期という経過で表しています。

  • 第1期…感染後3週間~3ヶ月の状態
  • 第2期…感染後3ヶ月~3年の状態
  • 第3期…感染後3~10年の状態
  • 第4期…感染後10年以降の状態

お薬による治療は、この第1~2期である早期に行えば完治が可能です。

その場合の治療にかかる期間は、その病期によって期間が異なりますので医師がそれを判断しながら決めていきます。

治療の期間については…

・第1期…2~4週間

・第2期…4~8週間

というのが目安の期間となります。

そして、その期間の間でも、薬がちゃんと効いているのかどうかを確認するため何度か受診して経過を見ながら、検査を受けていくことが必要となります。
 

では、梅毒は受診せずに放置していても、勝手に治る病気なのでしょうか?

梅毒は放置していても治る病気?

梅毒は早期に薬の治療を行えば完治が可能な病気であり、放置していて勝手に梅毒という感染症が治るということはありません。

もし、検査や治療開始が遅れたり、放置して何もせずにいると、病気は進んでいっていずれは脳や心臓などに重大な合併症を引き起こす可能性が出てきます。

そして、薬を飲んで治療を受けていたとしても、症状が治まったからといって勝手に服用を中断したりすると、病気が進んでしまうので必ず指示通り服用しないといけません。

梅毒の末期と言われる第4期では、心臓や神経などに重い症状が表れることがあり、やがては死に至ることもあるのです。

そのような末期の状態になってから梅毒のお薬を服用しても、効果はほぼ期待できません。

ですので、梅毒の症状が出たらなるべく早くに病院を受診することをおすすめします。
 

検査

梅毒は薬で治る病気?などや治療期間などについてのまとめ

今回は、梅毒は薬で治る病気かどうか、またその治療期間などについて説明してきました。

では、まとめてみましょう。

梅毒は薬で治る病気?
梅毒は症状が早期である第1期~第2期にお薬による治療を開始すれば完治できる病気です。
しかし、受診や治療開始が遅れたりして、症状が進んでしまうと薬での完治は難しくなります。

 

治療期間はどれくらい?
梅毒の治療にかかる期間は病期によって違ってきます。

  • 第1期…2~4週間
  • 第2期…4~8週間

というのが目安となります。

 

治療せず放置しても治る?
梅毒は治療せず放置しておくことで自然に治る感染症ではありません。
もし、検査や治療開始が遅れたり、放置して何もせずにいると、病気は進んでいっていずれは脳や心臓などに重大な合併症を引き起こす可能性が出てきます。

 
梅毒は症状が進む間に、無症状となる時期が出てきます。

その時に患者さんは「治ったかな」と感じてしまい、治療を中断するケースがあります。

医師が治療を完全に終了と判断するまでは、処方されたお薬は確実に服用しましょう。

また、感染拡大を防ぐため、性交渉などの行為は控えることが大切です。

時には、パートナーの方も一緒に検査や治療を受けることが必要になってきますので、その際は共に受診するようにしましょう。

また、梅毒の気になるテーマである感染経路や症状などについては、下記の記事でも詳しく説明していますので、そちらをご参照ください。
 

梅毒の感染経路については、こちらの記事をご参照ください。 ↓


梅毒の症状については、こちらの記事をご参照ください。 ↓

梅毒の症状であるしこりの特徴についてはこちらの記事をご覧ください。↓

梅毒の原因菌についてはこちらの記事をご覧ください。↓

梅毒の潜伏期間についての記事は、こちらの記事をご覧ください。↓

梅毒の検査方法などについては、こちらの記事をご覧ください。↓

梅毒の末期症状については、こちらの記事をご覧ください。↓