今回は、『パルボウイルス感染した猫の症状や治療方法は?人に感染することはある?』というタイトルでお送りします。
「パルボウイルス」というウイルスが存在するのをご存知でしょうか。
私は全く知りませんでした。
「新種の恐ろしいウイルスでも出てきたのかな?」
なんて思っていたら、なんと主に猫などの動物への感染のケースが多いウイルスだそうです。
猫は私たちの身近にもよくいる動物で、家族同然で室内でペットとして飼われている方も多いと思います。
ですので、パルボウイルスってどんなウイルスなのか、そして、人への感染はどうなのかとか色々気になることもあると思います。
今回は、この「パルボウイルス」について色々調べたことを説明していきたいと思います。
では、「パルボウイルス」とはどんなウイルスなのかについて説明していきましょう。
パルボウイルスとはどんなウイルス?
パルボウイルスというのは、パルボウイルス科に属する多種多様なウイルスの総称です。
最初に発見されたのは1960年代で、ウイルスの中でも最も小さな種類なのでラテン語の「小さい」を意味する「parvus」から名付けられました。
パルボウイルスには、犬パルボウイルス・猫パルボウイルスなどがあり、特定の種類の動物同士で感染していくことが多いようです。
また、パルボウイルスは糞便と一緒に体外に出されても数か月から数年も生存すると言われるほど、強い感染力を持っています。
普通、ウイルスというのは外気に触れたり乾燥した環境には弱いとされていますが、パルボウイルスは日常環境の中ではそう簡単には死滅しません。
パルボウイルスの場合は、5%次亜塩素酸ナトリウムを使用し10分以上浸けておくことで消毒可能です。
では、猫パルボウイルスはどのようにして感染していくのでしょうか?
猫パルボウイルスの感染経路は?
パルボウイルスには感染を予防するためのワクチンがあります。
ですが、そのワクチンを接種していない、免疫や抵抗力のない猫がウイルスに感染してしまうことが多いです。
その感染経路は、感染した猫が排泄した糞便に直接触れてしまったり、身体や被毛などに付着しているウイルスに触れたりすることです。
では、感染してしまったらどんな症状が出るのでしょうか?
パルボウイルスが猫に感染したらどんな症状が出る?
パルボウイルスが猫に感染すると、猫の身体の中の免疫が低下する「猫汎白血球減少症(ねこはんはっけっきゅうげんしょうしょう)」と言われる病気になります。
次に、パルボウイルスの症状を紹介します。
- 発熱
- 活気がなくなる
- 嘔吐
- 下痢
- 脱水
- 血便(便に血が混じること・けつべん)
- 血液の検査で白血球が減少する
などです。
これらの症状が悪化すると体力が低下して、栄養失調になり命を落とすこともあります。
では、治療方法はどんなものなのでしょうか?
猫パルボウイルスの治療方法は?
猫がパルボウイルスに感染した際の治療方法は、ウイルスが増えるのを抑えてくれる作用のあるインターフェロンの薬剤の注射や、抗生物質のお薬や注射となります。
ただ、パルボウイルスに対する特効薬のようなお薬はありませんので、その時に現れた症状を軽くするような対症療法になることが多いです。
幼い猫や高齢の猫、または何か病気を持っていて体力・抵抗力のない猫などは命を落とすことも多く死亡する確率も高い病気です。
では、パルボウイルスに感染した猫から人に感染することはあるのでしょうか?
猫パルボウイルスは人に感染する?
猫をペットとして飼っている人は、このウイルスが人にも感染するのかどうかはとても気になる点だと思います。
猫や犬から人へという全く違う生物へのパルボウイルス感染はしないと言われています。
しかし、ウイルスというのは長い年月を経て、様々な形に変異していく可能性があります。
今、人への感染がないからといって安易に考えていると、いつか人への感染が発見される時が来るかもしれません。
特にパルボウイルスは生命力も強く感染力もかなり強いウイルスですので、軽くみないでしっかり予防することが大切です。
では、最後にパルボウイルスが猫に感染しないための予防方法について説明していきましょう。
猫パルボウイルスに感染しないための予防法は?
パルボウイルスの感染を予防するためには、ワクチン接種を行うことが一番大切です。
子猫の場合は、母乳中に母猫からの抗体があるので抵抗力がありますが、その抗体がなくなる8~12週で感染しやすい状態になります。
ですので、いつワクチン接種をすればよいのかなどの時期やタイミングについては、獣医師の指示に従って行ってください。
そして多頭飼育の場合は、1匹が感染するとすぐに集団感染してしまうのですべての猫に対してワクチン接種を行いましょう。
また、猫から人への感染は考えられませんが、人が自分の可愛い飼い猫にウイルスを運んでしまう可能性は十分ありますので注意が必要です。
もし、感染した猫に接触したことが考えられる場合、接触した服や靴、食器などウイルスを媒介したと考えられるものはすべて消毒し、洗浄しましょう。
上記で説明したように、パルボウイルスは市販の5%次亜塩素酸ナトリウムを水で25倍程度に薄めた中に10分以上浸けておくことで消毒できます。
パルボウイルス感染した猫の症状や治療方法についてのまとめ
今回は、パルボウイルス感染した猫について色々説明してきました。
では、まとめてみましょう。
猫がパルボウイルスに感染すると、「猫汎白血球減少症(ねこはんはっけっきゅうげんしょうしょう)」という病気になります。
この病気の症状は
- 発熱
- 活気がなくなる
- 嘔吐
- 下痢
- 脱水
- 血便(便に血が混じること・けつべん)
- 血液の検査で白血球が減少する
これらの症状が悪化すると体力が低下して、栄養失調になり命を落とすこともあります。
パルボウイルスに対する特効薬のようなお薬はありません。
主な治療方法は、ウイルスが増えるのを抑えてくれる作用のあるインターフェロンの薬剤の注射や、抗生物質のお薬や注射となります。
猫のパルボウイルスが人に感染することはありません。
しかし、感染猫のパルボウイルスを人が運んでしまって別の猫に感染させる可能性はあります。
ですので、感染が考えられる猫に接触する際には注意が必要です。
インフルエンザウイルスが毎年少しずつ形を変えて変異して人から人に感染していくように、パルボウイルスも長い年月を経て変異して今以上に感染力を強めていくかもしれません。
私たち人間が今の間にできる予防や対策はしっかり行って、猫たちの間で感染が拡がらないように注意していくことがとても大切だと考えます。