看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『高齢者の血圧(拡張期も)が低い原因は?数値や末期についての説明も』というタイトルでお送りします。


血圧というのを気にする年齢と言えば、だいたい中年と言われる40~50歳代くらいの年齢になってからだと思います。

40~50歳代になると、特に中性脂肪やコレステロールが高い人などは、動脈硬化が進み血管内の圧が高まって血圧が高くなる人が増えます。

こうした原因で起こる高血圧の患者さんはとてもたくさんおられます。

そして、それは65歳以上の高齢者の方にも同様のことが言えます。

高齢者の血圧というのは、身体機能の衰えによって若い人に比べてコントロールが難しくなります。

高齢者の血圧(拡張期も)が低い原因

今回はそんな高齢者の血圧についての説明をしていきたいと思います。




 

低血圧の種類は?

血圧が低くなる原因は低血圧の種類によって異なります。

そこで、まずは低血圧の種類から紹介していきます。
 

高齢者の血圧が低くなる種類は次のように分けられます。

本態性低血圧:低血圧といえばそのほとんどがこの類の低血圧です。

原因となる特別な病気がなく、はっきりとした原因のない低血圧のことを言います。
 

二次性低血圧:心臓の病気や胃腸による栄養不良、ガンの末期などで起きる、原因がハッキリした低血圧のことを言います。

 

そして、患者さんの病気の経過によっては、急性低血圧慢性低血圧に分けられますが、高齢者では急性低血圧のほうが多いため、急性低血圧について説明していきたいと思います。
 

急性低血圧とは、例えば、何らかの感染症や心不全、多量に出血した場合(ショック状態)などが原因で、急激に血圧が下がる状態のことです。

また、この中に高齢者によくあるケースで、一過性低血圧(起立性低血圧・食後低血圧・入浴後低血圧)というものがあります。

一過性低血圧の起立性低血圧、食後低血圧、入浴後低血圧を説明します。

起立性低血圧

起立性低血圧とは、急に立った時などに起こる低血圧です。

高齢者に多い起立性低血圧

分かりやすい例として高齢者ではないですが、学校の朝礼の際立ちくらみを起こして倒れる生徒がいますよね。これは立ったままで下半身に集まっていた血液が心臓に戻りにくいために起こる低血圧のことです。

他には、糖尿病や心臓の病気などの病気が隠れていたり、精神安定剤など精神に関するお薬の影響で血圧が低下していることもあります。

そして、次の食後低血圧も高齢者にはよくあることです。

食後低血圧

食事の後、血圧が低下するので食後低血圧と言います。

高齢者に多い食後低血圧

食事を摂ると、血液が胃など内臓の血管に集まって、心臓や脳への血液の流れが減ることで低血圧になります。

この場合には、一度に摂る食事の量を減らして、回数を増やすなどで対応するといいですね。

 
そして、次のように入浴後に起こる低血圧もあります。

入浴後低血圧

よく血圧が高い人は、入浴してすぐに血圧が急に上がります。

そして、すぐに下がります。

しかし、高齢になると、一旦下がってしまった血圧が今度はなかなか上がりにくいわけです。

高齢者に多い入浴後低血圧

高齢者の入浴の際の血圧低下は、私も何回か対応したことがあります。

特に高齢でありながら認知もわずらっていると、血圧低下で出る症状を周りに訴えることができないことが多いんです。

ですので、入浴後数分して気がつくと、いつの間にか気を失っていたりするのです。

そんな場合には、すぐに横になってもらい足をやや高めに挙げておくと時間はかかっても回復します。

足を挙げておくと、末端のほうの血液が心臓に戻ってきますので血圧が上がりやすくなります。

でも、もしなかなか回復しないようなら、他の原因で下がっているのかもしれないので、受診が必要になるかもしれません。

また、お風呂場で血圧が下がった場合は転倒の事故の可能性もありますし、入浴前後の血圧の大きな変動は脳の血管が敗れたり、心筋梗塞になったりしますので要注意です。
 

では、高齢になると、なぜこのように血圧が急激に下がったり、下がった血圧が戻りにくかったりするのでしょうか?



高齢者の血圧が低い原因は?

私達には首のところに頸動脈という太い血管があります。

その血管の壁の中に、「圧受容器」という血圧を感知するセンサーがあります。

すると、その圧受容器で血圧が低いということを感知したら、交感神経によって血圧がコントロールされるのです。

そして、ノルアドレナリンという物質が分泌されて、血管を収縮させて血圧をあげようとします。

このような機能は、若くて元気な人であれば問題なく働いてくれます。

しかし、高齢者では、年齢とともに動脈が硬くなって、圧受容器のセンサーも老化のため役割を果たせなくなります。

そのために、一過性で血圧が急に下がったり、下がってから正常値に戻りにくかったりするのです。
 

ではここで、血圧の説明を簡単にしておきたいと思います。

血圧とは、血液が血管の壁を押す圧力のことを言います。

血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧があります。

心臓が収縮して血液を送り出す時に血圧は収縮期血圧と言って「上の血圧」と言われています。

そして心臓が拡張すると、全身を巡ってきた血圧は心臓に戻ってきて血圧は最低になりますが、この時の血圧を「拡張期血圧」と言います。

拡張期の血圧はよく「下の血圧」と呼ばれていますね。

この下の血圧、拡張期の血圧が低いのはなぜかについて説明していきましょう。

血圧の拡張期が低い原因は?

心臓が収縮すると、一定の圧で血液が大動脈という血管に流れていきます。

高齢者の血圧の拡張期が低い原因

この時、大動脈の血管自体に柔軟性があれば圧が吸収されますが、高齢で血管に柔軟性がなくなり硬くなると圧が上がってしまいます。

そして、今度は心臓が拡張する時ですが、大動脈が身体の末端にも血液を絞り出すために収縮します。

でも、高齢になると動脈硬化でこの大動脈の収縮の機能が低下します。

よって、拡張期(下の)血圧が低下するのです。

大動脈という血管の柔軟性・しなやかさが無くなって、血管が硬くなることによって、血液を送り出す機能も低下してくるということです。
 




 

では、高齢者の血圧が低いというのは、実際にはどれくらいのことを言うのでしょうか?

低血圧とはどれくらいの数値?

世界保健機関(WHO)では、

収縮期の血圧(上の血圧)が100mmHg以下
拡張期の血圧(下の血圧)が60mmHg以下

 
を低血圧と定義しています。

しかし、このような低い血圧であっても、特に治療は必要としないことが多いです。
 

これまで主に高齢者である65歳以上の方の血圧についての説明をしてきましたが、さらにもっと年齢を重ねてきた超後期高齢者(85歳以上)の方ではどうでしょうか?

もちろん、もっと血管の老化は進み、動脈硬化も強くなってきます。

そして、更に末期の話をしていきたいと思います。

高齢者の血圧は末期になるとどうなる?

高齢者の血圧は末期を迎えると徐々に下がってきます。

高齢者の血圧は末期

末期になると、全ての機能が低下してきます。

血圧を保つのにとても重要な心臓ですが、この心臓のポンプ機能(血液を全身に押し出す機能)は低下してきます。

すると、体内を循環する血液の量も当然減っていきます。

人生の最期を迎える直前には、上の血圧は100mmHg以下よりも、もっと下がってきます。

そして徐々に下降していき、やがては測ることができなくなります。

高齢者の血圧についてのまとめ

今回は高齢者の血圧について説明してきました。

ではまとめてみましょう。

高齢者の低血圧の種類

  • 本態性低血圧
  • 二次性低血圧

 

高齢者に多いのは急性低血圧

  • 起立性低血圧
  • 食後低血圧
  • 入浴後低血圧

 

血圧の拡張期が低い原因は、心臓が収縮・拡張したりする時に重要な役割をする大動脈の血管が老化で硬くなり、収縮機能が低下することが原因です。

血圧が低いと言われる数値は世界保健機関(WHO)では

収縮期の血圧(上の血圧)が100mmHg以下
拡張期の血圧(下の血圧)が60mmHg以下
を低血圧と定義しています。

 

血圧というのは、その人の身体の信号となる本当に大切な機能です。

高齢になると、体調の変化に伴ってすぐに上がったり下がったりして、身体の不調を知らせてくれます。

普段から血圧の状態をチェックして、どこか体調が変だなと感じたらすぐに測って記録しておくなどすると、もし受診した場合などには参考になるのでおすすめです。