看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『インフルエンザの予防薬イナビルやタミフルの効果は?値段は自費か保険適応か?』というタイトルでお送りします。


インフルエンザにかかった時に病院から処方されるお薬を飲んだことはあるでしょうか。

インフルエンザの検査を受けて、陽性になったら処方されるお薬に「イナビル」「タミフル」というお薬があります。

インフルエンザの薬 タミフル

これらは抗ウィルス薬といって、インフルエンザウィルスが増え続けるのを抑えてくれる効果があります。

抗ウィルス薬によって、ウィルスの増殖が止まって、私達の身体は重症化せずに早く回復していきます。

しかし、この抗ウィルス薬には、もうひとつの使われ方があるのです。

それはこの抗ウィルス薬を「インフルエンザを予防するために使う」方法です。

実はイナビルやタミフルに代表される抗ウィルス薬は、他にもあります。

例えば、「リレンザ」という吸入するタイプの抗ウィルス薬です。

2004年のタミフルの予防薬承認の後、リレンザは2007年に予防薬として認可されたお薬です。

これは1日1回、口からの吸入で、連続して10日間行わないといけません。

10日間なので、少し面倒ですが…(><)

そして、最近よく使用される抗ウィルス薬としては、イナビルとタミフルが中心となっています(^^)

今回はインフルエンザを予防してくれるお薬、「イナビル」と「タミフル」について色々ご紹介しますね(^^)



 

インフルエンザの予防薬であるイナビル・タミフルってどんなお薬?

ではイナビルとタミフルがどんなお薬なのか、その効果や服用量・服用方法、お薬の値段などを説明していきますね(^^)

イナビルってどんなお薬?

イナビルは、2010年にインフルエンザウィルス感染症の治療薬として承認され販売許可が下りています。

そして2013年に予防薬としての承認が下りています。

イナビルというのは、飲むお薬ではなく、薬の入った使い捨ての吸入器となっています。

インフルエンザの予防薬 イナビル

◇イナビルの使用量・使用方法は?◇◇
1容器で20mg入っており、10歳位上の場合は…
2容器(40mg)を連続して吸入する
1容器(20mg)ずつを2日連続で吸入することもできます。
10歳以下の場合は1容器のみの投与となります。

リレンザは10日間連続で吸入しないといけないので、ちょっと面倒で吸入を忘れそうになるかもしれません。

でも、イナビルの場合は1回もしくは2回ですぐ済みますので、イナビルのほうがおすすめですね。

イナビルは、医療機関で吸入の使用方法を説明してくれます。

説明書もきちんと同封されていて、簡単な操作で吸入できます。

私自身もこれまでに何回か予防投与としてイナビルを使用したことがありますが、容器の中に粉の薬剤が入っており、これを思いっきり口から吸うタイプになっています。

吸い込んだ際に、少しだけ薬っぽい感じの味はありますが、決して、思わず吐きたくなるようなイヤな味ではありませんのでご安心ください。

では次にタミフルをご説明します(^^)

タミフルってどんなお薬?

インフルエンザウィルス感染症の治療薬として、タミフルはイナビルより早くに発売されています。

インフルエンザの薬 タミフル

タミフルは1996年に開発されて、日本では2001年に承認されて、販売許可が下りています。

そして2004年に予防薬としての投与を許可されました。

身体の中のインフルエンザウィルスの増殖を防いでくれる効果があります。

タミフルというのは、カプセルになっている飲み薬とドライシロップになっているものがあります。

インフルエンザの予防薬 イナビルのドライシロップ

ドライシロップは幼児に処方させることが多く、大人はほとんどカプセルの処方になります。

◇タミフルの服用量・服用方法は?◇◇
服用量、服用方法は次のようになります。

・既に感染した患者さんに治療薬として使用する場合
 1回に1カプセル(75mg)で1日2回服用して、5日間服用

・予防としての投与
 1回に1カプセル(75mg)で1日1回服用して、10日間服用

となり、水と一緒に服用します。

1日あたりに服用する予防薬の量は、治療薬の半分ですが、服用期間は長いので、結果として服用量は一緒ですね(^^)



インフルエンザの予防薬としてのイナビルやタミフルの効果は?

インフルエンザウィルスが増殖する時に「ノイラミニターゼ」という物質が必要になってきますが、この物質の作用を阻害するのが、イナビルやタミフルの役目です。

もし、インフルエンザウィルスが身体に入り込んできても、タミフルやイナビルを使用している間は、インフルエンザウィルスの増殖は抑えられるということです。

そして、インフルエンザの発症を抑えることができます。

予防投与の場合には、インフルエンザウィルス感染の患者さんに接触してから36時間以内に投与をした際に最も予防効果が出ると言われています。

少しでも早めの投与が勧められています。

そして、実際の効果が持続する時間ですが、タミフルに関しては、タミフルを服用している期間(10日間)の効果があります。

イナビルに関しては、吸入してから10日目までの効果があると言われています。(10日以降の効果の確認はされていません。)

これらはA型インフルエンザ、B型インフルエンザの両方に効果があります。

しかし、C型インフルエンザに対しての効果はありません。

C型インフルエンザというのは症状も軽い風邪くらいのものなので、予防も治療も確立されていないのが現状です。

では、予防薬としてのイナビルやタミフルは誰が希望しても、処方してもらえるのでしょうか?

イナビルやタミフルといった抗ウィルス薬はどういった人に処方してもらえるのでしょうか。

予防投与といっても、全く感染の危険性のない環境にある人への投与は基本的にはしません。

予防目的で投与をするケースとは、

  • インフルエンザが重症化しやすいリスクの高い人
  • 呼吸器疾患、心臓疾患のある人
  • 糖尿病や腎臓病のある人
  • 高齢者(65歳以上)

などです。

また、病院内や家族・施設において、共同で生活を営む人などにインフルエンザウィルス感染者が出てしまった場合も予防薬として投与されます。

私達は、インフルエンザにかかってもないのに受診して、「インフルエンザを予防したいので、タミフルやイナビルを処方してください!」なんて言っても、先生は処方してくれません。

もし、希望者すべての人にイナビルやタミフルを処方していたら、感染してしまった患者さんへの処方が在庫不足でできなくなるかもしれません。

それだけは防ぎたいものですね(^^;

では、インフルエンザの予防薬としてイナビルやタミフルを処方してもらうには、どれくらいの費用がかかるのかご説明しましょう(*^^*)

インフルエンザ予防薬としてのイナビルやタミフルは値段はいくら?自費か保険適応内か?

インフルエンザにかかってしまった場合は保険適応内で、抗ウィルス薬も処方してもらえます。

しかし、インフルエンザの予防薬として処方してもらった場合には自費診療となります。

保険適応内の診療はできず、自費での全額自己負担となります。

タミフルを処方された場合にかかる値段

タミフルカプセル(75mg)の1錠にかかる薬価は283円です。

用量として、全部で10錠ですので、2830円となります。

そこに、診療費や処方量、調剤技術料や薬学管理料などが諸々かかってきます。

初診の場合、全部で5000円~7000円ほどかかってきます。

イナビルを処方された場合にかかる値段

イナビルの薬価は約2140円です。

もし10歳以下のお子さんでしたら、イナビルは1回投与ですので1本の値段で済みます。

10歳以上でしたら、ほぼ2本を投与するとして、2140円×2ですね。

そして、診療費や処方量、調剤技術料や薬学管理料などが諸々追加されて、初診の場合7000~8000円ほどかかってきます。

インフルエンザの予防薬として、主にイナビルやタミフルが使用されているのですが、医師はこれらをどういう選び方で処方しているのでしょうか?



イナビルやタミフルの処方はどう選んで処方しているの?

イナビルは吸入するお薬です。

そして吸入する時は、思いっきり口から吸って、3秒程度息を止めておかないといけません。

その行為をすることができる人は、イナビルを投与することができます。

しかし、幼児でまだ吸い方を理解できなかったり、高齢者で認知症などがあり、理解が得られなかったりする場合には投与できません。

その場合には飲み薬のタミフルが処方されます。

そして、10歳代の子供だと、タミフルによる異常行動が懸念されていますので、イナビルの方を選択するということも考えられます。(異常行動に関しては、タミフルが異常行動の原因だという事実はありません。)

どちらでも選択できる大人であれば、服薬方法などの利便性を考えて、医師と相談した上で決定していくことが多いでしょう。

まとめ

今回はインフルエンザの予防薬としてよく使用されている、イナビルとタミフルについてご紹介してきました。

予防として、イナビルやタミフルを投与できるのは限られた人が対象になり、全ての人が受けられるわけではありません。

しかし、インフルエンザの感染を少しでも拡大させないようにするには、やはり予防です。

予防の基本はやはり、手洗いやうがい・マスクの着用などですね。

これら簡単にできる対策は早め早めにとっていきましょう (^^)