今回は、『麻疹(はしか)の予防接種の回数や費用はどれくらい?副作用はあるの?』というタイトルでお送りします。
2018年4月に入り、沖縄で麻疹(はしか)の感染者が急増しているというニュースが入ってきました。
日本では、予防接種の普及などによって国内で麻疹(はしか)に感染する患者さんは2015年には排除されたと世界保健機関(WHO)から認定を受けていました。
しかし、今回、海外から訪れた人が感染源となって、日本国内で麻疹の感染者数が急増しているのです。
麻疹は感染力が非常に強いため、このままいくと都市部でもどんどん感染者が増加していくことが予想されます。
そんな中、麻疹に感染しないための予防対策の中で唯一確実な方法は、予防接種を受けることなのです。
現在、乳幼児の麻疹の予防接種は優先的に行われていますが、今回は大人の予防接種について説明していきたいと思います。
麻疹(はしか)予防接種が必要な人とは?
予防接種の回数や費用などについて説明するまえに、予防接種が必要なケースを伝えておきたいと思います。
麻疹にならないための予防対策として、確実な方法は予防接種を受けることですが、すべての方に予防接種が必要だということではありません。
これまでに麻疹に感染したことがある人、そして2度の予防接種を受けた人に関しては新たな予防接種は必要ではありません。
私たちは産まれてすぐには母親からの免疫があるので、麻疹には感染しませんが免疫がきれてくる頃から予防接種を開始します。
そして、現在でも乳幼児には2回の定期的な麻疹の予防接種が優先して行われています。
麻疹の予防接種は、2回の接種で免疫がつくと言われています。
しかし、世代によっては定期的な予防接種を1回しかしていない世代があるのです。
1回しか予防接種をしていないと、20人に1人は免疫がつかないと言われています。
そのため、2006年には1回しかしていなかった予防接種を2回に増やし、また、1回しかしていない世代の方にも追加で接種を行いました。
その結果、1990年4月2日以降に産まれた方においては、多くの人が免疫を持っているとされています。
ですが、それ以前に産まれた方については、麻疹に感染していないとなれば免疫が十分でないと言えます。
その場合には予防接種が必要となります。
また、自分が幼少のころに麻疹に感染したかどうかがはっきりせず、記憶が不確かであるならば抗体の検査をしたほうがいいでしょう。
そのうえで免疫がないとなれば、やはり予防接種が必要です。
では、予防接種が必要な方の回数や費用に関して説明していきましょう。
麻疹の予防接種の回数は?
上記に書いてきたように、麻疹の予防接種は2回行うことで免疫ができます。
ですので、もしも1回も接種したことがないという方がおられたら2回の接種を、予防接種を1回しか接種していない世代であれば追加で2回目の接種が必要です。
そして、上記でも説明しましたが、これまでに麻疹に感染したかどうかの記憶が曖昧な場合や、予防接種を受けたかどうかも覚えていない場合には抗体の検査を受けて免疫があるかどうか調べることもできます。
その結果で、担当の医師と相談して必要な回数の予防接種を受けるようにしましょう。
また、抗体の検査を受けずに、予防接種を受けることも可能です。
例え、免疫があったとしても新たに予防接種を受けることで特に身体に問題が起こることはありません。
麻疹の予防接種の費用はどれくらい?
現在の麻疹の予防接種の費用は、風疹との混合ワクチンが使われていて全額自己負担となります。
また、もし抗体検査をするとなれば、それも自己負担になります。
抗体検査は数千円(地域によって変わってきます)、ワクチン接種費用は1万数千円かかってきます。
ただし、地域によっては、妊娠を希望する女性やその配偶者などを対象に費用の助成を行っているケースがあります。
これは、妊娠中の女性が麻疹や風疹などの感染してしまうと流産や早産などを起こしやすいので、安心して出産・育児ができるようにするためです。
ですが、地域によって助成の制度は違いますので、お住まいの地域のホームページなどで確認してみましょう。
では、予防接種には副作用があるのかについて説明しましょう。
麻疹の予防接種には副作用がある?
麻疹の予防接種の副作用として、接種後の5~10日くらいで熱が出ることがあります。
そして、この際、発疹が出ることもあります。
これは、麻疹のワクチンの中に存在する弱毒化したウイルスが身体の中で増殖するために起こる症状です。
ですので、軽い麻疹にかかったという感じで、もちろん、そこから他者への感染の心配はいりません。
この場合の症状は1~2日くらいでなくなります。
また、まれに熱性けいれんや脳炎(100~150万人に1人くらいの割合)などの発症の可能性もあります。
麻疹(はしか)の予防接種の回数や費用などについてのまとめ
今回は、麻疹の予防接種の回数や費用などについて、説明してきました。
ではまとめてみましょう。
麻疹の予防接種は、2回行うことで免疫がつき効果が得られます。
ですので、一度も接種していなければ2回の予防接種、1回は済んでいるのなら2回目の接種を行います。
予防接種の費用は、全額自己負担となり、およそ1万数千円かかります。(地域によって違ってきます)
また、妊娠を希望している女性やその配偶者に対しては費用の助成をしている地域もありますので、該当される方はお住まいの地域のホームページで確認しましょう。
麻疹のワクチンは弱毒化した生ワクチンなので、接種すると体内でウイルスが増殖するため軽い麻疹にかかったような症状が出ます。
例えば、熱が出たり発疹が出たりしますが、1~2日くらいで消失します。
今回、沖縄から他府県にまで国内の感染者が増加していますが、自分がその地域に行かなければ安心ということではありません。
麻疹というのは、大人でも感染すると免疫力が低下し、衰弱してしまうとてもつらい症状になります。
ですので、感染を予防するために今一度、自分自身、もしくは家族の予防接種の状況などを確認しておくことが大切であると思います。