今回は、『胃腸炎の予防接種はある?ヨーグルトやヤクルト等食べ物や薬で予防できる?』というタイトルでお送りします。
胃腸炎は、嘔吐(おうと)や下痢などの症状が強くて、本当につらい病気です。
食べても吐いたり、お腹がキュルキュル痛んだり、下痢でおしりは痛くなるし、苦痛なことばかりです。
そんな胃腸炎には、インフルエンザの予防接種みたいなワクチンなどはあるのでしょうか?
今回は、
- 胃腸炎の予防接種はあるのか?
- ヨーグルト・ヤクルトのような食べ物や薬などで予防できるのか?
などについて説明していきたいと思います。
胃腸炎の予防接種はあるの?
胃腸炎には種類があって、その中でも「ロタウィルス」に対してのみ予防接種があります。
そのほかの、胃腸炎の原因となるノロウィルスやO-157・サルモネラ菌などの胃腸炎に対しては、特に予防接種はありません。
では、予防接種のある「ロタウィルス」に関して、少し説明しましょう(^^)
ロタウィルス胃腸炎はどんな病気?
ロタウィルスは1月初旬から、乳幼児の間で流行り始める胃腸炎です。
ロタウィルスの胃腸炎は急な嘔吐に続いて、白っぽい下痢便が出るのが特徴です。
ほとんどの場合、治療せずに回復していくのですが、時に症状が重くなり入院が必要となるケースもあります。
ロタウィルス感染の胃腸炎は、乳幼児より大きい子供でもかかる可能性はありますが、比較的症状が軽く済みます。
しかし、生後半年から2歳までの乳幼児は重症化しやすいのです。
ロタウィルス胃腸炎のワクチンとはどんなもの?
ロタウィルスのワクチンを接種することで、嘔吐や下痢を軽くしたり、防いだりして、重症化する確率を約90%も減らせるということがワクチンの製品の臨床試験の結果として報告されています。
臨床試験の結果は以下の「医薬品情報データベース」内にある「ロタリックス内用液」の説明PDFを参考にしてください。
ロタリックスというのはロタウィルスのワクチン製品の一つです。他にはロタテックなどの製品があります。
ロタリックスが、重症ロタウィルスの胃腸炎の発症を92%予防し、軽症も含めたすべてのロタウィルスの胃腸炎の発症を79%予防したという臨床試験の結果が記載してあります。
(少し分かりづらいかもしれませんが、データ3枚目にある臨床成績の有効性の部分ですね。)
▶ http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00059713.pdf
ロタウィルスワクチンは飲むタイプの生ワクチンです。
接種する対象は乳幼児のみで、任意(希望する人のみ)の接種です。
接種は生後2ヶ月から、4週間隔で2回の接種を生後24週までに完了させます。
現在、胃腸炎の予防接種として唯一使用されているワクチンがロタウィルスワクチンです。
では、胃腸炎を予防するために、予防接種以外に何か予防法はあるのでしょうか?
次に、胃腸炎の予防方法についてまとめてみました。
胃腸炎の予防法にはどんなことがある?
胃腸炎を予防法には次のような方法があります。
- 手洗いの励行
- マスクの着用
- 手指に傷を作らない
- 食べ物は加熱処理をする
- 調理器具は清潔に保つ
などです。
胃腸炎の原因となるウィルスや細菌などは、接触感染や経口感染などで、人から人へと感染していきます。
細菌が原因となる胃腸炎だと、細菌は食物などどこにでも付着している可能性があります。
ですので、調理や食事をする時に前後で手洗いをすることは大切です。
そして、手指に傷などがあると、そこに菌が付いている可能性があります。
細菌によっては、加熱しても毒素が死なない菌もいますので、傷に菌がついてしまうと感染する可能性もあるのです。
手指に怪我をした場合は注意しましょう。
また、ノロウィルスは十分な加熱処理が有効です。
調理のときに、食材は十分加熱処理するようにしましょう。
では次に、胃腸炎はヨーグルトやヤクルトなどの食べ物や薬で予防できるのかについて、説明していきます。
世間ではよく「ヨーグルト」や「ヤクルト」が胃腸炎に効果があると言われていますが、
実際にヨーグルトやヤクルトは胃腸炎の予防効果があるのでしょうか?
ヨーグルトやヤクルトなどの食べ物や薬で胃腸炎を予防できる?
- 1 胃腸炎の予防接種はあるの?
- 2 胃腸炎の予防法にはどんなことがある?
- 3 ヨーグルトやヤクルトなどの食べ物や薬で胃腸炎を予防できる?
- 4 胃腸炎はお薬で予防できる?
- 5 まとめ
ヨーグルトやヤクルトには、胃腸炎を予防する働きがちゃんとあります。
ヤクルトには腸の中の善玉菌を増やしてくれ、悪玉菌を減らしてくれる働きがあるのです。
そのため、腸内環境が整ってきます。
腸内にはたくさんの免疫細胞が存在していますので、腸内環境が整ってくれば、免疫の力が上がってくるわけです。
免疫力が上がれば、ウィルスや細菌に対する抵抗力がつきます(^^)b
また、ヨーグルトには「ラクトフェリン」という初乳(最初に出る母乳)の中にあるものと同じタンパク質の成分が入っています。
このラクトフェリンには、ノロウィルスが増殖するのを抑える働きがあります。
ラクトフェリンが腸の中で膜を張ってガードをしてくれて、ウィルスが侵入してくるのを防いでくれるのです。
そして、ヨーグルトにはビフィズス菌も入っているので、腸内環境を整えてくれます。
このように、ヤクルトやヨーグルトには、胃腸炎を予防してくれる効果があるのです。
乳酸菌でも腸に届くまでに死んでしまったら、腸には何の効果ももたらしませんが、最近では生きて腸まで届く乳酸菌の入ったヨーグルトなどもたくさん売られていますね。
私がオススメなのは、やはり森永乳業の「ビヒダスヨーグルト」ですね(^^)
この無糖のヨーグルトに、フルーツなどを入れて食べています。
整腸作用はもちろん、抗アレルギー作用などもあって、その有効性や安全性などはとても高い、特定保健用食品なのです(^^)
色々商品はありますので、上手に選んで、胃腸炎を予防していきましょう(^^)
そして次に、お薬では胃腸炎を予防できるものはあるのかどうかについて説明しましょう。
胃腸炎はお薬で予防できる?
胃腸炎にかかってしまうと、すぐに効果が出るようなお薬はありません。
そして、予防に関しても同じなのです。
ただ、お薬の中には腸の状態を改善してくれるお薬があります。
よく聞く名前のお薬だと思いますが、「ビオフェルミン」というお薬です。
このお薬は胃腸炎などで、嘔吐や下痢がある時によく先生が処方してくれるお薬です。
ビオフェルミンは、ウィルスを退治してくれるわけではありません。
ビオフェルミンは腸内の悪玉菌を退治してくれて、腸内環境を整えてくれる働きがあるのです。
ですので、腸内にたくさん存在する免疫細胞の力がアップして、結果的にウィルスに対する抵抗力がつくということです。
胃腸炎を未然に防いでくれるわけではありませんが、胃腸炎になりにくい抵抗力のある腸内環境を作ってくれるという意味では、予防に協力してくれる?と言ってもいいのでしょうか(^^)
そして、胃腸炎にかかってしまったら、下痢症状で弱ってしまった腸を早く元気にするのを手伝ってくれます。
私の感想では、地味だけど、でもなかなか仕事もするというのがビオフェルミンだと思っています(^^)
ビオフェルミンは市販薬でも売られていますので、上手に使ってみるのもいいと思います。
まとめ
今回は、胃腸炎の予防接種はあるのか、またその他の予防法、そしてヨーグルトやヤクルト、お薬には胃腸炎を予防する効果があるのかについて、まとめてみました(^^)
腸内環境を整えてくれる食べ物には、ヨーグルトやヤクルト以外にもたくさんあります。
例えば、日本食の一汁三菜は腸内環境を整えるのにはとても優れた食事です。
主菜は焼き魚、副菜に野菜の煮物、ほうれん草や納豆を使い、わかめと豆腐の味噌汁などにすれば最高の献立になりますね。
消化吸収がよくて、質のよいタンパク質で、食物繊維やビタミンも野菜に多く含まれていますので、腸内環境にはとても良いです(^^)
それらを摂取して、普段から、腸内環境を整え免疫力を高めるということは、胃腸炎以外の病気にも効果があります。
食事を選ぶということは、とても大切なことですね(^^)