今回は、『糖尿病の原因になる食事は?甘いもの(砂糖)やお酒(アルコール)?』というタイトルでお送りします。
糖尿病の患者数はどんどん増加しています。
検査をしていないだけで、実は糖尿病である人もたくさんおられるようです。
糖尿病というのは、ただ単に甘いものや脂っこいものを食べ過ぎているとかかりそうなイメージがあると思います。
確かに「尿に糖が出て糖尿病というくらいだから、甘いものを食べすぎたらかかるんだろう」とそんな風に思っている人は多いんではないでしょうか?
今回はそんな糖尿病の原因になる食事に関して説明していきたいと思います。
糖尿病は食べ物など生活習慣が原因でかかってしまうの?
糖尿病の原因になる食事はどんなものがあるのかを説明する前に、本当に食べ物などの生活習慣が原因で糖尿病になるのかについて説明していきたいと思います。
糖尿病は食事などの生活習慣だけが原因でかかる病気ではありません。
食べ物だけで糖尿病になるわけではないのです。
では、「全く食べ物は糖尿病と関係ないのか?」というとそうではありません。
食事というのは糖尿病に大いに関係あります。
では、どんな関係があるのか?
糖尿病と食事の関係について説明していきたいと思います。
糖尿病とはインスリンの働きが十分でないために、食事から摂ったブドウ糖が有効に活用されずに、血液中の糖分の量が多くなっている状態のことです。
インスリンというのはすい臓の細胞から出るホルモンで、ブドウ糖を有効に活用して血液の中の血糖値を下げてくれる働きがあります。
ですから、インスリンが出なくなるということは血糖値が上昇してしまうということです。
その糖尿病には主に2つのタイプがあります。
それは、
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
です。
まず、1型糖尿病というのは主に自分の免疫システムの異常によって起こるものです。
すい臓の細胞を敵とみなし、細胞を壊して、インスリンを作ることができなくなってしまうのです。
なので、1型糖尿病は食事などの生活習慣とは全く関係なく糖尿病を発症します。
では、2型糖尿病はどうでしょうか?
2型糖尿病は、
- 体質(遺伝)
- 肥満
- 高カロリーな食事
- 食べ過ぎ
- 運動不足
などが原因として考えられます。
この原因をもう少し詳しく説明しますと…
もともと家族に糖尿病の患者さんがいたなどの体質的に遺伝の要素がある上に、甘いものや脂っこいものを摂り過ぎたりしながら、しかも運動不足であったりするとどんどん肥満になっていきます。
身体が肥満になると、すい臓から出るインスリンは効きにくくなると言われています。
そんな効きにくい状態なのに、それでもまだ食べ過ぎているとインスリン分泌量はどんどん減っていき、やがては分泌されなくなってしまいます。
その結果、ブドウ糖は有効に活用されずに血糖値が上がってしまうのです。
このように特に1型糖尿病よりも2型糖尿病は、高カロリーな食事や食べ過ぎなどが大きな要因となってきます。
ただ、食事だけが原因として考えられるわけではなく、遺伝的要素や運動不足などの生活習慣が関わっていること、そして、食べる内容だけでなく量がとても大切になってくるといことを知って頂きたいと思います。
では、それがわかった上で、糖尿病の原因になりうる食事について説明していきましょう。
糖尿病の原因になりうる食事は?
では、糖尿病の原因になりやすい食事にはどんなものがあるでしょう?
次のようなものはどうでしょう…
・甘いもの
・砂糖がたくさん入ったお菓子類
・ラーメンなど麺類
・ビールなどのアルコール類
・ジュースや炭酸飲料
これらを食べると糖尿病になりそうではないですか?
これらの食べ物については、実は「この食べ物が原因です!」というものはないんです。
絶対に食べてはいけないものはありません。
ただ、食べ過ぎがよくないのです。
なぜなら、糖分を摂り過ぎると体重が増えます。そして、肥満は糖尿病を悪化させます。
また、お菓子などを食べ過ぎるとお腹が満腹になって、糖尿病にならないために必要なバランスの取れた食事が摂れなくなります。
上記で挙げた食べ物は確かに糖質が多く含まれていてカロリーも高いものになります。
ですが、食べる量を注意して、適量を摂るのであれば問題ないということなのです。
2型糖尿病というのは、最初の頃からインスリンの分泌量も不足しているわけではありません。
でも、食べすぎて肥満などの状態になってしまうと、それで分泌されたインスリンの効果が出にくくなると言われています。
そのため、血糖値が高い状態が続くと、すい臓の細胞はまだまだインスリンを分泌するようにと出し続けることを強いられて、最後にはすい臓も疲れてきて、もうインスリンを出せなくなってしまうのです。
こうして、糖尿病が悪化していくわけですね。
こうした高カロリーで糖質の多く含まれている食べ物に関しては、あまりたくさん食べ過ぎないようにしないといけません。
そして、注意すべき点もあります。
糖分の多く入った甘いお菓子や飲みものなどは食べたからといってすぐに糖尿病になるわけではないのですが、これら糖度の高いものを食べると一気に血液中の糖分は増えます。
もしも、もう糖尿病にかかっていて血糖のコントロールをしている場合には、このように急に血糖を上げるような糖度の高い食べ物は控えるべきです。
いくら適量とは言え、毎日毎日食べているとそれは糖尿病の進行、悪化に繋がっていきます。
また、糖度の高い食べ物(例えば、ケーキ類や甘いジュースなど)は急激に血糖を上げることで、血管の中の濃度が高くなります。
その濃度を薄めようと血管の外からたくさん水分を吸い込もうとして高い圧がかかることで血管の壁が傷みやすくなります。
こうした血管の細胞を傷つけるようなことを避けるため、なるべくケーキやジュースなど甘すぎるものは控えると良いでしょう。
では、もう少し細かく食事について意識しておいてほしいことを紹介していきます。
糖尿病の原因になる食事(甘いものやお酒など)を摂るときのポイントは?
では、食事(甘いものなど)とお酒などアルコール類に分けてみていきましょう。
甘いものなどの食事を摂るときのポイントは?
糖質が多く含まれている食べ物には次のようなものがあります。
・ご飯
・麺類
・パン類
・いも
・果物
・砂糖
ですので、主食であるご飯やパンの量を少なめにするのがポイントです。
極端に糖質を制限しなくてもいいのです。
例えば、ご飯を今まで1膳以上食べていた人は1膳だけにしたり、1膳でも大盛り食べていた人は少なめの1膳にしてみるなどです。
ご飯やパンの量を減らすのです。
そして、外食する時などにはラーメンと焼き飯のセットや、そばやうどんとカツ丼のセットなどを選ぶのが一番良くないです。
これらは結局、糖質が多くなってしまうのでかなりのカロリーオーバーです。
性別や年齢、運動量そして何か病気にかかっているかなどによって、摂取できるカロリーは違ってきますが、糖質は1日あたり約120~150gくらいに抑えておくといいでしょう。
1回の食事で約40g程度ですが、これは例えば、ご飯だと軽くお茶碗に半膳程度、食パンだと薄切りパン1枚くらいですね。
主食以外にも副食などからも糖質は身体に入ってくるので、だいたい170gくらいには抑えておきたいところです。
では次に「お酒などアルコール類」についてです。
お酒などアルコール類を摂るときのポイントは?
アルコール類も食事と同様で、適量であれば問題ないです。
ただ、アルコールを飲む量が増えると血糖値は当然上がっていきます。
そして、気分も良くなりますので、ついついおつまみのチョコレートやチーズの量も多くなったりします。
すると、体重が増えてしまって肥満になります。
やはりポイントとしては、飲んでもいいけど適量を守るということが大切です。
「適量」というのは人によって異なりますが、一般的には次のような量になります。
- ビールなら 350cc まで
- 日本酒や焼酎なら 1合 まで
- ワインなら グラス2杯 まで
これくらいに抑えて、週に2~3回程度ならば特に問題ないです。
糖尿病の原因になる食事などについてのまとめ
今回は糖尿病の原因となる食事などに関して説明してきました。
では、まとめてみましょう。
*糖尿病の原因になる食事はどんなもの?
糖尿病は甘いものやお酒を摂ることだけが原因になるわけではありません。
2型糖尿病に関しては、遺伝的な要素や肥満、運動不足などの原因が重なって糖尿病を発病します。
そんな中で、甘いものやお酒など糖質の多い食べ物を適量摂るのなら全く問題はありませんが、量が多くなると肥満のもとになり、糖尿病を発症させてしまう大きな要因となります。
なるべく、自身の適当な摂取カロリーの中で、糖質は120~150g程度/日に抑えておきましょう。
いくら甘いものを毎日食べている人でも糖尿病にならない人がいます。
毎日甘いものや高カロリーな食事を摂っているのに、なかなか太らないから周りから羨ましがられている人もいますよね。
でもそんな人でも太っていないけれど、実は糖尿病であったり、なりかけている人もたくさんいるんです。
ですので、「私は肥満体型ではないから大丈夫!」などと軽くみないで、糖尿病にはなっていなくても将来的なことを考えて、そうならないように十分注意していきましょう。