
今回は、『寝てる時に足がつる原因と対策?ふくらはぎが痛い時の治し方と対処法は?』というタイトルでお送りします。
寝ている時に急に足がつって飛び起きた経験をされた人って意外と多いんではないでしょうか?
足がつることを医学的には単に「筋痙攣(きんけいれん)」とか「有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)」などと言います。
一般的にはよく「こむらがえり」と言われていますね。
昔は「こむら」とはふくらはぎのことを言っていたそうで、ふくらはぎの筋肉がひっくり返ったような感じから「こむらがえり」と付けられた名前だと言われています。
私も寝ている時、特に明け方によく足がつっていた時期がありました。
足がつるっていうのは本当に痛くて、つらい思いをしますよね。
そんな時はどうすれば良くなるのでしょうか?
今回は、寝てる時に足がつる原因と対策などについて説明していきたいと思います。
寝てる時に足がつる原因はなに?
よくスポーツをしている時に、筋肉を急に動かしたり使いすぎたりして足がつることがあります。
でも、それだけではなくて睡眠中に急に足がつることがあります。
昼間の運動中ではなく、夜足を休ませている時なのになぜつるのでしょうか?
実は、色々な原因が考えられている中でも、明らかな原因は分かっていないというのが本当のところです。
しかし、そんな中でも「神経の異常な収縮」が、足のつりに大きく関連していることは確かで、この神経の異常な収縮の原因となっているのが「電解質バランスの崩れ」なのです。
では、この神経の異常な収縮と電解質バランスの崩れについて説明していきます。
足がつる原因:電解質バランスの崩れ
私達は、筋肉の収縮(しゅうしゅく・縮むこと)と、弛緩(しかん・伸びること)を調整しながら、身体を動かしています。
脳や脊髄(せきずい)から「動け」という信号が神経を通って筋肉に送られて、そして筋肉が収縮するのです。
そして次に、今度は逆に筋肉や腱のほうから信号が送られて、どの程度まで縮んだり伸びたりするのかなどが決まります。
このようにして、私達は電気信号を送りながらバランスよく筋肉を動かしています。
そして、こむらがえりはこの過程のどこかで異常な電気信号が伝わってしまって起こる異常な収縮です。
では、異常な収縮が起こるのはなぜでしょうか?
その理由が、体液中の電解質バランスが崩れることなのです。
電解質であるナトリウムやカリウムというのは、生命の活動の維持に必要なミネラルです。
ナトリウムは多くが細胞の外側に存在していて、細胞の内側に含まれるカリウムとバランスを保つことで細胞を正常に機能させています。
このバランスが安定していると、神経や筋肉の刺激伝達がうまく作動するのです。
でも、激しい運動のあとや多量の汗をかいた後などで脱水気味だったりすると、その電解質のバランスが崩れてしまいます。
その結果、神経や筋肉の伝達が上手く作動せずに、異常な収縮を起こしてしまうのです。
特に夜間は意外にたくさんの汗をかいているので、知らない間に電解質のバランスが崩れてしまいます。
なので、夜間で特に発汗後の明け方などに足がつる人が多いわけです。
また、電解質バランスの崩れ以外にも原因として考えられているものがあります。
それは、冷えによって血液の流れが悪くなることです。
足がつる原因:足元の冷えによるもの
睡眠中は体温が最も低くなっています。
また、例えば夏場のクーラーの中で足を放り出して寝ていたりすると足元が冷えたりすることもあるでしょう。
足が冷えると、血管も縮こまるので血液の流れが悪くなります。
すると筋肉も硬くなり、筋痙攣に繋がりやすくなります。
また、それが高齢者で動脈硬化があったり何らかの病気で血液の流れが悪かったりすると、更に状況は悪くなって足のつりも出やすくなるのです。
また、病気が原因で足がつることもあります。次に説明します。
足がつる原因:何かしらの病気によるもの
これは、例えば椎間板ヘルニアや脊椎間狭窄症(せきついかんきょうさくしょう)などの神経の伝達の役割をする脊髄(せきずい)に障害があったり、糖尿病や腎臓の病気などが潜んでいる可能性もあります。
これらの病気にかかっている人は、足のつりを起こしやすいと言われています。
では、足がつらないようにする対策について説明していきましょう。
足がつらないようにする対策
足がつらないようにするには次のような対策があります。
・睡眠前には、体液に近いイオンバランスの整ったスポーツドリンクなどを飲んでおく。
睡眠中、特に明け方などに足のつりやすい人はコップ1杯でいいので飲んで寝ると良いでしょう。
もし、寝てる時ではなく普段何もしていない時に起こる人でも同様に意識して水分補給したほうがいいですね。
・寝る前には冷えないように、室温やお布団の調整をしておく
夏場にクーラーをつけっぱなしにするならば、お布団での調整をうまくしたり、冬場は足元に湯たんぽなどを置いて保温するなどして工夫しましょう。
・運動の前にウオーミングアップと、運動後のクーリングダウンを行なう
普段、運動不足の人は軽い運動でも、足がつったりします。
運動の前には軽くで良いので、ストレッチをしたりして筋肉を動かすようにしましょう。
そうして普段から少しでも身体を動かしていれば、疲れが溜まりにくくなります。
また、運動した後は水分補給を忘れないでくださいね。
では次に、ふくらはぎが痛い時の治し方など対処法を説明していきます。
ふくらはぎが痛い時の治し方は?
こむらがえりというのは、身体のどこにでも起きます。
その中でも断然多いのが、ふくらはぎです。
ふくらはぎがつったら下の写真のように、つま先をお腹の方に反らせて、つった部分の筋肉を伸ばすようにしてください。
そして、もう片方の手でふくらはぎを擦ってマッサージしてください。
ただ、足のつりというのは寝ている時にいきなり来るので、パッと起きることができないことがありますよね。
そんな時には、かかとを突き出して、指先をお腹のほうに反らせるようにするといいですよ。
そして、もし向こう脛(むこうずね)がつった場合ですが、下の写真のように、ふくらはぎがつった時と逆の動きをしてください。
すると、向こう脛の筋肉が伸ばせます。
この時に膝を伸ばしていてはやりにくいので、膝を曲げて足半分あぐらを組んだようにして伸ばしてみてください。
そして、もう片方の手で脛(すね)を擦ってマッサージしましょう。
また、同時に湯たんぽやカイロなどがあれば、ふくらはぎや向こう脛を温めてやると早く治ると思います。
必ず、つっている側の筋肉を伸ばしてやる動きをするようにしましょう。
では次に紹介するのは、足がつる時の対処法としてよく医療機関などで処方してくれるお薬についてです。
足がよくつる時に処方されるお薬とはどんなもの?
足のつりがある時に処方されるお薬は、
- 筋弛緩薬(きんしかんやく)…筋肉の緊張を和らげるお薬
- 抗不安薬…精神的、身体的な不安や緊張が強いときに和らげるお薬
- 漢方薬…手足の骨格筋の緊張を緩めて痛みを和らげる漢方薬
この内、漢方薬で「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」というお薬があります。
↓病院でよく処方されるのは、ツムラの68番が多いですね。
↓市販薬はこんなパッケージです。
これは、全身のどこのつりにも効果があるとされる漢方薬なのですが、私個人の意見としてはこの漢方薬が一番効果があるように感じます。その理由は、、、
これまで、病気などが原因で足やその他の部位のつりを訴える患者さんが、この芍薬甘草湯を飲むことで症状が消えたとか、ましになったというのを何例も見てきました。
普通、漢方薬は一定期間飲み続けないと効果が出にくいと言われていますが、この漢方薬に関しては足がつった時やつりそうな時の予防として頓服でも効果が出やすいです。
私は一度、この芍薬甘草湯をちょっと舐めたことがあるのですが少し甘めの味で、苦い味の漢方薬が多い中、少しだけ飲みやすい感じでした。
ただこのお薬の飲みやすさや、効果に関してはやはり個人差があります。
ですので、全ての人にすすめられるわけではないので、足がつっていない時に、事前に試してみてください。
足のつりの原因や対策などに対してのまとめ
今回は足のつりに対する原因や対策、ふくらはぎが痛い時の治し方などについて説明してきました。
では、まとめてみましょう。
- 電解質バランスの崩れ
- 足元の冷えによるもの
- 何かしらの病気によるもの
- 睡眠前にスポーツドリンクなどを飲んでおく。
- 寝る前には冷えないように、室温やお布団の調整をしておく
- 運動前にウオーミングアップと、運動後のクーリングダウンを行なう
- ふくらはぎが痛いときは、つま先をお腹のほうに反らす
- 向こう脛がつったときは、ふくらはぎの時と逆のほうへ反らす
私の経験では、「芍薬甘草湯」という漢方薬が良く効くと感じています。
寝ている時に足のつりは本当に急に襲ってきて、とても痛くてつらいですよね。
足がつった時にはここで書いてある対処法などを試してみてください。
また、頻繁につる場合はスポーツドリンクなどを飲んでみることをおすすめします。
また、足つりが頻繁に続く場合には、他にも病気が隠れていることもありますので、我慢しすぎず医師に相談するようにしてください。