今回は、『クラミジアの女性の症状はかゆみや臭い?膀胱炎のような出血もある?』というタイトルでお送りします。
クラミジアというのは性感染症のひとつですが、感染したことがないとあまり聞き慣れない病気だと思います。
クラミジアの感染は男性も女性も感染する病気です。
性行為によって感染するので、性的活動の活発な若年層に多いのですが、中でも女性のほうが男性より多いと言われています。
最近では、初めて性行為(初体験)をする年齢が低くなってきているので、それに伴って、クラミジアの患者も低年齢化となっています。
今回は、クラミジアの女性の症状について次のような内容で説明していきます。
クラミジアの女性の症状の種類まとめ!
まずクラミジアの症状から説明します。
クラミジアの女性の症状は
- 淡い黄色っぽいおりものが増える
- 腹痛
- 性交の際の痛み
- 生理以外の出血
などがあります。
そして、特に多くの人が気にしている次のような内容について説明していきます。
- かゆみや臭い
- 膀胱炎
- 出血
- 喉の炎症
まず最初に、かゆみや臭いについて説明していきます。
クラミジアの女性の症状:かゆみや臭い
クラミジアの女性の症状として、性器のかゆみや臭いなどは特にありません。
実は、クラミジアに感染した女性の場合、約半数の方に何も症状が出ないんです。女性患者の約半数の人が無症状だということです。
ですので、受診するに至らず、よって治療もされず、自覚がないまま、パートナーの男性にうつしていることが多いので注意が必要です。
稀に、クラミジアの症状として出血がある場合もあるのですが、次にそのあたりに関して紹介していきます。
クラミジアの女性の症状:膀胱炎
クラミジアの女性の症状の中に膀胱炎のような出血が出る場合があります。
クラミジアが原因で起こる出血には、次の2通りがあります。
- クラミジアが原因で、膀胱炎が起こり血尿が出る
- クラミジアが原因で、卵管が炎症を起こして出血がある
まず最初に、膀胱炎による血尿について説明します。
クラミジアに感染している時でも、その細菌が尿道から膀胱に感染して、膀胱炎を起こすことがあります。
膀胱炎を起こすと、血尿や頻尿、排尿時の痛みなどが出てきます。
クラミジアが原因で、卵管が炎症を起こして出血することもあるのですが、膀胱炎の症状である膀胱からの出血は全く別のものです。
下の画像のように、膀胱と子宮系は全く違う臓器なので、クラミジアに感染すると、それぞれの臓器から出血する可能性があるということです。
膀胱炎の場合には、クラミジアの細菌に感染すれば、膀胱の粘膜が炎症を起こして出血し、血尿が出ます。
一方、クラミジアが原因で、卵巣が炎症を起こして出る出血は、後に説明していますが卵管からの出血です。
では、その卵管からの不正出血(生理時以外の出血)はどうして起こるのかについて説明していきましょう。
クラミジアの女性の症状:出血
クラミジアは、クラミジア・トラコマティスという細菌によって感染します。
まずクラミジアは女性の身体に中に入ると、子宮の入り口の子宮頸管に感染して、そこで炎症を起こして、子宮頸管炎となります。
そして、その奥の卵管という部分に感染が拡がってしまうと、卵管の内側にある細胞が破壊されます。
その細胞は、受精卵を子宮に運んでくれる役割があるので、それを破壊されれば、卵管で妊娠してしまう「子宮外妊娠」の可能性が出てきます。
また、卵管が炎症を起こすと、卵管内部が狭くなり、精子や受精卵が通過できなくなって、不妊症の原因となることがあるのです。
まさに、この時に、卵管で炎症を起こすと、その際炎症部分から出血してしまい、おりものに混じって血液が出ることがあります。
しかし、この時には下腹部痛などの痛みはほとんどなく、出血が少しずつダラダラと出ることが多いです。
そして、感染した細菌の数が多いと、卵管からお腹の中に感染してしまいます。
すると、腹膜(腹部のほとんどの臓器を覆っている膜)や肝臓といった子宮の周りの臓器にクラミジア感染が拡がります。
その際に下腹部痛が出てくるのです。
この下腹部痛と、卵管の炎症の際の出血が同時に出ることで、膀胱炎のような下腹部痛を伴った血尿と間違いやすくなってしまことがあります。
でも、膀胱炎の時に起こる下腹部痛は我慢できる範囲の痛みですが、クラミジア感染で起こる腹痛は徐々に強い我慢できない痛みになってきます。
ひどくなれば、救急搬送されるほどの痛みです。
女性が感染すると、男性よりも深刻な経過となる可能性が高いわけです。
それは、膣から子宮を通って、卵管から腹膜へという道が全て繋がっていて、どんどん奥に細菌が拡がっていきやすいからです。
卵管で炎症を起こして、一度、卵管が狭くなってしまうと、もう元に戻ることはないと言われています。
クラミジアが原因で起こる不妊症は、女性にとってはとてもつらい現実です。
次に、クラミジアの口腔内感染に関して説明していきたいと思います。
クラミジアの女性の症状:喉の写真画像
このクラミジアの喉への感染は、主にオーラルセックスによって感染します。
女性が、男性の性器に、口を使って接触した場合に、男性の性器から女性の咽頭に感染して起こります。
又は、その逆の可能性もあり、女性の咽頭に存在する細菌が、男性の性器に感染することもあるのです。
この際の症状として
- 喉の赤み
- 喉の痛み
- 喉の腫れ
- 熱が出る
などがあります。
このように、喉の奥が赤く腫れて炎症を起こします。
のどちんこの両側の扁桃腺(へんとうせん)まで感染します。
以上が、クラミジアに感染した際の女性の主な症状になります。
次は、女性の陰部にクラミジアが感染している状態で妊娠した場合について説明します。
クラミジアの症状がある女性が妊娠した場合はどうなるの?
クラミジアに感染しているのを気づかず妊娠していた場合、妊婦さんが産婦人科で受ける妊婦健診で発覚する場合が多いです。
そして、この場合、子供が産道を通るときに、クラミジアに感染してしまって、子供が結膜炎(けつまくえん・まぶたの裏や白眼の部分の炎症)や肺炎を起こす可能性があると言われています。
将来、子供を出産する意思のある女性の場合、その年代、その環境になったら、症状がなくても受診して検査してもらったほうが安心だと思います。
この記事のまとめ
クラミジアの女性の症状をもう一度まとめてみましょう。
- 淡い黄色っぽいおりものが増える
- 腹痛
- 性交の際の痛み
- 生理以外の出血
- 膀胱炎
性器のかゆみや臭いなどは特に感じません。
クラミジアという性感染症は、知らない間に感染して、無症状のまま時が過ぎ、腹膜に感染が及んで症状が出て初めて気づくといったパターンもあります。
徐々に若い世代に感染患者さんが増えてきていますので、女性の場合は安心せずに、特に出産を希望する場合にはきちんと検査をうけることをおすすめします。