今回は、『女性が淋菌に感染した時の症状は?喉や目にも出る?潜伏期間も説明!』というタイトルでお送りします。
淋菌(りんきん)という病原菌は、淋病という性感染症の原因となっている菌です。
淋病といわれても、自分や周囲の人に感染した人がいないとあまり興味も湧かないかもしれませんね。
ただ性感染症というのはどれも、自覚がない限り病院には行かない人も多いので、知らない間に自分が感染していたという話も多くあります。
そういった意味では、今症状がない人でも色んな性感染症について知識を深めていくのが大切だと思います。
今回は男性ではなく女性が淋菌に感染したときの症状について説明していきたいと思います。
女性が淋菌に感染した時の症状は?
淋菌というのは、酸性の強い環境の身体の部位では死滅してしまうという特性があります。
ですので、中性の環境である子宮頸管(しきゅうけいかん)という部位や尿道の中で増殖することが多いです。
そして、もし子宮頸管で感染してしまうと子宮頸管炎、尿道であれば尿道炎を発症してしまいます。
では、それぞれの部位に分けてその症状を説明しましょう。
淋菌が子宮頸管に感染した場合の症状は?
子宮頸管は下記の図にあるように、膣と子宮との間にあります。
この子宮頸管に感染してしまうと子宮頸管炎になります。
もし、子宮頸管炎になると初期症状としては、膿性(のうせい・ウミのような性状)のおりものが出ます。
しかし自覚症状のないことが多く、なかなか病院に受診に行かなくて発見が遅れるケースも多いです。
そして、もしそのまま気づかずに放置していると、卵管炎(らんかんえん)や骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)という病気を発症して、発熱や強い下腹部痛をきたすことがあります。
また、お腹の上のほうまで感染が拡がると、肝臓のほうまで炎症を起こしてしまうこともあります。
そうなると今度は、強烈な上腹部痛を起こします。
次に、尿道に感染した場合の症状を説明します。
淋菌が尿道に感染した場合の症状は?
淋菌が尿道に感染して尿道炎を発症すれば、
- 排尿時痛…おしっこをする時の痛み
- 頻尿(ひんにょう)…頻回におしっこが出る
- 残尿感(ざんにょうかん)…排尿後でもおしっこが残っている感じがする
などの症状が出ます。
また、咽頭や直腸に感染するケースがあるのですが、その場合には次のような症状が出ます。
淋菌が咽頭や直腸に感染した時の症状は?
喉に感染しても特別な症状が出ないケースも多いようです。
症状として挙げられるのは、
- 喉の不快感
- 喉の赤み
- 喉の痛み
などの症状です。
直腸に感染してしまうと、
- 不快感やムズムズしたかゆみ
- 下痢
- 血便(血の混じった便)
などの症状が出ます。
次に淋菌が目に感染した場合の症状について説明しましょう。
淋菌が目に感染した時の症状は?
病原菌を含んだ分泌物などが目の中についた場合には、結膜炎になる可能性があります。
淋菌により結膜炎になると、結膜やまぶたが腫れあがり、膿(うみ)を伴っためやにが大量に出てきます。
また、失明する可能性もあります。
そして更には、淋菌が血液に運ばれて全身に行き渡ってしまうと、全身的な病気を引き起こすことがあります。
淋菌が全身に拡がったらどんな病気になるの?
淋菌が全身に拡がってしまうと、心内膜炎、関節炎、髄膜炎などの病気を引き起こすこともあります。
症状はそれぞれの病気によって変わってきます。
では、これら淋菌に感染した場合、潜伏期間はどれくらいなのでしょうか?
淋菌に感染した場合の潜伏期間はどれくらい?
淋菌による性感染症は、性行為(オーラルセックス)によって感染します。
そして、潜伏期間はおよそ3~10日間です。
しかし、自覚症状が乏しい例が多いので感染しても実際に症状が出るまでにどれくらいの潜伏期間であったかははっきりわからないことが多いと思われます。
女性が淋菌に感染した時の症状についてのまとめ
今回は女性が淋菌に感染した時の症状について説明しました。
では、まとめてみましょう。
・子宮頸管に感染した場合…子宮頸管炎を発症し、膿をもったおりものが出ることがある。
自覚症状がないことも多く、その場合気づかず放置していると、卵管炎(らんかんえん)や骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)という病気を発症して、発熱や強い下腹部痛をきたすことがある。
また、お腹の上のほうまで感染が拡がり、肝臓のほうまで炎症を起こしてしまうと強烈な上腹部痛を起こす。
- 尿道に感染した場合…排尿時の痛み・頻尿・残尿感が出る。
- 咽頭や直腸に感染した場合…咽頭では症状が出ないことも多いが、出ても風邪程度の喉の症状である。
また、直腸の場合は、直腸の不快感や下痢、血便などの症状が出る。
・目に感染した場合…まぶたや結膜が腫れあがり、大量のめやみが出る。
およそ3~10日間である。
性感染症というのは、もし感染していたとしても自覚症状がない病気が多いです。
ですので、知らない間に感染していたということが多くあります。
そうすると、性感染症というのはもちろん性交渉によって感染するので、パートナーも同様に知らない間に感染していることが多いんです。
そうして、どんどん感染は拡がっていきますので、本当に注意が必要な病気です。
ただ発見が早くて適切な治療が受けられれば、ほとんどが完治します。
ですので、少しでも何か症状が出た場合は早期に病院を受診するようにしましょう。