看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『インフルエンザ潜伏期間中に検査反応は出る?陽性・陰性の結果は正しい?』というタイトルでお送りします。


もし、インフルエンザのような症状が出てきたら、なるべく早くその結果が知りたいですよね。

もしインフルエンザだったら、早くインフルエンザに効くお薬を飲んで、ゆっくり休んで治したいと誰もが思うでしょう。

聴診器・注射・カルテ

もし、インフルエンザのような症状が現れた時、

  • すぐ病院に行ったら検査してもらえるのでしょうか?
  • 行ったその日に、陽性や陰性など検査の結果が分かるのでしょうか?
  • 検査はどんな方法でするのでしょうか?

などと、なんだか色々分からないことがあれば、とても不安ですよね。

今回はそんなインフルエンザの検査に関することをご紹介します(^^)

まずは、よく聞く言葉だと思いますが「潜伏期間」ってどういう意味かご存知ですか?



 

インフルエンザの潜伏期間ってどういう期間のこと?

「潜伏期間」というのは、細菌やウィルスが私達の身体に侵入してから、その症状が現れてくるまでの期間のことを言います。

インフルエンザに限らず、ノロウィルスや麻しん、風疹、日本脳炎…など、たくさん感染する病気ってありますよね。

手のひらにウイルス模型

この感染症はみんなそれぞれに「潜伏期間」というものがあります。

そして、この潜伏期間は、それぞれの病気においてほぼ一定しているのです。

インフルエンザの潜伏期間もだいたい決まっています。

インフルエンザの潜伏期間は、基本的には1~3日間、長くて5日程度と言われています。

例えば、もしインフルエンザに感染している人に会って、感染してしまった場合、最短で1日、24時間後からインフルエンザの症状が出始める可能性もあるということです。

では、潜伏期間に自覚症状はあるのでしょうか?

潜伏期間中には何か症状が出るのか

実は、この潜伏期間の間、ウィルスは確実に増殖を始めていっている割には、自覚症状はほぼありません。

ウィルスは身体に侵入すると、気道から肺にくっついて、20分前後で徐々に細胞に到達して、そこから凄まじい勢いで増殖していきます。

そのスピードは、1個のウィルスが8時間で100個、16時間で1万個、丸1日で100万個と言われています。

なのに、潜伏期間の間には特に症状は出ないわけです。怖いですねよ。

では、この潜伏期間の間に病院に行ったらインフルエンザの検査はしてもらえるのでしょうか?

インフルエンザの潜伏期間中、インフルエンザの検査はしてもらえる?

特に症状が出ていない潜伏期間中に、病院に行ってもインフルエンザかどうかの検査はしてもらえません。

症状が何もなく、例えば、「学校や職場でインフルエンザが流行っているから心配なので」などの理由で受診しても検査はしてもらえません。

どんな病気の検査も、その症状がまだ出ていないのにわざわざ検査をすることはほぼないです。

そして、検査をしない理由はもうひとつあります。次にこの理由を紹介します。



インフルエンザの潜伏期間中の検査反応で陽性・陰性はわかる?

実は、インフルエンザの潜伏期間中、インフルエンザに感染したかを判定する検査をしても、陽性か陰性かなどの正しい反応は出ません。

どうしてというと、インフルエンザの検査は、ウィルスの量がある程度まで増えないと正確な判定ができないからです。

インフルエンザの潜伏期間中のウィルスの量では正確な検査反応が出ないということですね。

では、インフルエンザの検査を受けるにはいつ受ければ一番良いのかを説明していきます。

インフルエンザの検査はどのタイミングで受ければ正確な判定ができる?

インフルエンザの検査では、発熱してから12時間以上経っていれば正確な判定が可能となります。

12時間経過すれば、ウィルスの量は判定できる量にまで増殖しています。

インフルエンザの発熱は、38.0℃以上の熱が急に出るというパターンです。

ほとんどの医療機関では、正確な結果を得るために、発熱後12時間経っていることを確認してから検査をします。

ですので、熱が出てから12時間経てば病院に行き、検査してもらうといいでしょう。

インフルエンザの検査というのは、インフルエンザに感染しているかどうかを判定する検査で「迅速診断キット」というものを使います。

では、このインフルエンザの「迅速診断キット」を使った検査方法について少しご説明しますね(^^)

検査方法は、検査キットに付属している綿棒で、患者さんの鼻や喉の粘液をこすり取って採取し、検査液と混ぜて調べます。

鼻の奥の方に綿棒を突っ込んで、こすって採取することが多いです。

大人も子供も方法は一緒です。

鼻の奥の方の粘膜をこするので、少し痛いです(><)

結果は、15分後で、陽性か陰性のどちらかのシンプルな判定が出ます。

15分後と言われていますが、実は、ウィルス量が多ければ3分程度でハッキリ陽性に出ることがあります。

しかし、ウィルスの量など細かいことは分かりません。

インフルエンザの検査は少し痛みを伴いますので、検査は1回で済むよう、発熱後12時間してから受診するようにしましょう。



発熱して12時間以上経てば、いつ受診しても大丈夫?

発熱して12時間以上経てば、病院でインフルエンザの検査をしてもらえますが、それ以降はいくら遅くなっても良いというわけではありません。

その理由は、もしインフルエンザだったら、そのお薬が効く有効な時間が限られているからです。

インフルエンザのお薬は「抗ウィルス薬」と言って、インフルエンザウィルスの増加を抑えてくれて、症状が悪化するのを防いでくれます。

その抗ウィルス薬は、熱が出始めてから48時間以内に投与すると有効だと言われているのです。

  • 38℃以上の熱が出てから12時間以降に受診して検査をしてもらう。
  • 38℃以上の熱がでてから48時間以内に受診を済ませる。

ということですね(^^)

では抗ウィルス薬はなぜ熱が出てから48時間以内に服用しないといけないのでしょうか。

抗ウィルス薬を発熱後48時間以内に使用する意味とは?

抗ウィルス薬というのは、ウィルスを減らしてくれるわけではありません。

抗ウィルス薬は、ウィルスをそれ以上増やさないようにしてくれるだけです。

なるべく早い段階で、抗ウィルス薬を使用すればウィルスの量は最小限に留まり、そこから私達の身体は抗体を作りだして治りが早くなります。

しかし、熱が出てから48時間も経ちウィルス量がピークに達してから抗ウィルス薬を服用しても、意味がなくなります。

服用していないのとあまり変わらなくなるのです。

私達の身体は、例え抗ウィルス薬を服用しなくても1週間程でウィルスの抗体を自分で作ってインフルエンザを退治し始めて治す力はあるのです。

ただ自分の力だけでは、様々な症状が出てきてとてもしんどい1週間になりますし、重症化してしまう可能性もあります。

そこで、抗ウィルス薬の力を借りて、なるべく早くに治すために服用するのです。

そういった理由で抗ウィルス薬は48時間以内に使うのが良いとされているわけです(^^)

まとめ

今回はインフルエンザの潜伏期間について、検査方法やそのタイミングなどについてご紹介しました(^^)

インフルエンザにかかると、病院に行くだけで重労働になります。

身体がしんどい中でも、どのタイミングで受診すべきかを理解して動けば、少しでも早く回復に向かうことができると思います。

そのためにこの情報が少しでも役に立てば、と思います(^^)