今回は、『毎日チョコレートを食べると糖尿病になる?血糖値上昇への影響は?』というタイトルでお送りします。
チョコレートの成分はカカオの種子を発酵、焙煎させたカカオマスを主原料として、砂糖、ココアバター、粉乳などを混ぜた食べ物です。
原料となるカカオ豆には、ポリフェノールが豊富に入っていることでも有名です。
このポリフェノールは美容効果が期待できたり、抗酸化作用があり動脈硬化を予防したり、便通をよくしてくれるなど身体に良い効果がたくさんあると言われています。
そして、チョコレートにはそれだけでなく植物性油脂や乳化剤、香料や甘味料なども入っており、他にも様々な添加物が入っているものも多いです。
私はチョコレートをそれほど食べませんが、私の周りにはチョコレート大好きな友人が本当に多いですね。
チョコレートのような砂糖や油脂などを多く含む食品というのは、依存性や常用癖(じょうようへき・習慣性をもってしまう)を示すことが多いのです。
毎日のように食べている人も多いと思いますし、確かにチョコレートというのはストレス予防にもなり、満足感や幸福感を与えてくれるようです。
ただいくらポリフェノールが身体に良いとは言え砂糖や油脂など添加物も多く含まれているので摂り過ぎは良くありません。
今回はそんな多くの人を虜にするチョコレートと糖尿病の関係について説明していきたいと思います。
毎日チョコレートを食べていると糖尿病になる?
毎日大好きなチョコレートを食べていると、糖尿病になるのでしょうか?
その答えは、「必ず糖尿病になるとは言えないが、糖尿病になる可能性が上がる」ということです。
チョコレートを毎日食べていても、糖尿病にならない人もいます。
その人の体型や遺伝的な要素、持っている病気の有無などによって変わってきます。
しかし、それでも毎日食べ続けていると糖尿病になるリスクは上がります。
ただ、これはチョコレートに限って言っているわけではありません。
必ずしも「甘いものを食べる」から、ということではなく、慢性的にカロリーオーバーな食事を取り続けることが糖尿病を発症する原因になるということなのです。
例えば、スナック菓子やせんべいやラーメンなど、甘くなくても砂糖がたくさん入った食べ物はいくらでもあります。
糖分が多く尚且つ高カロリーの食事を取り続けるということは確実に糖尿病になるリスクを上げていきます。
では次に、甘いものを含む高カロリーな食事を毎日食べていることが、血糖値上昇へどう影響していくのかについて説明していきます。
高カロリーの食事が血糖値上昇へどう影響するの?
上記で、チョコレートだけに限らず、糖分の多い高カロリーの食べ物を摂り続けていると、糖尿病を発症する可能性が上がると説明しました。
では、毎日高カロリーのものを食べていると血糖値上昇にどんな影響を及ぼしていくのでしょうか?
まず食事を摂ると、血液の中を流れるブドウ糖の量が増加します。
すると、すぐにすい臓の細胞からインスリンというホルモンが出始めます。
そして、インスリンは細胞が血液の中を流れるブドウ糖を取り込んでいくのを助けてくれます。
こうして、細胞が取り込んだブドウ糖は身体のあらゆる臓器で代謝されて有効活用されていくわけです。
すると、血液の中の糖分は下がってきます。
糖尿病は、インスリンの量や作用が不足していくために、慢性的に血糖値が高い状態(高血糖)となる病気です。
そんな糖尿病のタイプには1型と2型があります。
2型糖尿病…複数の遺伝因子に、過食や運動不足、肥満やストレスなどの環境的な因子が加わり発症します。
そして、このうち最も患者数が多く、尚且つ増加し続けているのが「2型糖尿病」です。
2型糖尿病は、インスリンの働きが悪くなりますが、最初のうちからインスリンの分泌される量が少ないわけではありません。
肥満や内臓脂肪が多いことでインスリンが効きにくくなり、インスリンが分泌されているのに効果が出にくい状態になるのです。
このため、血液の中のブドウ糖が多い高血糖の状態が続いてしまいます。
それでも常に膵臓からインスリンを出すことを強いられるため、最終的には膵臓の細胞は疲れてきてインスリンが出なくなっていきます。
このことから、食べ過ぎや運動不足、そして肥満が2型糖尿病の原因になっていることは確実なのです。
糖尿病になっても多くの人が初期段階ではほとんど症状が出ません。
もし、このような糖尿病の初期の段階で、毎日慢性的にチョコレートなど甘いものを取り続けていくとどうなるでしょう?
恐らく、血糖値は常に高い状態で経過していき、糖尿病はどんどん悪化していき、すぐに末期の糖尿病になると思われます。
末期というのは、膵臓の細胞からインスリンがほとんど出ない状態です。
そうなると、もう体外から直接インスリンを注射する治療方法をしなくてはいけません。
そして、もう一つ注意しないといけないことがあります。
チョコレートなど砂糖を多く含む食べ物や飲み物、またケーキやジュースなどは血液の中の糖分を急激に上げていきます。
このような高い濃度のブドウ糖の存在は血管の細胞を傷つけると言われているんです。
血液の中で高血糖になると、その濃度を調整するために血管の外から水分を吸い上げようとします。
その吸い上げる圧が強くかかることで血管が傷ついてしまうのです。
このことは何らかの病気の治療で注射をするときでも同様なんですよ。
例えば、高濃度のブドウ糖は直接静脈には注射してはいけないんです。血管を傷めて、血管痛や炎症が起こるからです。
注射や点滴などで使えるブドウ糖はかなり薄めのブドウ糖になります。
身体の中に毎日慢性的にたくさんの量の糖分が入ってくるということは、血管にとっても悪いということです。
このように、ブドウ糖の摂りすぎは糖尿病の発症や悪化のリスクを上げてしまう可能性があります。
しかし、全く食べないほうがいいと言っているわけではありません。
遺伝などの関係で糖尿病になりやすい人もいれば、なりにくい人もいます。
2型糖尿病には遺伝の因子が大きく関わっているので、親族に糖尿病患者さんがいる場合は特に注意が必要です。
そうしたことをよく考え、遺伝の可能性があるならば一度受診するなどして、糖質の摂取量などについて指導を受けてみるとよいと思います。
毎日チョコレートを食べると糖尿病になるのかなどのまとめ
今回はチョコレートと糖尿病の関係について説明してきました。
では、まとめてみましょう。
全ての人がそうではありませんが、毎日糖分の多いチョコレートなどの食品を摂っていると、糖尿病が発症する可能性は上がります。
毎日甘いものを食べ続けることで糖尿病になるリスクは、その人の持っている病気や生活習慣などの背景によって違い個人差があります。
ただ、過食などで肥満になると膵臓から出るインスリンは効きにくい状態になり、血糖値が下がりにくくなります。
このような状態で更に毎日糖分の高い食べ物を食べ続けていると、血糖値は上昇したまま経過し糖尿病は悪化していきます。
チョコレートを好きな人は多く、中に入っている成分には身体にいいと言われているものもあります。
ただ、同時に糖分もしっかり入っていることを考え、どんなに好きでも毎日食べることは避け、適度な量を適度な日にちを空けて美味しくいただくということをおすすめします。