今回は、『帯状疱疹の治療方法はゾビラックスなどの塗り薬や点滴?入院が必要なことも?』というタイトルでお送りします。
帯状疱疹というのは、「水痘・帯状疱疹ウイルス」という小さな頃に感染することの多い水疱瘡のウイルスと同じウイルスによって引き起こされる病気のことです。
帯状疱疹によって出てくる症状については下記の記事をご参照ください。
今回は次のような疑問を解決できるよう、帯状疱疹の治療方法について説明していきたいと思います
「帯状疱疹はどんな治療がなされるのか?」
「(主に皮膚の症状なので)塗り薬がメインになってくるの?」
「もし重症になると入院も必要になってくるの?」
帯状疱疹の治療方法はゾビラックスなどの塗り薬や点滴?入院することもある?
帯状疱疹は、水疱瘡にかかった時のウイルスが神経の根元の部分に潜んでいて、体力や免疫力が低下したときに活性化して発症する病気です。
その神経の根元にいるウイルスを根本的に退治する治療法は現在のところありません。
ですので、帯状疱疹に対する治療方法としては、ウイルスの増殖を抑える薬物療法が主に行われます。
薬物療法は、主に「抗ウイルス薬」を使います。
お薬は「塗り薬」ではなく身体の中のウイルスの増殖を抑えるため、全身的に投与できる「内服薬」または「点滴」が選ばれます。
一般的には、外来を受診して帯状疱疹の診断がつけば、抗ウイルス薬の内服薬の治療になりますが、症状が重症だったり、重症になりやすい免疫力が低下した方は入院して点滴治療を行います。
(症状が重症というのは、湿疹がかなり悪化して感染を起こしていたり、高齢者や他の病気があり免疫力がかなり低いため様々な病気を引き起こすことが考えられる場合などです。)
では、お薬について紹介しましょう。
主に使用されているお薬は次の3種になります。
- ゾビラックス
- バルトレックス
- ファムビル
です。
これらは、すべて抗ウイルス薬であり、体内のウイルスの増殖を抑えて症状を最小限にして治療までの期間を短くする効果があります。
それぞれ、副作用も一緒に説明していきましょう。
抗ウイルス薬:ゾビラックスについて
ゾビラックスは商品名で、一般名(成分)は「アシクロビル」です。
吸収効率があまり良くないために、1日5回服用しないといけないのが難点です。
それ以外、効果や効能の面では後に紹介するお薬とあまり大差はありません。
軟膏など塗り薬もあり、水ぶくれがひどい状態であれば処方されることもありますが、やはり早期に治療を開始する際には内服薬が処方されることになります。
ゾビラックスの副作用は次のような症状です。
- 頭痛
- 眠気
- 吐き気
- 下痢
- めまい
などです。
ただ、これらの副作用の症状は必ず現れるわけではなく、用法や用量を指示通りに守って服用すればそれほど神経質になることはありません。
抗ウイルス薬:バルトレックスについて
バルトレックスは商品名であり、一般名(成分)は「バラシクロビル」です。
バラシクロビルは服用後に、ゾビラックスの成分であるアシクロビルに変化してしまうため、結果的にはゾビラックスと同じ成分であり効果も同じです。
ゾビラックスと違うのは、吸収効率が良くなるように改良されており服薬回数が少なく1日に2回服用するだけで十分に効果があります。
バルトレックスの副作用は次のような症状です。
- 頭痛
- 眠気
- 腹痛
- 下痢
- 吐き気
- 腹部不快
などがあります。
いずれの症状も必ず出るわけではなく、症例数も多くはありませんが眠気などの症状があるため、念のため車の運転等は控えたほうがいいでしょう。
抗ウイルス薬:ファムビルについて
最後にファムビルですが、この一般名(成分)は「ファムシクロビル」です。
ファムビルもバルトレックスと同等の効果があります。
バルトレックスよりも、錠剤のサイズが小さいため飲みやすいお薬だと言われています。
このお薬は1日3回の服用回数となります。
ファムビルの副作用は次のような症状がありますが比較的軽いと言われています。
- 頭痛
- 下痢
- 眠気
などですが、用法用量をきちんと守っていれば神経質になることはありません。
以上がお薬の紹介となります。
これらの抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖するスピードが速い初期の段階で早期に飲み始めることが大切です。
なるべく早期に飲み始めることで、湿疹が水ぶくれになってただれたり、悪化して痕(あと)を残すなどの症状を食い止めることができます。
また、抗ウイルス薬を服用する日数は7日間です。
この間に、症状がいくら軽くなっても絶対に飲み切らないといけません。
途中で飲むのを止めてしまうと、再度ウイルスが増え始める可能性があります。
また、十分な効果が得られず、症状が長引きます。
必ず指示通りに服用しましょう。
では、帯状疱疹の症状が出てきたら病院は何科に行けばいいのでしょうか?
帯状疱疹になったら何科を受診する?
帯状疱疹と思われる症状が出てき始めたら、早めに皮膚科、または内科に受診しましょう。
帯状疱疹の治療はなるべく早めに抗ウイルス薬を飲み始めることが重要です。
薬を飲まなければ自然に治るまでに約3週間もしくはそれ以上かかったり、重症化することも考えられます。
しかし、早期に飲み始めると1週間から10日くらいで治ることが多いです。
ですので、早めに受診することをおすすめします。
では最後に、生活する上において入浴などで温めるなどの行為や飲酒は帯状疱疹の治療においてどうなのかについて説明しましょう。
帯状疱疹の治療で入浴など患部を温めたり飲酒をしてもいい?
まず、帯状疱疹で湿疹のできている患部は清潔に保つことが大切です。
ですが、入浴に関しては皮膚の状態を見ないとわかりませんので、必ず医師の指示に従ってください。
もし、入浴が可能ならば、身体を洗う際にはゴシゴシ洗わずに、刺激を与えないよう石鹸を使わずシャワーで洗い流す程度にしておきましょう。
湿疹で水ぶくれがひどい場合を除いて、痛みが取れていない状態であれば患部を温めることで痛みが和らぐこともあります。
カイロや湯たんぽなどで適度に患部を温めてみるといいでしょう。
そして、飲酒についてです。
アルコールは血管を拡げる作用があり、炎症を悪化させてしまいすので、帯状疱疹が発症している間は飲まないほうがいいですね。
なるべく帯状疱疹が治るまでは控えましょう。
帯状疱疹の治療方法についてのまとめ
今回は、帯状疱疹の治療方法について説明してきました。
では、まとめてみましょう。
帯状疱疹の治療方法は抗ウイルス薬を使う薬物療法です。
お薬の名前は
- ゾビラックス(一般名:アシクロビル)
- バルトレックス(一般名;バラシクロビル)
- ファムビル(一般名:ファムシクロビル)
です。
ゾビラックスには塗り薬もあり、湿疹が悪化し水ぶくれがひどい時などに処方されることはありますが、基本的には内服薬での治療になります。
また、重症の方や重症になりやすい免疫力が低下した方に関しては、入院して点滴治療を行うことがあります。
帯状疱疹は、神経に沿って痛みを伴うとても苦痛な症状が出てくる病気です。
治療が遅れたり指示通りにお薬を飲まなかったりすると、なかなか治りませんし神経痛がいつまでも続くことになります。
ですので、しっかり最後まで治療を受けるようにしましょう。