今回は、『熱中症の症状の頭痛が続く期間や対処方法は?薬で治療するの?』というタイトルでお送りします。
梅雨に入り、徐々に気温が上がり始める頃から熱中症の患者さんは増えてきます。
救急で病院に搬送される方もいて、重症であれば命を落とされる方も出てきます。
それは、体力のない高齢者の方ばかりではなく、若い方でも悪化するケースがある怖い病気のひとつです。
今回は、そんな熱中症の主な症状の一つの頭痛について説明していきたいと思います。
まずは、熱中症とはどんな病気なのかを簡単に説明しておきたいと思います。
熱中症とはどんな病気?
普段私たちの身体は、気温が暑くなれば血管を拡げたり、たくさん汗をかいたりして身体の熱を下げて体温を一定に調整するようにしています。
しかし、暑さが限界を超えると、自分で体温調整の機能がうまくいかなくなり、体内の水分や塩分などのバランスが崩れて体温上昇やその他様々な症状が出てきます。
また、何も処置をせずに放置しておくと、最悪は死に至ることもある怖い病気です。
そのような状態を「熱中症」と言います。
熱中症というのは、症状の経過によってⅠ度からⅢ度に分けられています。
それぞれの症状について簡単に説明しておきましょう。
- Ⅰ度…めまい・立ちくらみ・筋肉痛(こむら返り)など
- Ⅱ度…頭痛・吐き気・嘔吐(おうと)など
- Ⅲ度…意識障害(呼んでも反応がないような状態)・けいれんなど
このように分けられています。
Ⅲ度になるほど症状は重篤になりますので、Ⅰ度の段階で何らかの対処をすることがとても大切になってきます。
では、この症状の中の「頭痛」について説明していきましょう。
熱中症の症状である頭痛が続く期間は?
熱中症の症状である頭痛というのは、上記に説明した熱中症の症状の分類のⅡ度にある症状です。
暑い気温の中で、身体は皮膚の下にある血管を拡げて、たくさん汗をかいて体温を下げようとします。
そのため、脳にいく血液の流れも減ってしまいます。
血液の流れが悪くなるということは、脳にいく酸素や栄養分も不足するということですから、頭痛やめまいが起きてくるわけです。
そして、その頭痛が続く期間というのは、その時の状況や個人の身体的な条件によって差があるため、一概にはどれくらいだとは言えません。
もし、頭痛があるⅡ度の状態にも関わらず、何の対処や治療もせずに暑い環境の中でそのままいれば頭痛はなくなるかもしれませんが、もっと症状は悪化します。
そうなると、次はけいれんが起きて意識はもうろうとして重篤な状況に陥ってしまいます。
早い段階で、適切な対処や治療がなされて熱中症が改善されれば、頭痛は1日程度で改善することもあります。
しかし、熱中症に対する対応や処置が遅かったりで、なかなか症状が改善されない状態ですと、頭痛も長引く可能性はあります。
いずれにしろ、熱中症による頭痛が起こってしまったら、悪化しないように早めに対応することが大切です。
では、次に熱中症で起こる頭痛の対処方法について説明していきたいと思います。
熱中症の頭痛の対処方法は?薬で治療する?
熱中症で起こる頭痛は、これまでに説明してきたように、脳にいく血液の流れが減ってしまうために起こります。
ですので、その原因が排除されて熱中症が改善されて、脳に血液が十分流れていけば頭痛は治まります。
たとえ、頭痛薬などのお薬を使って頭痛を治療しようとしても根本的な原因を取り除かないことには症状は改善しません。
熱中症の頭痛に対する対処方法についてまとめてみましょう。
- まずは涼しい場所に移動する
- 水分を補給する(塩分の入ったスポーツドリンクや経口補水液など)
- 衣服をゆるめて寝る
- 熱が高ければ身体を冷やす
これらの対応をしていれば、通常は回復します。
しかし、もし吐き気や嘔吐などがあって、口から飲み物が飲めない場合にはすぐに病院を受診し治療を受けないといけません。
そして、点滴によって水分を補給する必要があります。
熱中症の症状の頭痛に関するまとめ
今回は、熱中症の症状の頭痛が続く期間や対処方法などについて説明してきました。
では、まとめてみましょう。
熱中症で頭痛が出る原因は、脳にいく血液の流れが少なくなるためです。
そのため、熱中症の対応や治療が早めになされていれば、頭痛は早めに治まることもあります。
ですが、それでもなかなか対応できず経過が長引けば、頭痛の症状も数日間続く可能性があります。
その時の状況や身体に状態によってかなり個人差があるので、頭痛が続く期間についてははっきりとは言えません。
対処方法としては次のような内容となります。
- まずは涼しい場所に移動する
- 水分を補給する(塩分の入ったスポーツドリンクや経口補水液など)
- 衣服をゆるめて寝る
- 熱が高ければ身体を冷やす
などです。
また、嘔吐などがあり水分を飲むことができない場合は、すぐに病院を受診し点滴などの処置が必要になってきます。
また、熱中症で起こる頭痛は、脳にいく血液が減ってしまうためです。
痛み止めなどの頭痛薬を飲んでも効果は期待できません。
ですので、上記の対応をして徐々に熱中症が改善されれば、通常は頭痛も治まってくることが多いです。
熱中症というのは、特に高齢者や乳幼児など体力のない人に多く起こります。
ですが、体力のある若い世代の方でも体調の悪いときなど栄養や水分管理がうまくいってない場合には誰にでも起こります。
対応や治療が遅れると、すぐに症状は進んでしまい命の危険もある怖い病気ですので、特に暑い季節は注意するようにしましょう。