急変時看護記録の書き方|経時記録の型と例文・ミス対策

急変時看護記録の書き方|経時記録の型と例文・ミス対策 看護師
看護師ミカ こんにちは、現役看護師のミカです。

今回は、『急変時看護記録の書き方|経時記録の型と例文・ミス対策』というタイトルでお送りします。


急変時の看護記録は「時刻+状態+対応+医師指示」を経時で書く

急変時の看護記録は、「何時に・患者さんがどんな状態で・自分たちが何をして・医師からどんな指示を受けたか」を、時間の流れに沿って1行ずつ並べるのが基本です。
この記事では、その型を新人〜若手の看護師さん向けに、順を追って整理します。

急変の場面は慌ただしく、あとから思い出して書こうとすると、順番や時刻があいまいになりがちです。
だからこそ、あらかじめ「何を・どの順で・どの形で書くか」を頭に入れておくと、気持ちに余裕が生まれます。

記事の後半には、呼吸状態の悪化・意識レベルの低下・心肺停止(CPA)の3つについて、そのまま真似できる記録例とテンプレを用意しました。
なお、各施設には独自の記録様式やルールがあります。実際に書くときは、所属施設の決まりを優先してください。

まず結論:急変記録の基本形

急変記録の基本形は、「時刻→状態→対応→報告・指示→結果」を1行1イベントで並べる経時記録です。
どの行も、必ず時刻から書き始めます。

たとえば次のような流れです。

  • 発見の時刻と、そのときの患者さんの状態
  • 測定したバイタルサインと、その時刻
  • 行った処置や投与した薬剤(量・経路・時刻)
  • 医師へ報告した時刻と、受けた指示の内容
  • 処置のあとの反応と、その後の転帰
POINT 急変記録は「いつ、何が起き、何をして、どうなったか」を、あとから読む人が再現できるように書くのがゴールです。

この型を守るだけで、時刻の抜けや指示の書き忘れといった、よくあるミスの多くを防ぎやすくなります。
文章の上手さよりも、順番と時刻を崩さないことを優先しましょう。

急変記録が重要な理由と、あとから検証される意味

院内の振り返りカンファレンスや医療安全の検討、場合によっては第三者が経過を確認する場面で、記録が読み返されることがあります。

そのとき、その場にいなかった人が頼れるのは、書かれた記録だけです。
「いつ気づいたのか」「どれくらいで医師に連絡したのか」「指示を受けて何をしたのか」が記録から読み取れれば、対応の流れを正しく伝えられます。

反対に、時刻が抜けていたり、主観的な言葉ばかりだったりすると、実際には適切に動けていても、そのことが記録から伝わりにくくなります。
記録は、チームと患者さんを守り、自分の行動を説明できるようにするための道具でもあります。

急変時の記録の書き方については、J-GLOBALに、「経時記録の書き方 時間のない時,緊急時など『何を残し,何を省く?』患者急変時の看護記録」という解説記事(雑誌『看護きろくと看護過程』掲載)が登録されています。
詳しく学びたい方は、全文を入手して読んでみてください。

急変時の対応の流れと、記録のタイミング

記録は、対応の流れとセットで考えると書きやすくなります。
どの段階で何が起きるかを知っておけば、「ここで時刻を残そう」「ここで報告内容を書こう」と、記録の節目が見えてきます。

ここでは手技の細かい解説には踏み込まず、記録の前提となる大まかな流れと、チームでの記録の分担を確認します。

記録係の役割と声かけ(タイムキーパーを兼ねる)

複数のスタッフで対応する場面では、記録を担当する人を決めておくと安心です。
記録係は、多くの場合タイムキーパーも兼ねます。

記録係の主な役割は次のとおりです。

  • 基準にする時計を見ながら、出来事の時刻を書き留める
  • 一定の間隔ごとに、時間の経過を全体に伝える
  • 処置や薬剤の実施内容を確認し、漏れや重複がないかを見守る

記録係が内容を正確につかむには、周囲の協力が欠かせません。
「酸素を開始します」「◯◯を静注しました」のように、実施した人が処置や薬剤を声に出して伝えるよう呼びかけておきましょう。

声かけは、記録のためだけでなく、チームの動きをそろえるためにも役立ちます。
声を出し合わないと、実施の漏れや、同じ処置の重複が起こりやすくなるからです。

手が回らないときは、メモを残して後から正式に記録する

少人数で対応しているときは、その場で記録を書く余裕がないこともあります。
そのときは、無理に清書しようとせず、最低限の情報をメモして、あとから正式な記録にまとめるのが現実的です。

メモに残したいのは、次の3点です。

  • 時刻(分単位で。分かれば秒も)
  • 起きたこと・行ったこと(短い言葉で)
  • 数値(バイタル、薬剤量、除細動のエネルギーなど)

文章を整える必要はありません。
「02:10 SpO2 89 RR28」のような走り書きでも、時刻と数値が残っていれば、あとで十分に正式な記録へ起こせます。

正式な記録を書く際には、メモをもとにしたことと、記載した時刻を本文の末尾に添えておくと、あとから読む人が状況を判断しやすくなります。

急変時の記録に書くべき項目

急変時の記録に書くべき項目

急変記録に残す項目は、大きく5つに整理できます。
発見時の状況、バイタル・患者状態、実施した処置・薬剤、医師への報告・指示、その後の経過と転帰です。

この5つを時間の流れに沿って書ければ、記録として大きく外れることは少なくなります。
それぞれ、何をどこまで書くかを見ていきましょう。

発見時の状況

記録は「どのように気づいたか」から始めます。
発見時に書く内容は、次のとおりです。

  • 発見した時刻と場所
  • きっかけ(巡視、ナースコール、モニターのアラームなど)
  • 患者さんの様子(意識、呼吸、循環)
  • 発見直後に行ったこと(声かけ、応援要請など)

「いつ・どこで・どう気づいたか」は、あとから読み返されるとき最初に探されるところです。
最後に変化がなかった確認の時刻(たとえば前回の巡視時)が分かれば、一緒に書いておくと経過がたどりやすくなります。

発見時の状態は、見たままを具体的に書きます。
「反応が悪い」ではなく、「呼びかけに開眼せず」「会話は短い言葉のみ」のように、行動や所見で表しましょう。

バイタル・患者状態は数値で書く

バイタルサインは、測定した時刻とセットで、数値で記録します。血圧、脈拍、呼吸数、SpO2、意識レベルが基本です。

SpO2は、室内気なのか酸素投与下なのかを併記すると、意味が正しく伝わります。
意識レベルは、施設で使っている尺度(JCSやGCSなど)で、数値や段階を書きましょう。

大切なのは、変化の前後を並べて残すことです。
処置の前と後で数値がどう動いたかが分かれば、対応の妥当性をあとから評価しやすくなります。

数値で表しにくい所見は、「起坐呼吸あり」「冷汗あり」「顔面蒼白」のように、観察した事実をそのまま書きます。
モニターの波形や警報の内容も、時刻とともに残しておきましょう。

実施した処置・薬剤(量・経路・時刻)

実施した処置は、必ず時刻とセットで書きます。
酸素投与なら流量と使用した器具、ルート確保なら部位と太さ、といった具体的な情報を添えます。

薬剤は、次の項目を欠かさず記録します。

項目 書く内容の例
時刻 投与を開始した時刻
薬剤名 正式な名称
量 投与量と単位
経路 静注、点滴、筋注など
指示者と実施者 誰の指示で、誰が行ったか
投与後の反応 バイタルや症状の変化

特に抜けやすいのが、投与量と経路です。
「薬剤を投与」だけでは、あとから追加投与の間隔や量を確認できません。

誰が指示し、誰が実施したかを明確にしておくと、医師の記録との突き合わせもしやすくなります。

医師への報告・指示(いつ・誰に・何を・どんな指示)

医師への報告と指示は、「いつ・誰に・何を伝え・どんな指示を受けたか」の4点で書きます。
報告したら、必ず記録する。これを自分のルールにしておくと書き忘れを防げます。

書き方の例は次のとおりです。

  • 02:12 当直医Aへ電話で報告。SpO2 89%、呼吸数28回/分を伝達。
  • 指示:酸素投与開始、動脈血ガス採取(口頭指示、復唱して確認)。

口頭指示を受けたときは、内容を復唱して確認し、その旨も書き添えます。
指示の中で分からない点があれば、その場で聞き直し、確認した内容を記録に反映させましょう。

電話がつながらなかった場合や、折り返しを待った場合も、事実として1行残しておくと経過が正確に伝わります。
家族に説明した場合は、その時刻と説明の内容、家族の反応も書きます。

その後の経過と転帰

記録は、処置を書いて終わりではありません。
処置のあとの反応と、最終的にどうなったか(転帰)まで書いて、はじめて1件の記録が完成します。

転帰として書く内容の例です。

  • 状態が落ち着いたか、悪化したか(数値とともに)
  • 転床・転棟、検査への移動、搬送など、場所の変化と時刻
  • 自己心拍再開(ROSC)や、死亡確認などの時刻
  • 家族への連絡・説明の内容

観察を続ける場合は、「◯分ごとにバイタル測定を継続」のように、その後の方針も短く添えます。
引き継ぎを受けるスタッフにとって、そこが次の行動の起点になるからです。

経時記録の書き方と時刻を正確に残すコツ

ここでは、1行の書き方、SOAPとの使い分け、時計のそろえ方、時刻が分からないときの対処を順に説明します。

1行1イベント、必ず時刻から書く

経時記録の基本は、1行に1つの出来事だけを書き、行頭に必ず時刻を置くことです。
「酸素を開始し、医師に報告し、薬剤を投与した」とまとめて書くと、どの順番で、何分かかったのかが読み取れません。

悪い例とよい例を比べてみましょう(例・架空)。

書き方 内容
避けたい例 夜間に呼吸状態が悪化。酸素投与し、医師に報告、指示で薬剤投与を実施。
よい例 02:10 呼吸数28回/分、SpO2 89%(室内気)
02:11 酸素◯L/分を開始
02:12 当直医Aへ報告
02:14 指示により薬剤◯を投与

よい例なら、気づいてから報告まで2分、指示を受けて投与までさらに2分、と流れが一目で分かります。
同じ分に複数の出来事があるときは、行を分けて、起きた順に並べます。

時刻の表記は、24時間表記(02:10など)にそろえると読み違いを防げます。
日付をまたぐ場合は、日付も添えておきましょう。

急変時にSOAPではなく経時記録を使う理由

日常の看護記録では、SOAP(主観・客観・評価・計画)で問題ごとに整理する方法がよく使われます。

SOAPで整理しようとすると、問題を分けきれなかったり、時間の流れが見えにくくなったりします。
所属施設に急変時の記録様式がある場合は、その様式に従ってください。

基準の時計をそろえ、メモでも時刻を残す

急変の現場には、電子カルテ、心電図モニター、自分の腕時計など、複数の時計があります。
これらがずれていると、記録の時刻が食い違って、あとから整合性がとれなくなります。

対策は2つです。

  1. 平時から、モニターや自分の時計が病棟の基準とずれていないか確認しておく
  2. 急変対応中は、基準にする時計を1つ決めて、その時計を見ながら記録する

場合によっては、分単位や秒単位での記録が求められることもあります。
だからこそ、現場で「この時計を見る」と決めておくことが大切です。

記録を書く余裕がないときでも、メモに時刻だけは残しましょう。
対応が一段落したら、医師に「この時刻で合っていますか」と一言確認しておくと、医師の記録との食い違いを減らせます。

時刻が分からないときの書き方

急変の最中に、時計を見ていなかったという場面は珍しくありません。
そのとき避けたいのは、見ていない時刻を、確定した時刻のように書いてしまうことです。

分からない時刻は、推定であることと、その根拠を同じ行に書きます。
書き方の例(架空)です。

  • 02:10頃(時計は未確認。02:12の医師への電話の直前に気づいたため遡って推定)
  • 01:30の巡視時は変化なし。02:10頃の訪室で下記の状態を確認。この間の状況は確認していない。

幅でしか言えないときは、前回確認した事実と、今回確認した事実で、時間の両端をはさむ書き方が有効です。
推定は推定として書くほうが、記録全体の信頼性を保てます。

あとからまとめて書いた場合は、記載した時刻と、メモをもとにしたことを末尾に書き添えます。
施設の訂正ルールを確認してください。

事実と判断・推測の分け方

事実と判断・推測の分け方

急変の記録で起こりやすいのが、書き手の見立てが事実のような顔をして混ざってしまうことです。
目の前で状態が変わると、頭の中には「たぶんこうだろう」という考えがすぐに浮かぶからです。

記録では、見たこと・測ったこと(事実)と、そこから考えたこと(判断)を分けて書きます。
この区別ができていると、あとから読む人が、どこまでが事実かを迷わずに判断できます。

「苦しそう」を数値・所見に置き換える

「苦しそう」「状態が悪い」「元気がない」といった表現は、読む人によって受け取り方が変わります。
そのため、数値・所見・行動に置き換えて書きます。

避けたい表現 置き換えの例
苦しそう 呼吸数28回/分、起坐位、会話は短い言葉のみ
顔色が悪い 顔面蒼白、冷汗あり
意識がぼんやりしている 呼びかけに開眼せず、肩を叩くと顔をしかめる
血圧が低い 血圧86/50 mmHg(◯時◯分測定)
しばらくして落ち着いた 02:18 SpO2 94%、呼吸数22回/分

患者さんが話した言葉は、そのまま「」で書く方法もあります。
たとえば「息が苦しい」と訴えあり、のように、訴えとして残せば主観の混入になりません。

ただし、観察した所見と訴えは別の行や別の文にして、混ぜないようにしましょう。

判断は事実とセットで書く

判断を書いてはいけない、というわけではありません。
判断は、根拠となる事実とセットで書くことが大切です。

書き方の型は「事実(所見・数値)→判断→行動」です。

  • SpO2 89%、呼吸数28回/分、起坐位。呼吸状態の悪化と考え、医師へ報告。
  • 呼びかけに反応なく、脈拍触知できず。心停止と判断し、胸骨圧迫を開始。

「呼吸状態悪化と判断」とだけ書くと、なぜそう考えたのかが伝わりません。
事実を前に置くことで、判断の理由が示され、臨床判断の流れが読み取れる記録になります。

原因についての推測(「誤嚥したと思われる」など)は、その場で確認していないことなら、断定せずに書くのが安全です。
確認できた事実だけを書き、推測は「◯◯の可能性を考え」のように、行動につなげて書きましょう。

そのまま真似できる記録例とテンプレ

ここからは、実際に使える形のテンプレと記録例を紹介します。
下の例はすべて架空の例で、数値や薬剤名は説明用の置き換えです。

実際の記録では、実際に測定した値、実施した内容、施設で使っている薬剤名と単位を書いてください。
◯の部分は、自分の現場の事実に置き換えて使います。

記録テンプレ(時刻・状態・対応・報告指示・結果)

迷ったときは、次のテンプレに当てはめて書くと、大きくずれません。

項目 書き方のひな形
発見 ◯:◯◯ (場所)で(きっかけ)により発見。意識◯、呼吸◯、循環◯。
状態 ◯:◯◯ 血圧◯/◯ mmHg、脈拍◯回/分、呼吸数◯回/分、SpO2 ◯%(室内気/酸素◯L/分)、体温◯℃、意識レベル◯
対応 ◯:◯◯ (処置名)を実施。薬剤は「薬剤名・量・経路」
報告・指示 ◯:◯◯ ◯◯医師へ(方法)で報告。(伝えた内容)。指示:(内容)。復唱確認。
結果 ◯:◯◯ (処置後の数値・反応)。(今後の方針・転帰)

どの行も、先頭は時刻です。
1つの出来事が終わるたびに、次の行へ進むイメージで書いていきます。

実施者の氏名や職種も、行の末尾に添えられると、複数人での対応でも誰が行ったかが分かります。
施設の様式に合わせて、必要な項目を足し引きしてください。

例①:呼吸状態悪化

病棟での夜間、ナースコールで訪室した場面の記録例です(架空)。

02:10 ナースコールあり訪室。起坐位で、会話は短い言葉のみ。「息が苦しい」と訴えあり。呼吸数28回/分、SpO2 89%(室内気)、脈拍112回/分、冷汗あり。

02:11 上体を挙上。応援要請し、看護師Bが来室。

02:12 当直医Aへ電話で報告。SpO2 89%、呼吸数28回/分、起坐位であることを伝達。指示:酸素投与開始、動脈血ガス採取(口頭指示、復唱して確認)。

02:13 指示により酸素◯L/分を◯◯で開始。

02:15 当直医A来室、診察。

02:18 SpO2 94%、呼吸数22回/分。会話は文章で可能。引き続き◯分ごとにバイタル測定を継続。

ポイントは、状態の変化、対応、報告、指示、処置後の数値が、すべて時刻つきで並んでいることです。
「息が苦しい」という訴えと、測定した数値を、分けて書いている点にも注目してください。

例②:意識レベル低下

巡視中に反応の低下に気づいた場面の記録例です(架空)。

14:20 巡視時、呼びかけに開眼せず、肩を叩くと顔をしかめる。意識レベル:(施設の尺度で)◯。14:00の訪室時は会話可能であった。

14:21 血圧86/50 mmHg、脈拍118回/分、呼吸数20回/分、SpO2 95%(室内気)、体温◯℃。

14:22 応援要請。看護師Cが来室し、血糖測定を実施。血糖◯◯ mg/dL。

14:23 主治医Dへ院内電話で報告。意識レベルの低下、血圧86/50 mmHg、血糖値を伝達。指示:◯◯(口頭指示、復唱して確認)。

14:26 指示により、輸液◯◯を◯◯mL、◯◯の速度で開始(右前腕、◯G)。

14:32 血圧◯/◯ mmHg、脈拍◯回/分、意識レベル◯。主治医D来室、診察。

最後に確認できていた時刻(14:00の訪室)を書いておくと、変化が起きた時間の幅が分かります。
意識レベルは、施設で使っている尺度に従い、段階や点数を明記しましょう。

例③:心肺停止(CPA)

心肺停止の場面の記録例です(架空)。薬剤名・量・エネルギー量は、実際に行ったとおりに書き換えてください。

21:14 巡視時、呼びかけに反応なし。呼吸なし、頸動脈の拍動を触知できず。

21:14 心停止と判断。ナースコールで応援要請し、胸骨圧迫を開始(看護師A)。

21:15 院内の急変コールを発信(看護師B)。救急カート、除細動器を搬入。

21:16 医師E到着。心電図波形は◯◯。指示:◯◯。

21:17 除細動器の解析により、◯◯。ショック◯J実施(実施者:医師E)。直後に胸骨圧迫を再開。

21:18 医師Eの指示により、静脈路確保(左前腕、◯G)(看護師C)。

21:19 医師Eの指示により、◯◯(薬剤名)◯mgを静注(実施者:看護師C)。

21:24 自己心拍再開(ROSC)。血圧◯/◯ mmHg、脈拍◯回/分、SpO2 ◯%。

21:30 医師Eの指示により、ICUへ転棟の方針。家族へ電話連絡(長男)。状況を説明し、来院の返答あり。

心停止では、発見、胸骨圧迫の開始、除細動、自己心拍再開の時刻が特に重要です。
薬剤は量と経路まで、誰が指示し誰が実施したかも併せて残します。

対応が一段落したら、医師の記録の時刻と食い違いがないか、声をかけて確認しておくと安心です。

よくあるミスと注意点

よくあるミスと注意点

急変の記録は、焦りや緊張の中で書くため、ミスが起こりやすい場面です。
ここでは、新人〜若手の看護師さんが陥りやすいポイントと、その防ぎ方をまとめます。

どれも、意識しておけば避けやすいものばかりです。
自分の記録を見直すときの目安にしてください。

曖昧表現・時間の抜け・指示の書き忘れ

よくあるミスと、その対策を表にまとめました。

ミス 起こること 防ぎ方
曖昧な表現(苦しそう、状態が悪い) 読む人によって解釈が変わる 数値・所見・行動で書く
時刻の抜け 対応の速さや順番を検証できない 1行目から必ず時刻を書く習慣をつける
医師指示の書き忘れ 誰の指示で行ったかが分からない 報告したら、必ず指示とセットで記録する

時刻の抜けは、記録の信頼性に直結します。
「酸素投与開始」「医師へ報告」だけでは、「いつ?」が分かりません。

「指示どおり対応」とまとめて書くのも避けたい書き方です。
どんな指示を、誰から、何時に受けたのかを、できるだけ言われたとおりに書きましょう。

判断だけ書く・処置の反応を書かない

「呼吸状態悪化と判断」とだけ書くのは、判断の根拠が伝わらないため、避けたい書き方です。
先に紹介したとおり、SpO2や呼吸数などの事実を前に書いてから、判断を続けます。

もう一つ多いのが、処置だけ書いて、その反応を書かないケースです。
「酸素投与開始」で終わらず、投与後にSpO2や呼吸数がどう変わったかまで書いて、1つの対応として完結します。

反応が思わしくなかった場合も、そのまま事実として記録します。
たとえば「酸素開始後もSpO2 90%で変化なし。医師へ再報告」のように、次の行動につなげて書きましょう。

数値や反応は、良い結果だけを選んで書く必要はありません。
あったことを時刻順に、そのまま残すのが記録の基本です。

書き終えたら見直す3つのチェックリスト

記録を書き終えたら、次の3つを確認してみましょう。
第三者が読んで、経過を再現できるかという視点が基本です。

  1. 時刻:すべての行が時刻から始まり、順番が入れ替わっていないか。分からない時刻は、推定と根拠が書かれているか。
  2. 事実と判断:「苦しそう」などの曖昧な言葉が残っていないか。判断には、根拠となる事実が添えられているか。
  3. 報告・指示・処置:誰に・いつ・何を報告し、どんな指示を受けたか。薬剤は量・経路・時刻・実施者が揃い、処置後の反応と転帰まで書かれているか。
POINT 見直しの目安は「時刻・事実と判断・報告と指示と処置」です。書き終えたら、この順に1行ずつ確かめましょう。

最初から完璧に書けなくても大丈夫です。
まずはテンプレに沿って、時刻から書くことを続けていけば、少しずつ記録に自信がつきます。

迷ったときは、先輩や記録の指導担当の方に見てもらいましょう。
施設ごとのルールを確認しながら、自分なりの書きやすい型を身につけていってください。


最後までお読み頂いてありがとうございました。

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